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こんな夢を見た。(ぼくは、ころされた。)

ころされる夢を見た。ころされ「かけた」ことは何度もあるけど、ころされ「た」のは初めてだった。(ぼくが覚えていないだけかもしれないけど。)痛くはなかった。ころされて目が覚めたから。よくわからない。あのままころされ続けていたら、どうなっていたんだろう。ぼくは眠ったままだったんだろうか。大げさかもしれないけど。脳みそが「死んだ」と勘違いすれば、たぶん「死ぬ」んだから。


そもそも、誰にころされたんだっけ。ぼくの知らない不特定多数。と、改めて書いてみると、恐ろしいことこの上ないけど。夢の中では、恐怖もなにも感じなかった。ただ、そうあるべきこととして受け入れた。ころされるようなことをしたんだ、ぼくは。なにをしたのかは、覚えていないけど。まあ、なにもしていなくても、ころされていたんだろう。道理に合わないのが夢です。


どうでもよかった。ころされることが。普段見る夢は、追いかけられる夢。ぼくは、必死で逃げる。誰に、なんのために、そもそも本当に追いかけられているのか、わからないけど。もつれる足を叱咤しながら、ただ逃げる。逃げるのは、怖いからだ。捕まると、きっと恐ろしいことが待ち構えているからだ。今朝見た夢は、追いかけられていないし、逃げてもいない。突然捕まって、ころされた。突然すぎて、心構えができていなかったせいかもしれない。現実にまで恐怖を引きずらなくてよかったと思うけど。


どうやってころされたんだっけ。一斉に刺されたんだっけ。思い付いたんだから、たぶんそれだろう。自分に向かって、大量の刃物が振り下ろされる。目をつぶりたくなる光景、のはずなんだけど。起床後のぼくは、ものすごく冷静。ころされ「かけた」んじゃなく、ころされ「た」。もしくは、ころされ「ている最中だった」。頭の整理が追いつかない。だらしない腹には、傷一つない。虫刺されの痕しかない。刺された感触もない。思い出せない。思い出さない方がいいんだろうけど。


あれは、ぼくの最期? 大勢に一斉にころされるなんて、よほど恨みを買わないと……。将来的には、ありえるのかな。無いと言い切れないのがぼくです。平和に慎ましく生きていたいけど。まあ、こちらに非がなくても、ころされることはある。「あのとき、ころされておけばよかった」少しだけ思ったぼくは、罪人だろうか。虫刺されの痕は、まだうずく。

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