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自分が自分じゃなくなることが怖い。(もしくは、5月の終わりに。)

5月が終わる。ぼくは、まだ眠い。変わらない日々。変わらないぼく。平穏に生きたいのに、時々不穏になる。来月も、そんな感じだ。たぶん。自分が変わることに、期待していない。そもそも、「変わる」って何なんだ。「今の自分を変えたいを思いませんか?」なんて、うさんくさい広告でよく見るけど。大きなお世話だ。


ぼくは、自分がどうしようもない奴だと思っていて。周りに他人が大勢いると、気持ち悪くなるし。一人が好きなくせに、しょっちゅう寂しくなるし。自分のことしか考えられない、エゴイスト。でも、「社交家で、自分より他人を優先して生きる」ようになりたいかといえば、たぶん違う。そっちの方が、将来は明るいと思うけど。けれど、それはぼくじゃない。想像するだけで気味が悪い。ぼくは、自分が自分じゃなくなることが怖い。


身内に、他人に、自分に傷付けられて、どうしようもない人間が完成しました。人間は、「まっとうに生きたかった」と泣いています。しかし、もう手遅れです。人間は、薬が手放せません。手助けがないと、ろくに生活もできません。20年以上、普通「じゃない」人間として認識され、親にすら受け入れてもらえず、途方に暮れました。


「人間は必ず変わることができる」と考えている人と、仲良くなれる気がしない。「変えられないものもあるんだ」と言っても、「それは、あなたの力不足だよ。もっと努力しなきゃ」と返ってくる。(実際に返ってきたんですよ。ええ。)話が通じない、もしくは話を聞かない奴は大嫌いだ。バーカバーカ。


今のぼくには、パートナーがいる。よく「パートナーに出会えたおかげで、変わることができました! 今はすごく幸せです!」とか見かけるけど、「ずいぶんおめでたいな」と思う。たしかに、パートナーのおかげで、ぼくはずいぶん救われたと思う。でも、自分の性質が変わるわけじゃない。今でも、さんざん迷惑をかけている。「変わることができました!」とはしゃいでいる人は、先が見えていないんじゃないのかな。方々に叱られるかな。こんなことを言えば。どうでもいいけど。


6月になる。小説を書いて、本を読んで、音楽を聴いて、パートナーと過ごして。変わらない日々であってほしい。変わらないぼくであってほしい。それが、わがままだとしても。20年以上かけて、やっと手に入れた平穏なんだ。どうか、邪魔しないでほしい。

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