姉歯 曉

スウェーデンのルンド大学社会学部でVisiting Researcherとして、初めて…

姉歯 曉

スウェーデンのルンド大学社会学部でVisiting Researcherとして、初めてのスウェーデン生活をスタートさせました。コロナ禍のスウェーデンの今の様子や政治・経済・社会の出来事、日々の暮らしを備忘録を兼ねてお伝えします。

最近の記事

ジャパンテクノロジー”アナログ大助かりの巻”でスポンジをスウェーデンで焼く

 スウェーデンのケーキは美味しいと思います。プリンセストルタだとか、今のシーズンだとセムラ、レモンタルトも私好みの「スーっっぱいやつ」ですし。  ただ、なんというか・・・スポンジという発想はないらしい。キャロットケーキや私が感激したクリスマス限定のスパイスケーキもいわゆるスポンジではないのです。  そこで、自分で作るということになるわけですが、私は日本でも電動泡立て器を使ったことがありません。使えるのですが、力入らずで必ずきめ細かい、そしてしっかりした泡立てができるという

    • 友人一家の感染で分かったワクチン接種の威力

      以前、スウェーデンで12歳未満のこどもたちへのワクチン接種をしない方針が打ち出されたことを書きました。 その最後に、友人の「こどもたちが学校からウイルスを持ち帰るのも時間の問題であきらめている」という言葉を紹介しました。 それから数日後、一番下のお子さんが発熱、検査をしているところだという連絡が入りました。まもなくもう1人のお子さんも。次にお母さん、そして一番大きなお兄ちゃんも発症、介護も食事の世話も全部お父さんの肩にずしっと。私もお料理を持っていったりはしましたが、毎日

      • 2月9日にコロナの制限解除するスウェーデン・・・今のワクチン接種状況

        「2月9日にコロナ規制をはずします」という宣言は歓喜と不安を呼び起こしています。他の人はともかく私にはちょっとの不安はあるかな。  オミクロン株の拡大で、かつてないほどマスク着用率が高まったスウェーデンですが、2月3日(木)にマグダレナ・アンダーソン首相、レナ・ハレングレン保健相、公衆衛生庁長官のカリン・テグマーク・ウィセル(上の写真ん、DN提供)が揃って制限解除を宣言した途端、再びほぼゼロ近くまで下がってしまいました。本当は9日まではまだ公共交通機関を利用中はマスク着用が

        • デンマークが全面規制解除に移行できる理由、スウェーデンがそうできない理由

          (写真は、スウェーデンのロンマから撮影したデンマークにつながる橋Øresundと夕陽)  隣国デンマークまで、ここスウェーデンのルンドから電車でわずか30分ほど。かつてはルンドもデンマーク領だったのですが、海が隔てる両国にはコロナ対策ではかなりの違いがあります。  規制内容はともかく、デンマークは感染者数が伸びているのに既に規制全面解除へ踏み出しました。スウェーデンはまだその時期ではないと判断、いましばらく規制が続きそうです。  この違いはどこから来るのか?医療体制の充

        ジャパンテクノロジー”アナログ大助かりの巻”でスポンジをスウェーデンで焼く

        • 友人一家の感染で分かったワクチン接種の威力

        • 2月9日にコロナの制限解除するスウェーデン・・・今のワクチン接種状況

        • デンマークが全面規制解除に移行できる理由、スウェーデンがそうできない理由

          そうは言ってもやはり罹らないことが大切。退院後のコロナ感染者と非感染者の死亡リスク比較

          (写真はルンド郊外のショッピングモールに設けられた接種会場の行列) ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディシンと英国のオックスフォード大学の研究者によると、covid-19 に感染して入院した25,000人の患者の全員が退院し、退院後1週間生存していたにもかかわらず、感染しなかった集団12万人以上の被験者と比較した結果、covid患者は退院後の次の数ヶ月で再び入院したり、多くの特定の原因で死亡したりするリスクが2倍以上高いことが判明しました。(スウ

          そうは言ってもやはり罹らないことが大切。退院後のコロナ感染者と非感染者の死亡リスク比較

          春が来てしまった・・・・・黄花節分草がニョキ

          スウェーデンの春は上を向いていても発見できません。春は足元からやってくるのです。 枯葉さえなくなり枯木立だけの冬を過ごしていると、枯葉も彩りだったんだなと思えてきます。それほど色に飢える自分を発見することができたのもスウェーデンで1年半を過ごしたからなんだなあ、、、と思います。 で、いつものように研究室に向かう道すがら、足元を見ると黄色い蕾が地面からにょきっと生えている!黄花節分草です。 一斉にあちらこちらの地面が黄色い子の小さな花で埋め尽くされるのはすぐ。茶色一色、枯

          春が来てしまった・・・・・黄花節分草がニョキ

          春を呼ぶセムラの季節がやってきました

          スウェーデンのパン屋さんとケーキ屋さんには、今「セムラ」と言うパンともケーキともつかないスイーツが並びます。セムラが店頭に並ぶと春を迎えるワクワク感が湧き出してきます。 今日は、そのセムラを170円で買ったスウェーデンの老舗陶器メーカーによるイヤープレートでいただきます。 イヤープレートはロイヤルコペンハーゲンが有名ですが、あちらはデンマークのもの。スウェーデンのRörstrand製のほうは角皿で少し大きめ。「空間恐怖症」風の細密画。ニルスの不思議な冒険がモチーフになって

          春を呼ぶセムラの季節がやってきました

          こどもたちが次々と感染しているスウェーデン。でもワクチンは基本、打たない・・・それでいいのだろうか?

          https://news.yahoo.co.jp/articles/f29d24d6d39b234355f8ffefbfdb9eb343410073 実は私、先日大風邪をひき、2週間以上咳に苦しめられています。夫がヒーターに濡れタオルを掛け、鍋に湯をはって湿度を保ってくれると言う地道な努力を続けてくれるおかげでなんとかなっておりますが、風邪をひいた当初の38度の熱、筋肉の痛み、咳の辛さは「ただの風邪でしょ」と言われたら暴れちゃうレベル。すでに検査を受け、COVIDではないこ

          こどもたちが次々と感染しているスウェーデン。でもワクチンは基本、打たない・・・それでいいのだろうか?

          そういえば、北部スウェーデンの「初日の出」は一月1日ではなかった、というお話

           皆様、大晦日を楽しんでおられますでしょうか。クリスマスが終わるとほぼやることがないかのようなスウェーデンの大晦日。私としては年明けの箱根駅伝がさすがに気になりますが、ともあれ、おせちはなくとも鶏肉もほうれん草もC O-OPで買えるし、お餅は家族が送ってくれたので手元にあるし、お雑煮で年越しです。  そういえば、去年行った最北スウェーデンのオーロラと炭鉱で有名なキルナでは日の出日の入りは何時なんだろうか。  天気予報を探ると、キルナは定点登録できませんが、そのそばナルヴィ

          そういえば、北部スウェーデンの「初日の出」は一月1日ではなかった、というお話

          スウェーデンで糠漬け

           冬のスウェーデンを生き抜くと決意して1から育て上げてきた糠床です。糠は有機無農薬の糠、こちらの天然塩を使って時間をかけて世話をしてきました。  母から指示された通りに塩を入れ、捨て野菜を入れ、1ヶ月もするとじぶん史上最高の糠床が仕上がりました(と思います)。  なす、キャベツ、大根、にんじん、あの大きすぎるきゅうりも意外にちゃんとした糠漬けになるんだなあという驚きと、さらに、実は北欧では日本より失敗が少ないのではないか・・・ということに気がついた次第です。  乾燥気味

          スウェーデンで糠漬け

          どんなものより嬉しいクリスマスプレゼント

           パンデミックの最中に在外研究という機会を得たことで、どこか後ろめたい気持ちはずっとついて回っていました。  一つには、本務の大学の同僚たちが感染防止やオンラインへの挑戦で苦労している中を研究だけに専念して良いと言ってくれることへの後ろめたさ。ゼミ生を始め、学生のために直接できることがあるはずなのに間接的な関わりしかできなくなることへの不安。  もう一つは、受け入れてくれたルンド大学にとって、私が迷惑になったらどうしようという申し訳なさとも不安とも言える気持ち。  そん

          どんなものより嬉しいクリスマスプレゼント

          海辺の街ロンマの手作り感あふれるクリスマス市

          パンデミックでお休みしていたクリスマス市が今年は復活して、スウェーデン全土で絶賛開催中。  Lommaはルンドから車で15分ほど、自転車でも2−30分走れば到着する海岸の街です。混み合った夏も終わり、今はひっそりと日常風景が広がるロンマで12月18、19日にクリスマス市が開かれました。公共の建物を使った市民のマーケット、入場料をとって行われるプロっぽいものとは違って、珍しいものが並びます。 「距離をとって安全に楽しみましょう」の貼り紙がなければ、昔ながらの市民の手作りマー

          海辺の街ロンマの手作り感あふれるクリスマス市

          ブースター接種が終わりました。

           ルンドのあるスコーネ県は医療関係者、施設や自宅で介護を受ける高齢者などを中心に3回目のブースター接種が進んでいます。スウェーデンの現在の2回目接種率は80%を超え、3回目の接種率は20%に達しました。  私はまだ65歳以下なので順番が回ってくるのは先だと思っていましたが、現在はDrop-inの接種も行われていて、たまたまインフルエンザのことで1177に連絡したらこちらの予約を入れてくれた、そういうことです。  1回目はこんな用紙もなかった上に、接種後15分待機の指示もされ

          ブースター接種が終わりました。

          ルンド大学にひっそりと置かれた「語りかける」ベンチ

          グレタ・トウーンベリさんが指摘するようにスウェーデンも環境問題を引き起こすシステムまで踏み込む「環境対策」を取らないという意味では表面的とも言えるかもしれませんが、日本と比べれば遥かに意識が高いし、建前であっても取り組まないといけないと考えているスウェーデン。 最近、古びたベンチが新しくなったなあと思っていたら、実はこれ、環境問題について問いかけるプロジェクトの一環で置かれたものでした。 「問いかける」・・・まさに言葉通り、スピーカーから声が出ます。「海岸にゴミが溢れ、鳥

          ルンド大学にひっそりと置かれた「語りかける」ベンチ

          今週末、3回目のブースター接種を受けることに。インフルエンザの予防接種を予約しようと思ったらいつの間にか・・・あれ?

           スウェーデンでは、医療関係者、施設のケアスタッフ、施設や自宅で介護を受ける高齢者、80歳以上の高齢者など、感染する、感染させることで重大な影響を与える、与えられる人々を優先して3回目のブースター接種が始まっています。ここ、ルンドがあるスコーネ県でも、すでに80歳以上の人たちの接種は順調で、今は65歳以上の人たちに接種予約するよう呼びかけがおこなわれています。  そんな中、インフルエンザの予防接種をしておこうと思って1177(医療関係は全てここに連絡をするところから始まりま

          今週末、3回目のブースター接種を受けることに。インフルエンザの予防接種を予約しようと思ったらいつの間にか・・・あれ?

          ルンド大学植物園の可愛いサンタさんたち・・・ここに映っているトムテさんだけではありません。

          「凍(しば)れるねえ」 とあいさつしたくなるほどの最近のルンド、南スウェーデンとはいえ、さすがに北欧です。春夏にはあれほど花で溢れていた植物園も「枯れ木も山の賑わい」といった風情。連日賑わっていた、街で一番のケーキ屋さんが出していたカフェも春までお預け。  そんな中、1日限りの植物園のイベントが開かれました。「グロッグで温まってクリスマスリースを作ろう!」  寒いのに屋外で・・・ここにも可愛いサンタさん。お母さんとおばあちゃまに見守られていて暖かそう。  グロッグは甘

          ルンド大学植物園の可愛いサンタさんたち・・・ここに映っているトムテさんだけではありません。