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2020年11月の記事一覧

パートナーに、肩書きを付けてみよう(じつは、わたくしこういうものです/クラフト・エヴィング商會)

パートナーに、肩書きを付けてみよう(じつは、わたくしこういうものです/クラフト・エヴィング商會)

某月某日。

某書店にて。

クラフト・エヴィング商會『じつは、わたくしこういうものです』を片手に。

僕「太郎さん(パートナー)にも、なにか肩書きを付けよう」

太郎「おお」

僕「(じろじろ)」

太「(めっちゃ見られてる)」

僕「”犬小屋修繕士”とか、どうだろう」

太「ボクと犬……何の関わりもないのでは……いや、とりあえず聞こう」

僕「話が早くて助かる。太郎さん、スヌーピー好きじゃん」

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こんなにも容易い、洗脳の仕方(23分間の奇跡/ジェームズ・クラベル)

”ヒトラーユーゲント(ナチス青少年団)”をご存知だろうか。

存じない方でも、

”ナチス”

”ヒトラー”

この2つは、説明するまでもないだろう。

第二次世界大戦時、ホロコースト――ユダヤ人などを大量虐殺した政党および指導者だ。

当時のドイツでは、10歳になった子ども達は、”ヒトラーユーゲント”に加入することが義務付けられていた。

彼らは18歳まで在籍し、その間さまざまなことを学ぶ。祖国

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@cioran_pessimism(生まれてきたことが苦しいあなたに/大谷崇)

“生きることを嫌う”
からこそ
あなたの人生は楽になる。

――帯より引用

ぼくがその謳い文句には惹かれたのは、「生まれてきたことが苦し」かったからだろう。(この本を読み始めた当時、ぼくはまだ会社で働いていた。)

ペシミスト(悲観主義者)たちの王(らしい)エミール・シオランの入門書。彼の著書から引用されたアフォリズムを眺めていると、「人の考えることって、本当変わらないな」と思えてくる。

「あ

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※空腹時こそ、読んでいただきたい(ヴァリアス・オーサー)

※飯テロ回です。もしあなたが空腹なら、むしろ一読してみてください。

1.詠坂雄二『人ノ町』店主がそこで料理を持ってきた。卵をふんだんに使った炒め物と汁物に白米という素朴な組み合わせだ。(中略)旅人は勢いよく食べ始めた。美味いという感触が舌より脳にさっと来る。

――『人ノ町』p14より引用 ※太字は筆者注

これだよ、これ。本当の本当にお腹が減って、ようやくありつけた食事のおいしさといったら。

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