見出し画像

午前6時の怪怪怪奇

1/25。

6:00起床。

天気は曇り。





なにか、聞こえる。


なんだろう……音楽でもなし。目覚ましでもなし。


なんだろう……。


ああ、もしや。


パートナーが起きて、スマホでYouTubeでも見ているかもしれない。


というわけで、寝室に戻る。


布団の上で丸くなっているパートナーを発見。


10分前(僕が起きたとき)は、布団の中に収まっていたのに……。


どういう寝相だとツッコみつつ、起こしてみる。


パートナーは「わああ」とか言いながら、「今起きました」という顔をしていた。枕元のスマホは消灯したままだ。


「ははは、こいつめこいつめ」とパートナーとキャッキャッしてから、彼を寝かしつけ、作業に戻る。


なんだったっけ……そうだ、この音だ。


まだ、謎の音は聞こえてくる。


音の発信源は、はっきりしない。


隣の部屋?


それなら、もっとはっきり聞こえてもいいはずだ。


だって、隣人のいびきが響くくらい、このアパートは壁が薄いから……。


まあ、住処に対する不満はさておき。


この音……ちょっと、ピコピコした感じの音だ。


ゲームのSEみたいな。


『みたいな』というか、実際にそうなのかな。


でも、パートナーはゲームをしていないし、ましてや隣人がこんな早朝から遊んでいるとは考えにくい。


一応、自分のスマホに差さっているイヤホンを確認するも、なにも流れておらず。僕のうっかりでもないようだ。


じゃあ……なんだ。


考えたくはないけど、幻聴なのか?


しかし、幻聴はこんな愉快で楽しいものじゃないはずだ。


じゃあ、


頭の半分は、まだ夢の中にいる?


頭の半分その1が、今ここで日記を書いていて。


頭の半分その2が、夢の中でなにかを聞いている。


そんな器用なことが、僕なんぞに出来るとは思えないけど。


……あれ。


うんうん考えている内に、あの音は聞こえなくなっていた。


謎を解明している最中だったのに、ああなんて口惜しい。


それに、聞いていて嫌な思いがするものでもなかったのに。


もしも、あの音が夢の中から響いてきたものだったなら。


僕は、完全に目が覚めたことになる。


……それはそれで、まあいいか。


午前6時の怪奇現象は、有耶無耶なまま幕を閉じるのだった。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


この記事が参加している募集

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。