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【再読】「流浪の月」を読んで 私は私を抱きしめた

凪良ゆうさんの世界観に
一気に引き込まれた。

今でも読み終わった時の
感覚が残っている。
こんな感覚は初めてかもしれない。

わたしの 固く こんがらがっていたモノが
ハラリと ほどけたようだった。



「滅びの前のシャングリラ」を
読んだのをきっかけに
「流浪の月」も読了。

『流浪の月』

せっかくの善意を、
わたしは捨てていく。

そんなものでは、
わたしはかけらも救われない。

愛ではない。けれどそばにいたい。


あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。
それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。

再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める

(凪良ゆう/流浪の月 作品紹介ページより引用)


恋愛?ちょっとワケありな?
と思い読みはじめたら


違った。


凪良ゆうさんの作品は想像を越える

私の心臓を剥ぎ取り 心に触れてくる

文字を追う目は止まらない
けど 言葉はゆっくり 染みてくる

泣いた後みたいに 疲れた自分を
温かい何かが包んでくれるような

私は私を抱きしめた。

特別な一冊となった




わたしが平常心でいられない時は
いわゆる 常識的な人や 愛情深い人から
望んでいない優しさや
親切にされてる時だ。

そんな時
友達に 吐き出してしまう。

今、親切というナイフでグサグサ刺されてる。
平常心にもっていくのがしんどい。
そこから立ち上がれない


親切とか優しさって
人によっては暴力と同じ。
笑顔で殴ってくる


過干渉な愛情
心が殺される、無気力になる。


それが他人であったり、親であったり。
説明しても伝わらないモヤモヤ

(自分はなんて恩知らずな
非常識な人間なんだろ。
どこか欠落してるのではないか。)
と落ち込む。


幼い頃から感じていた
生きづらさ

優しくされたり、親切にされて
嬉しくて、温かい気持ちになり
感謝でいっぱいの時はたくさんある。


しかし、今は違う!
読み進めながら

わたしは「更紗」と一緒に叫んでた。

ほっといてよ!!!
私に触らないで!!

(こういう言葉じゃなかったかもしれないが)


〖事実と真実は違う〗

善意が善意とは限らない
正義が正義とは限らない

わたしの人生を振り返る。

叫んでも伝わらない、苦しい。
無気力になる。


胸の奥で点っている火が大きくなる。
静かに説明する。伝わらない。
無表情になる。


腹の底でグツグツと煮え返るものが
口から出そうになる。
また叫んでみる。けど 伝わらない。
無感情になる。

もういいや。

いつしか体の外側と内側が別々になり
わたしは 平気な顔して生きてきた。

人生の半分以上もだ。


この本を読み終えて思う。

逃れられないと思っていた。
「せっかくの善意」が
どこまでも憑いてくる影のようで。


伝え方とは「自分の生き方」なのかもしれない。
伝え方の方法は他にあったのかも知れない。

いや、伝わらなくてもいい
自分がわかっている。
言わなくても わかる人にきっと会える。

胸の奥の点火が 灯火となり
グツグツ煮え返るものが鎮まった。

苦しさは変わらない。
けど
清々しい。

〖流浪の月〗の眩しい ラストシーンのように。

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