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新しいレッテルの前で、少し立ち止まる

「今回の更新で、精神手帳の等級が上がります」

「手帳が」

「はい」

「(障害)年金の等級ではなく」

「はい、精神手帳です」

「手帳……」


今回の、精神手帳の更新で、ぼくは3級から2級になった。


突然の連絡で、聞き間違いかと思った。でも、間違いにしたかったのは、ぼくだけだった。


ぼくは、障害年金を受給している。それは、現在2級で。


年金の等級も、もともと3級だった。でも、去年の更新時(だったと思う)に提出した診断書によって、ぼくは2級になった。そのときは、上がると思わなかった。


原因は、「アルバイトを3日で退職」が診断書に追加されたせいだと思う。たぶん。おそらく。実際の原因は、確かめようもないけど。


これだけ見れば、立派な社会不適合者だけど。でも、あれはオーナーがどうしようもないクズで、ぼくがケンカを売ったことにより、自主退職かつクビになった。まあ、十分社会不適合者か。


話は戻るけど。今回、精神手帳の更新に、新たな診断書は必要なかった。障害年金の書類、というか、時々届くハガキを提出すればいいと言われた。そちらの方が面倒がないので、指示された翌日には提出した。


そして約1ヶ月後、つまり今日、市役所から電話があった。手帳の等級が上がること。それと、証明写真を貼るかどうか。写真とかどうでもよかったぼくは、貼らないことにした。


年金の等級は、「アルバイトを3日で退職」で上がったと推察しているけど。手帳の等級も、同じ理由で? ぼくが提出したのは、診断書じゃなく、年金の書類なんだから。


ところで、電話が来たのは、カラオケの帰り道だった。一人ですとも、ええ。


前日に色々あって、鬱憤を晴らしたくて、大声を出したくて、しょうがなかった。

喉を枯らすころには、だいぶすっきりしていたのだけど。その矢先にまた、ぼくの頭をもたげるようなことば。市役所の人は、なにも悪くないのだけど。


今の自分を、どうにかしようとあがくほど、ぼくは社会不適合だと、レッテルを貼られている気がする。嫌いな人間どころか、友人相手でも、会話に一苦労するぼくなんだから、その通りかもしれないけど。でも。


来月なのか、再来月なのか。ぼくは、等級の上がった手帳を受け取る。ぼく自身は変わらない。少し、落ち込むくらい。それくらいは。

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