選挙ではなく、選挙カーが不快なのです。
タイトルは愚痴です。はい。
「20時まで宣伝しないといけませんからね」
と、答えたのは古本屋の主人。
「なんとかならんですかね」
「たとえば19時半に切り上げると、苦情が出るんですよ。『真面目にやれ』って」
「ええ」
「それで20時まですると、今度は『うるさい』って苦情が入ります」
「SNSみたいですね」
ぼくは、「ロバと老夫婦」の話を思い出した。(元ネタは、イソップ寓話の「ろばを売りに行く親子」らしいけど。)ロバを連れていると「ロバの使い方を知らないバカ共」と罵られ、どちらかが乗れば「(乗ったどちらかが)かわいそうだ」と言われ、二人共ロバに乗れば「ロバがかわいそうだ」と……まあ、なにをしても文句を言われるという話だ。SNSでよく挙がる例だ。(と思う。)
ぼくは、選挙に文句を言いたいわけじゃない。選挙カーだ。そもそもぼくは、大きな音が苦手。機械を通して声はもっと苦手。苦手が相乗効果になって、自宅にいても外にいても、ぼくを追いつめる。朝から20時ギリギリまで、苦手は増幅され、その日の宣伝が終わっても、ぼくの頭はすでに蝕まれている。最近寝付きが悪くなったのは、このせいだろうか。
当日には、選挙に行くけど。(おそらく)他人より少々過敏なぼくにとって、どの政党も公害でしかない。がなり立てるようにくり返される「ありがとうございます。ありがとうございます」誰に言っているんだろう。「お騒がせして申し訳ございません」じゃあ、音量をもう少し考えてよ。そんなこんなで、ぼくはどこへ投票すればいいのか、決めかねているのだった。公約とか、そんなことより、静かにしてほしい。
ぼくは、「ロバと老夫婦」を罵る側なんだろうか。ただ、うるさいのが嫌なだけなのに。こんなことを言っているぼくは、責められるべきだろうか。でも、どうしてもだめなんだよ。うるさいんだよ。ただでさえ、音だけじゃなく、光にも敏感なのに。(自宅の照明は、常に薄暗い。明るすぎる店には行かない。)生活を変えてくれるはずの選挙で、その期間で、苦しめられるのは、なんでなの。
明日は投票日。それが終われば、静かになってくれるだろうか。少なくとも、しばらくは。どうせ、定期的にやって来ることだけど。早く、焦燥感なく、眠れるようになりたい。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。