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フランスの人から「まるっとよろしく!」された話

夏休み明けに出社したら、異動が決まっていて、どんな仕事をするのかもよく分からないまま、フランスから来た3人を出迎えることになった私。
ことの顛末はこちら↓)

精一杯の作り笑顔で3人を迎えたけれど、彼らが何を目的にやってきたのか、自分はどんな仕事をすることになるのか、まだ理解できていません。

(いったい、どうなっちゃうんだろ・・)
ドキドキしながら席に着くと、上司が会議室に入ってきました。

「はじめまして。ようこそ日本へ!お会いできて嬉しいです。
ここに同席しているakkieが、これからあなた方と一緒に仕事をします。
すぐにパリに行かせるので、よろしくお願いします!って訳してくれる?

へっ?? パリ? あのPARIS


昨日から青天の霹靂がつづいて、脳が働かない私は、上司に言われるがままに訳して彼らに伝えました。

「Great!akkie、よろしく(^_-)-☆」

3人のおじさんウィンクされ、もはや現実を受け入れるしかなく、

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
と返すのが精一杯でした。
3人のおじさん簡単なプロフィールは、こちら↓)

さっそく彼らのプレゼンテーションがプロジェクターに投影され、3人が入れ代わり立ち代わり説明してくれます。

私は、わかっているフリをして頷くものの、業界特有と思われる英単語や略語ばかりで、内容をほとんど理解できません。
不安と焦りでどんどん追い詰められ、もはや何も頭に入ってこなくなりました。

「akkie、いまのプレゼンで何するかわかった?
つまりさ、彼らのサービスを日本でもやりたいから、その辺まるっとakkieにお願いしたいんだよね~。」
上司の言葉で、はっ!と我に返りました。

(これ、私には無理。断るなら、いまだ!)と思い、
「いまのプレゼン、私には全く理解できませんでした。
なので、申し訳ありませんが、まるっとどころか、私では役不足です。」

「そっか。」

と、短く返答したままの上司。そんな上司の反応を見て、
(あ~、私終わったな。明日から転職活動かな。)
気分を落ち着かせるために、小さく深呼吸していると、上司の声が聞こえてきました。


「プレゼン、ありがとうございます。ただ彼女、いまのプレゼンだけでは理解できないみたいです。研修プログラムのようなものはありますか?って訳してくれる?

「はい。」

機械的な反応で上司の言葉を彼らに伝えると、彼らはウィンクしながら笑顔でこう言いました。

「一気にプレゼンしたんで消化不良になるのも当然ですよね。
でも、大丈夫!研修プログラムがありますから安心してください。
私たちが全力でサポートするので、まるっとお願いしますね(^_-)-☆」


私の未来は、ウィンク研修プログラムに救われました。

そしてその日のうちにパリ出張の予定が決まり、数年間にわたる怒涛の海外出張生活が幕を開けました。


次回からは、私が体験した異文化エピソードの数々を紹介していきます。



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