KAWASAKI

ロードバイク好きの30代男。筑波大学スポーツ医学修士号。吉田記念テニス研修センター(フ…

KAWASAKI

ロードバイク好きの30代男。筑波大学スポーツ医学修士号。吉田記念テニス研修センター(フィジカルコーチ)、国立スポーツ科学センタートレーニング指導員(非常勤)を経て、現在フリーで活動中。日常のトレーニングに役立つ情報を発信していきます!

マガジン

  • エネルギー代謝

    サイクリストや持久系競技者の皆さんに向けてエネルギー代謝についてまとめています。

  • 個人的な考察記事

    論文などを読みながら考えたことを記事にしています。

  • サクッと一本!論文レビュー

    ロードバイクとトレーニングに関する論文を一記事につき一遍ご紹介しています。

  • 富士ヒルクライム

    富士ヒルに関する記事を書いています。

  • 海外記事紹介

    サイクリストや持久系競技者に役立つ海外の記事を意訳、要約してご紹介しています。

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KAWASAKIが質問にお答えします。

この記事を購入いただくことで、以下のサポートを行わせていただきます。 【内容】 おおよそ20分の会話、もしくはそれと同等の文面でのやり取りを行わせてもらいます。 【流れ】 この記事を購入いただいた後、私から三日以内に「お礼のメッセージ」機能でご連絡いたします。 私の連絡先を記載しますので、その宛先へ以下の内容についてご返信いただければと思います。 ご希望の連絡手段(LINE、zoom、mail) どのようなご質問があるか(簡単で構いませんし、複数候補を挙げて頂いて結

    • エネルギー代謝のダイナミズム

      どのようなスポーツにおいても、高いパフォーマンスを発揮する条件の一つとして、そのスポーツに適したエネルギー代謝能力を備えていることが挙げられます。 日々のトレーニングで目的とするエネルギー代謝の向上を目指す上では、コーチやトレーナー、そして選手自身のエネルギー代謝についての共通理解が深まっていると、コミュニケーションが円滑に進み、効果的に能力を高めることができるでしょう。 エネルギー代謝について理解しておくことは、スポーツを行う人や携わる人にとって非常に大切な事柄になって

      • トレーニング - 量と強度に関する一考察

        トレーニングを考える上でベースとなってくる、量と強度。 どれくらいの量(時間や距離)を、どれくらいの強度(パワー)で行おうかと考えることは、一回のトレーニング内容はもちろんのこと、週や月単位の計画を考える際にも考慮すべきポイントになってきます。 しかし、これは考え始めるとなかなかの難題です。量と強度は一体どれくらいが効果的なのか?という疑問は、今も昔もコーチや研究者、そして選手自身にとっての悩みの種であり、唯一の答えはありません。 そこに何とか折り合いをつけるべく、先人

        • 持久系競技と筋力トレーニング

          ロードバイクなどの持久系競技のトレーニングとして、筋力トレーニング(以下、筋トレ)は有効なのだろうかと、導入を迷われている声を聞く機会が多くなってきました。 否定的な意見を耳にすることもしばしばあります。「筋トレ」のイメージといえば筋肉を大きくする=体重が増えること。また、スクワットなどで重いバーベルを持ちあげられる能力が、一体ペダリングにどういう意味があるの?と思われるかもしれません。 研究においても、筋トレの持久系競技への効果はある、ないで意見が二分しています。そのた

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        記事

          ミトコンドリアのメンテナンス:アンチエイジング -エピソード4-

          ミトコンドリアは老化や病気など、生きていく上で避けることのできない問題と深い繋がりがあること、更に言えばそれらの根本にある原因ではないかとされている。 そういわれる所以の一つに、ミトコンドリアの老朽化が関係しているようだ。 ミトコンドリアはミクロだが強力な発電所であり、日々稼働し続ける中でだんだんと老朽化していく。小さな老朽化も、次の世代のミトコンドリアへと受け継がれ、塵も積もれば山となる。もしそのダメージを常時取り除けるのなら、私たちは歳をとらずに済むのかもしれない。し

          ミトコンドリアのメンテナンス:アンチエイジング -エピソード4-

          毛細血管のトレーニング適応

          髪の毛ほどの大きさである筋線維の周りに、それを更に数十分の一コンパクトにした大きさの毛細血管が張り巡らされている。 また体中の毛細血管を集めると、優に地球を2周するほどの長さになるとも言われています。 小さすぎてなかなかイメージしづらいものの、すごく大事な構造。 毛細血管が増えることは、トレーニングによる適応の一つとしても有名なところ。 今回の記事では、毛細血管とトレーニングの興味深い関係をお伝えしていきましょう。 毛細血管のサイズ感まずはサイズ感から。 ご自身の

          毛細血管のトレーニング適応

          パワーカーブを理解する

          5秒パワーや1分、20分パワーなど、異なる継続時間でどれくらいパワーを発揮できるのか(時間パワー)を把握することは、ご自身の体力特性の強みや弱みを把握でき、トレーニングを有効に行うための良い材料になります。 今回の記事では、これらの時間パワーをつなぎ合わせた”パワーカーブ”を理解し、目標設定やご自身の特徴を更に具体化するツールとしてパワーカーブを役立ててもらおうと思います。 記事の途中にはご自身のパワーカーブを簡易的に描画する資料も用意しています。(目次:「ご自身に合った

          パワーカーブを理解する

          お手持ちのデータからゴールタイムを予測する -富士ヒルに向けて#3-

          以前投稿した記事「富士ヒルクライムに必要なFTP -富士ヒルに向けて#2-」で作成した資料を修正し、峠アタックなどのお手持ちのデータ(タイムとパワー)からゴールタイムを予測する内容を加えました。 追加した内容は、以下の記事で作成した資料を元にしています。 作成したものファイルをダウンロードしてもらい、黄色で示された箇所を記入してもらうと以下のグラフが表示されます。 記入してもらう内容記入してもらいたい箇所は黄色で示しています。記入自体は1分もかかりません。 ◆基本情報

          お手持ちのデータからゴールタイムを予測する -富士ヒルに向けて#3-

          パワープロファイルの分析

          ZwiftやStravaなどのアプリでは5秒パワーや1分パワーといった結果が表示されます。 これらのデータから、皆さんのパワーレベルをセルフチェックできる資料を作成しましたのでご紹介します。 【修正記録】 2024.5.28 脚質判定、FTP偏差値判定の表示/非表示を選択可能にしました。 「資料の利用について」を加筆しました。 作成したもの「性別」と「体重」、「パワー(5秒、1分、5分、60分)」を記入してもらうと、以下のような資料が出力されます。 峠TTなどのタイム

          パワープロファイルの分析

          「気分」のマネジメント

          気分などのメンタルな状態がパフォーマンスに直結することは、皆さんも経験されたことがあると思います。 「気持ちを強く保てたから最後まで力を出せた」 「試合に臨むメンタルではなかった」 このようにメンタル的なコンディションは間違いなくパフォーマンスを左右する要因であるにも関わらず、上手くマネジメントすることは難しいものです。 そこで今回の記事ではメンタルな事柄の内、特に「気分」と言われるものについて論文を参照しながらまとめてみました。 気分が意思決定に影響していること、

          「気分」のマネジメント

          豊かな未来に向けて

          スポーツ科学の情報を多くの方にお伝えしようと始めたこのnote、多くの方に記事を読んでもらえていることが私にとって大変励みになっています。 今回の記事では私のnoteのこれまで、そしてこれから始めていきたい取り組みについてお伝えしていきます。 これまでのnote2023年中ごろより本腰を入れて書き始め、これまでに100記事ほどを皆さんにご紹介できるまでになりました。 当初は今まで読んできた論文の中で特に興味深いと感じたものを一つずつご紹介し、併せて面白い海外記事の要約を

          豊かな未来に向けて

          深い呼吸の効果の理由

          ヨガや瞑想、坐禅、その他のボディワークでは共通して「呼吸が大事」だと言われ、深く呼吸することが求められます。 このことは呼吸を整えることが様々な方法論において効果の土台にあることを物語っており、深く呼吸することの意義を理解しておくことは生活の様々な場面で役に立つはず。 今回の記事では深い呼吸が自律神経(交感&副交感神経)を調律する流れを解説し、日々の生活に深い呼吸を取り入れるモチベーションを高めてもらおうと思います。 是非、最後まで読み進めてみてください。 心拍数の揺

          深い呼吸の効果の理由

          ストレスのエネルギーコスト

          仕事や学業、人間関係、お金の問題など、私たちの周りにはストレス反応を引き起こす種がたくさんあります。 また心配や不安といった感情も、ストレス反応の引き金に。 今回の記事ではストレス反応によってエネルギーコストが増え、場合によってはトレーニング適応に必要なエネルギーをも費やしてしまいかねないことを説明してみたいと思います。 仕事や学業とトレーニングの両立を目指すため、ストレスをエネルギーコストという観点から深堀りしていきましょう。 是非、読み進めてみてください。 スト

          ストレスのエネルギーコスト

          オーバーワークの悪循環

          特に体の不調は感じないのに何故かパフォーマンスが停滞したり、すぐに疲れてしまうといった経験をされたことがあるかもしれません。 それが数日では回復せず、数週間あるいは数カ月、場合によっては年単位で続くような大変困った状況はオーバーリーチング、オーバートレーニングといった言葉で知られています(この記事では一括してオーバーワークと呼ぶことにします)。 このような状況は過酷なトレーニングを続けるアスリートだけに起こるものなのでしょうか? 答えはノーで、オーバーワークの弊害は誰し

          オーバーワークの悪循環

          カフェインの効能

          コーヒーに紅茶、エナジードリンク、コーラ、風邪薬、etc… 仕事前には集中するためにコーヒーを一杯、休日には友人とおしゃれなお店で紅茶を楽しみ、運動時にはパフォーマンスアップを目指してエナジードリンクを。 カフェインは私たちの日常に深く浸透しており、何気なく摂取することでその効果の恩恵を受けたり、反対にカフェインの摂り過ぎによる頭痛などネガティブな作用に悩まされたりしています。 今回はサイクリングやランニング、トライアスロンなど持久系競技に取り組む方々へカフェインについ

          カフェインの効能

          辛さとの対話

          ヒルクライムやレース、トレーニングの終盤に感じるあの辛さ。 今のパワーでいけるのか、下げるべきか - 持久系競技は疲労感と向き合い続け、その辛さにどう折り合いをつけられるかがパフォーマンスを決める一つの要因です。 様々な論文を俯瞰する限りパフォーマンスがメンタルによって頭打ちになっていることに疑いはなく、生理学などフィジカルな面と並行してメンタルな側面について知ることは大変有用です。 今回の記事では持久系競技特有の「辛さ」について理解を深め、辛さとどう向き合い、対処

          辛さとの対話