見出し画像

「クリーンなソーシャル通話アプリ」を使っている話

3/29。

4:35起床。

天気は曇り。





会社に行っていない。ので、パートナーを除けば、話す人がいない。日中は、まったくいない。それはそれで、いいのだけど。時々、不安になる。自分がますます、人間じゃなくなる気がして。パートナーがいなくなれば、ぼくを人間として見てくれる人がいなくなれば、ぼくは。


少し前に、『コネクティング』というアプリをインストールした。

曰く、「クリーンなソーシャル通話アプリ」。マッチングアプリではない。知らない人と話すだけのアプリ。通話時間は7分と決まっていて、実際に話してみると、長くも短くもない丁度いい時間。今のところ、不快になるような人には遭遇していない。


話すのは得意ではないけど、一度話した人ととは、それ以降お目にかかることはないので、気は楽だ。平日に利用するときは、「仕事をしていました」とウソをつく。知らない人とはいえ、同情されたり、気を遣われたりするのは面倒だから。


先述した通り、マッチングアプリじゃないとはいえ、知らない人とつながるアプリだ。顔写真は登録しないといけないし(常に閲覧されるわけではない。通話が終了したときだけ。)最初に登録する性別は、男性/女性しか選べない。運営曰く、利用者は男性が圧倒的に多いらしい。その理由は……まあ、そういうことなんだろう。ぼくは、男性で登録した。声でバレるかと思ったけど、そうでもなかった。


男性には、一切疑われたことがない。女性には、「あれ? 女の人ですか? 男の人ですか?」と訊かれることがほとんど。(通話画面に、性別は表示されているんだけど。)もちろん、「男です」とウソをつく。(まあ、ウソでもないんだけど。)それで、向こうはすんなり信じてくれる。(プロフィール写真は、メガネとマスクで顔を隠している。なぜか、それでも登録できる。)


「男ですよ」とウソをつくときだけ、ぼくは男性を演じる。その他は、いつも通り。ぼくには話題がないから、聞き手に専念しているけど。(聞いてもらいたい人が多いのか、特に何も言われたことがない。)誰かの声を聞いているだけで、「ぼくは、まだ生きているんだな」と実感できる。


その内飽きるかもしれないし、変な人に遭遇したら即アンインストールするつもりだけど、もう少し使ってみようと思う。他人に会いたくないぼくは、今日も仮面を付けて、誰かの話を聞く。


追記:ぼくが登録している名前は、このアプリでしか使っていない名前です。万が一「相地」という人に遭遇しても、ぼくじゃないのでご注意を。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


この記事が参加している募集

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。