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#小説
脳裏整頓 小説 vol,12
発酵女子
「さいあく。」
「どうしたのウカちゃん?」
「筆箱忘れた。」
「じゃあ、私の貸してあげるね。」
「マジ、サンキュー。」
「でもどうして忘れちゃったの?」
「ああ・・えっと。」
「もしかして、エノ×ハル描いてた?」
「なんで知ってんの。」
「この前ノート借りた時に描いてあって、しかもノートの両端で閉じるたびにキスするように描いてあったから。ああこっちねって思って。」
「
脳裏整頓 小説 vol,10
FHB
記者を目指していた2022年のガキの俺から数十年後。小さな出版社だが無事に記者になれた俺は本日、未来創造&人類安寧社(通称F&H)の新製品紹介の会見に会社の代表として同僚の女性記者と参加する。この会社は社名の通り人類の未来にとって有益な事や物を販売して利益を上げている近年注目の会社だ。
「行きましょう、木島さん。」
「はい。よろしくお願いします。」
フォーマルなスーツに身を包んだ女
脳裏整頓 小説 vol,08
約束
やばい、残り時間は20分だ。
それまでに終わらせないと更新が途切れてしまう。
SNSでファンに毎日更新を約束して、今日で4日目。
油断した。
『3日坊主になるだろ、どうせ。』
名前も顔すら知らない、僕なんかをフォローする稀有な50人のうちの1人に言われた。
それが腹立たしくてそれで、昨日までは頑張った。
何してんだ、どうしてちゃんと準備をしていないんだ、昨日の自分。
朝から社会人をして、夜
脳裏整頓 小説 vol,02
アイコン「もうすぐ、高校生になって一週間だろ。」
前の席に座っている幼馴染が不意に声をかけてきた。
「そうだね。」
僕は適当に相槌を打つ。
僕が佐藤進士、前に座っているのが佐藤康太。
僕たちは家だけではなく、50音も近いのでこうして近くの席に座っている。
「やっぱり、高校生になったら彼女が欲しいよな。」
「そうだね。」
僕は適当に相槌を打つ。
「進士は欲しくないの?」
「僕はやっと高校生になったば