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昨日は、3杯飲みました。

図書館(もしくは、図書館前の喫茶)へ行くときの小路に、必ず見かける人がいる。大体同じ時間に通るので、よく遭遇する。まあ、あちらはこちらを見ていないんだけど。自宅? の前でタバコをふかしている。ぼくじゃないなにかへ、ぼんやり視線をよこして。彼には、なにが見えているんだろうか。


「毎日、勉強しとるね」と、喫茶の常連のおじいさんに声をかけられる。(ちなみに、2回目。前回、初めて「おはよう」と挨拶された。)毎日来ているわけではないんだけど、あと勉強しているわけではないんだけど。大抵は本を読んで、気になる箇所をメモしたり、わからない単語が出てきたら電子辞書で調べたり……あれ、勉強かもしれない。勉強とは。それはさておき。


ぼくがなにかしら返事しようとすると、「小説書いとるのよ。作家さんなのよ」と店員のご婦人に先手を打たれる。(ご婦人にも、以前同じく訊かれたことがある。ぼくは正直に答えました。その結果です。)


「作家さん」ではないので、「志望です」と答える。作家志望なんて、時には嫌ないじられ方をするものだけど、おじいさんもご婦人に同じく、素直に応援してくれる方だった。人見知りが発動していたぼくだけど、励まされる度にお礼を言った。


そんなぼくは、昨日は勉強するつもりで来ていた。小説ではなく、コーヒーの。コーヒー豆の焙煎を始めたばかりなので、今まで(まだ3回)の記録をふり返りながら、コーヒーの参考書を読みながら。あと、自宅で焙煎している人のブログを複数閲覧しながら。当たり前なんだけど、三者三様なので、なにを参考にしたらいいのやら。情報社会に吞まれそうになる。とりあえず、共通点だけメモしておく。


少し休憩してから、コーヒー豆の量り売りをしている店へ行く。購入するだけじゃなく試飲もできるので、自分が今焙煎している豆と同じものを、いただこうと。が、営業日には違いなかったけど、主人は不在だった。ぼくが訪れたのは、主人がジムへ行っている時間帯だった。久しぶりだったので、すっかり忘れていた。「健康維持のためなので、ご理解ください」のことばにほっこりしつつ、明日行くことにした。


夜は、前日と同じ豆を焙煎した。生豆のピックアップ(虫食いやカビなど、味が悪くなる豆を取り除く)に集中していると、ぼくはだんだんぼんやりしてくる。もの書きをして、コーヒーを淹れて、豆を焙煎して。どこへ向かっているのかわからない。でも、充実しているって、こういうことなんだろうな。そう思った。

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