君が謝ることなんて、
12/1。
5:30起床。
天気は晴れ。
*
名前を呼ばれた気がした。
ので、目が覚めた。
まだ、頭がぼんやりしている。
「また、一緒に謝ろうね」
……何を?
パートナーの顔を覗き込むと、すやすや眠っていた。
わかっていたけど、寝言……。
寝言に返事をしてはいけないらしい。
ので、とりあえず一回起こしてみる。
パートナーは何事もなかったように、ぱっちり目を開けた。
「どうしたの?」
「寝言いってたよ」
「寝言?」
「『また、一緒に謝ろうね』って」
「……何を?」
「こっちが知りたい」
何も解決しなかったので、とりあえずパートナーを寝かしつけた。
謎は、謎のまま残った。
まあ、本人が一切覚えていない(というか、身に覚えがない)ので、気にすることはないのかもしれない。
でも、台詞が台詞だったので、どうしても気になってしまう。
「また、一緒に謝ろうね」
また? 一緒に? 謝る?
何一つ、腑に落ちない。
パートナーと一緒に謝ることなんて、ないよ。
ぼく一人なら、たくさんあるけど……。
それはさておき。
そういえば、今日から12月だ。
それは、関係ないのかな。
パートナーの謎の寝言とは。
「OK,Google」
※iPhoneだけど、うちのSiriは当てにならない。
「12月 意味」
検索結果、多数。
しかし、芳しい情報は得られず。
「まあ、『魔の月』なんて聞いたことないしね」
12月に罪はない、と。
じゃあ……何だ?
パートナーが、ぼくと一緒に謝ること……。
だめだ、何もわからない。
そもそも、本人(パートナー)に心当たりがないんだから、どうしようもない。
パートナーはけろっとしていたし、深く考えることはないのかもしれない。
ぼくは、答えを出すのを諦めた。
……寝言は、無自覚に発するものだけど、その内容も無自覚なのかな。
寝言って、一体何なんだ?
夢の中の戯言?
隠された本音?
それは、ぼくにはわからないけど。
「君が謝ることなんて、何一つないよ」
ぼくは思う。
もしあったとしても――つまり、ぼくも一緒に謝る必要があるなら、そうするよ。
だから、
「一人で抱えないでよ」
ぼくもパートナーも、一人で色々抱え込みがちだから。
そこは、同じじゃなくてもよかったんだけどな。
ぼくは、パートナーの頭をわしゃわしゃ撫でた。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。
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