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やり残したままの夏休みの宿題 〜国境の八重山・石垣島〜

言葉にできない石垣島の海の美しさ

エメラルドグリーンの海、青い空。そして、白い雲・・・は、そのまま白く海面に反射するとは、知らなかった!この美しさ、言葉で表現するには筆力が足りなすぎる。

沖縄本島は何度か、そして宮古島へは一度スキューバダイビングで行ったことがあるが、この島、石垣島は初めてだ。

★石垣の海のショート動画をどうぞ!

この石垣島行きは8月のことだった。ちゃんとストーリーを立ててnoteできちんと文字にしたかった。しかし、私のこの「夏休みの宿題」は、新学期が始まってもついに提出できないまま、もう九月も下旬になってしまったのだ。そこで今日は罪滅ぼしに、”南ぬ島”石垣とその周辺の離島で見た風景写真を、少しだけここに並べておきたいと思う。

秋の虫の音を聞きながら、真夏の石垣島をお楽しみください。

まずは気に入って、日を改めて二度訪れた米原ビーチ。
遠浅で、海に入るとすぐに珊瑚があり、大小色とりどりの魚たちに迎えられる。

米原ビーチ

シュノーケリングで水中動画を撮影中、白と黒の縞模様の海ヘビに遭遇!なんと、舌をぺろぺろしながらこちらに向かってくるではないか。やはりこういう時は、職業柄、冷静に撮影しながら・・・といきたいところだったが、さすがに怖くて逃げ出してしまい、全く撮影できず。残念!海ヘビはダイビングでもそんなに見たことはないのに。

次は、名勝、川平湾。団体旅行のガイドのこんな声が後ろから聞こえてきた。「普通ガイドブックのビーチの写真は加工してあるものですが、ここ川平湾は全く加工しなくてもよいぐらい美しいんです」と。

川平湾

島内に広がるサトウキビ畑。風にたなびいて、まさに「ざわわ」。

普通の集落にある、海に向かうなんでもないアプローチに、心癒される。

御神崎灯台

石垣から離島へ

そして、石垣島から船で40分の西表島から、干潟の向こうにある対岸の由布島に向かう。交通手段は、水牛だ。車夫が三線をつまびきながら歌う「君は野中のイバラの花か サー、ユイユイ♪」が歌い出しの『安里屋ユンタ』に耳を傾けながら、ゆったりとした贅沢な時間を味わう。

石垣から最も近い離島、竹富島。
屋根の上のシーサーも色々バラエティーがあるようだ。

民家の“石垣”の上の猫も、絵になる。

「島に暮らす」ということ

次は、絶景ではなく石垣市中心部のコンビニの店内。

この日、棚がすっからかんだ。他のコンビニを回っても同様。台風の影響か、と思ったが、台風が過ぎてからもう何日か経っているのに。

店員に聞いてみると、時々こういうことはあるとのこと。よく考えたら、そりゃそうだ。普段東京にいる私は、コンビニに行けばいつでもモノが豊富にあると思い込んでいて、それ自体が当たり前でないことにあらためて気づく。台風などちょっと流通に障害が起きると、小さな島ならばこういうことも当然起きる。

どのコンビニにもあった、これ。実に美味しい!
「玄米乳」というのだそうだ。

生まれて初めて飲んだ。玄米と黒糖で作られているらしい。地元の人に聞いたら、小さい頃、お腹が空いても食べるものがない時はこれを飲んでたと。東京で手に入るところはあるだろうか。また飲みたい。

国防の最前線として


美しすぎる海と贅沢な時間に大満足の旅行だが、実は今回の旅で、一つだけ心残りなことがある。それは、国防の最前線としての島の実態を感じることができなかったことだ。

東京までは2000キロ近くあるのに、台北までは270キロ、上海までは800キロ、マニラでも1100キロ、という位置にある石垣島。そして尖閣諸島の住所は実は石垣市だということも知った。距離にして石垣島からたった170キロぐらい。防衛の面で戦略的な位置だとされる条件が揃っている。

「南西諸島防衛」が声高に叫ばれ、今年に入って石垣島では陸上自衛隊の駐屯が始まった。その場所を自分の目で見て、人々がどのように感じているのか、もちろん簡単に旅行者ごときに本音を話すわけはないのだけれど、少しでも空気を感じ取りたかったので、それが叶わず残念だ。

いずれにせよ、石垣市の街を普通に旅行者として歩くだけでは、自衛隊の存在を感じるものは全くなかった。

ただ石垣港では多くの海上保安庁の巡視艇が泊まっていて、これが尖閣諸島周辺も管轄する日本最大の石垣海上保安部の艦艇だとも知った。

石垣島に来る時の飛行機は、席の位置がよくなくて見ることができなかったが、帰りは眼下に沖縄の島々を見下ろすことができた。

まずは美しい珊瑚礁に目を奪われるが、防衛上重要な役割を果たしている島がいくつもある。

例えば、沖縄本島近くのこの島。地図で確認すると伊江島のようだ。

滑走路が3本も並行して並んでいるのが見える。もともと旧日本軍の飛行場があったそうだが、今では米軍の「伊江島補助飛行場」が島の35パーセント以上の面積を占め、アメリカ海兵隊の飛行場、演習場となっているという。


国境にあるということは、どういうことなのか。

その境の向こう側にいる相手とうまくいかない時は緊張の最前線にもなると同時に、相手とうまく関係を築けるならば、玄関口として、異文化の交差点として栄えることもできるかもしれない。しかし今の状況は、全くそういう方向には向かっていないのが悲しい現実だ。

石垣には、この他にも、悲惨な「戦争マラリア」の歴史などもある。今回はこれもまったく感じ取ることができなかったのが残念だった。

しかし、そんなこんなを考える時間を与えないほど、石垣の自然は美し過ぎた。普段東京で疲れ切った心身を癒すには十分すぎる旅だった。今も水牛車夫のつまびく安里屋ユンタを時折真似て、ふふふんと口ずさんでしまう。

また、行かねば。


きょうも最後までお読みいただき、ありがとうございました。
AJ😀

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