思い出の椎茸ホイル焼き 3種
こんばんは。
読むこと、書くこと、食べることが大好きな
ひらさわあけみです。
わが家の近くにあるスーパーは、かなり広い。
その中でも食料品の占める割合が大きいので、嬉しくて仕方がありません。
濃い色の葉物野菜を眺めた後に向かったのは、きのこエリア。
菌活をしているので、必ず立ち寄ります。
ふと国産椎茸が目に止まり、手に取りました。
その時、以前通っていた居酒屋のメニューを思い出したのです。
残業で疲れ切った私は、会社のそばにあった小さな居酒屋でご飯を食べることにしました。
お酒が飲めないので、ホットウーロン茶を注文。
マスターは、私の顔を見て言いました。
「おすすめの料理があるから、食べてみなよ」
「いいですけど」
愛想のない返事をする私。
疲れている上に空腹なので、正直なところ、あまり会話をしたくなかったのです。
適当な返事を返してぼんやりしていると、椎茸の焼ける匂いが漂ってきました。
思い切り息を吸い込むと、胃袋が反応します。
普段なら大きな音を立てるのですが、その日はお腹が空きすぎていたせいか、弱々しい。ため息をつきました。
「ほい、おまちどお」
長細いお皿の上に、アルミホイルが三つ載っています。
「はあ……」
口をきくのが億劫なので、頷きながらのろのろとお箸を手に取りました。
(今にして思うとかなり失礼な態度です。情けない)
一番左端の包みを開けると、にんにくの香りが広がりました。
椎茸の上にかつお節がかかっています。
持ち上げてそうっと端っこをかじりました。
おしょうゆとにんにくの味が混ざり合い、かつお節のかおりがそれに加わっています。椎茸のエキスが滴るように喉を滑りました。
目を見開いてマスターを見ると、片目をつむって頷いています。
真ん中の包みは、薄い黄色のチーズが載った椎茸でした。
ほんの少し、オリーブオイルがかかっています。
ハフハフしながら咀嚼すると、チーズがとろけながら口の中で踊り出しました。
最後の包みは、椎茸の上にタルタルソースがかかっていたのです。
やや酸味が強くて歯ごたえがあり、ソースという感じがしません。意外にも椎茸との相性が良くてびっくりしました。
「とてもおいしかったです。ありがとうございました。」
夢中で食べた後、マスターに頭を下げました。
その後は、おにぎりを注文し干物を焼いてもらい、楽しい夕ご飯の時間を過ごすことができたのです。
あの時感じた温かさを思い出しました。
椎茸をカゴに入れ、レジに向かいます。
今日のおかずは3種のホイル焼き。
マスターの笑顔を思い出しながら作るつもりです。
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