「しにたい」「しにたい」が頭を先行している。

予兆はあった。なんだか眠いし(それは、通常運転なんだけど。)「しにたい」「しにたい」が頭を先行している。流れる車を見ていると、すべてぼくのためにあるように思える。痛いんだろうな。遺体になりたいんだろうな。ぼくが。


スタバで原稿をしようと思った。けれど、眠い。スタバに来ると眠くなる。これは、どういう……と考えている内に、意識を手放しそうになる。持参したアンドリュー・ワイエスの作品集をめくる。


ワイエスに惹かれるきっかけになった『海からの風』を見ていると、舞い上がるカーテンに誘われて、夢の続きへ逃げたくなる。


夢の続き。いや、逃げたくないな。というより、行きたくないな。いつも、ころされそうになるんだもの。逃避行先には決してなるまい。

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海からの風 - アンドリュー・ワイエス(1947年制作)(MUSEYより)

原稿にまったく手を付けないまま、スタバを出る。道行く車が恋しくなる。すすけた飛び出し坊やと目が合った。気のせい。


帰りにスーパーへ寄り、食べられそうなものを買う。予定よりも買う。でもぼくは、また夕方に行くことになる。過食の衝動を抑えきれず。


食後まもないのに、眠気がひどくて眠った。2時間は眠った。気分は変わらず芳しくない。ぼくはなぜか、絵を描くことにした。水彩画が描いてみたいと、とりあえず100均で道具を揃えた。のが、半年以上前。まさか、このタイミングで初めて手を付けるとは。本当に手を出すべきは、原稿だけど。

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色を乗せるように描いた。ので、点描? になった。特に、下書きはしていない。(鉛筆でそれっぽいものを書いておこうと思ったけど、途中でわからなくなった。)思うままに筆を走らせると、花のような生きもののような、自分でも解説できない絵が出来上がった。悪くないと思った。片付けて、また眠った。


眠って、食べて、眠って。夜になると、ぼくは少し動けるようになった。それなりに家事をして、それなりじゃなく、かなり疲れた。ほとんど何もしていないのに。


台風前だから。低気圧だから。天気が良くなったり悪くなったりするから。わかっている。わかっているけど。外的要因のせいにしていいんだろうか。全面的に。内的要因。すなわち、ぼくが一方的に悪いとか、そういうことは。


ああ、もう。止めておこう。自分で自分を殴りつけても、どうにもならない。どうにもならないし、どうしようもないぼく。明日から本格的に、台風上陸。

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