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夢なら、ころしてしまえばよかった。

頭の中ははっきりしているのに、まぶたが重いことはありませんか。ありませんか、そうですか。ぼくですか。しっかり眠ったはずなんですけど。まぶたが、上がっているのか下がっているのか。眠いのか眠くないのか。よくわからない状態。そして、しきりにあくびが出る。じゃあ、まだ眠いのかもしれません。はあ。


こんなときに、ぼくが語れることなんて微々たるもの。(日記とは、見切り発車で書くものです。ぼくは。)豪雪の中、孤立した夢を見ました。目が覚めると、0時でした。ぼくは冷房で凍えていました。布団を追加しました。はい。みなさん、すずしくなってきたので、エアコンの温度には気を付けましょうね。


あと……そうだ。そのあとも、夢を見た。大抵の夢は、すぐに忘れてしまうけど。思い出したくもない夢に限って、しばらく忘れないらしい。その名前を、口にしたくもない。ころしたいほど憎い人間。そいつが、とても優しかった夢。現実では、決してありえないほど。喜ぶべきなのか、わからなかった。ただただ、気持ち悪かった。夢は、どんなありえないことも起こりえる。それを実感しただけだ。


夢なら、ころしてしまえばよかった。そんなことも、夢の中では思い付かない。自覚しない限り、それを現実だと思い込んでいるから。夢の中では、そいつは「ころしたいほど憎い人間」じゃなかったんだろう。腹立たしい。でも、それはぼくの望みなんだろう。「ころしたいほど憎い人間」が、「ぼくと仲よくできる優しい人間」であればよかったと。どこまでも叶わない夢だ。そんなもの、見たくなかったのに。


気付けば、体のあちこちが凝っている。緊張していたんだろうか。いくら優しかったとはいえ、実際はそんなはずはないことを、本能でわかっていたんだろう。仲よしこよしのフリをして、警戒していたんだ。現実のぼくにも、よくあることだ。「ころしたいほど憎い人間」。何年か前のぼくなら、怯えるだけだったけど。今のぼくなら、再会したとき、本当に。だから、二度と会わないと決めている。絶対に。


外は明るい。無邪気に晴れ渡っている。人ごろしになりかねないぼくのことは、素知らぬ顔で。まだ眠いぼくは、眠りたくない。今度こそ、人ごろしになるのかもしれない。ぼくは、ぼくを軽蔑している。

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