元カレ完全成仏🌋シリーズ②


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彼とたまに遊ぶようになってからも、
わたしと彼氏との交際は順調だった。


彼氏はひとつ年下だったので、
社会人経験がひとつ違いで、同じ営業職という職種に就いていたからこその、相手の至らなさとか、未熟さみたいなものが目について、
たまにイライラもしていた。

けれど、どんな時も優しさの塊で、この人を手放すより、もっと自分が好きになって、上手く行く方に進もう!と強く思っていた。


でも、恋愛はやっぱり
そう思おうとして、そう進むものではなく、
一方では、そうはならないぞ、と決意したのに、止められなくなるもの、でもある。




同期の彼は、彼女と別れたことで、
わたしを遊びに誘う頻度が増えた。

でもその頃も、今の人と別れて彼と付き合うとか、全くそういう事は考えていなかった。


会社の同期として彼は、
仕事に真面目で意識が高く、手を抜くところは器用に抜いて、わたしの頑張りも見てくれていて、顔がよくモテて、みんなの後輩キャラで、会社でも人気者で、そんな彼のことを、尊敬もしていた。


きっとわたし以外にも、沢山遊んでいる女の子がいるのだろうなと、容易に想像はできたけれど、可愛いところがあった。



たまに、仕事帰り電話をかけてきた。

たわいもない話しだったり、グチだったり、悩んでいることだったりを、なぜか話してくれた。

その頃、ずっとわたしは会社での業績が良く、表彰されるたびに、彼は、おめでとうと言いながら、悔しいから頑張る、とも言っていた。

たまに、遊んだ女の子の話や、参加した合コンの話をしてきて、わざと私にヤキモチを妬かせたり、幼馴染の女友達とのお出かけを、報告してきたりして、意地らしくて可愛かった。


好きな気持ちはあったけれど、
私はずっとずっと、
「たまに遊んであげてるだけ」という
姿勢を崩すことはなく、
彼もそれを分かっているから、積極的に絡んできていたのだ。


だんだん、仕事の悩みや深刻な話は、彼にするようになり、だから逆に彼氏との時間は、柔らかくて優しい詰め合わせみたいな、ずっと穏やかなものだった。

本当は、その全部を彼氏とぶつけ合って、補い合わなければいけなかったのに。


だんだん、これは今の彼氏と穏やかな関係を続けるためにしていることではなく、自分の欲で動いている事だ、と気づき始めていた。



そんな時、彼が私にちょっと本気になり始める出来事があった。






わたしが会社の先輩と飲みに行った時、
酔いの勢いで流されかけたことが
あった。(理性を効かせて帰宅したけど)
それを、彼に笑い話として伝えたら、
かなり不服そうで、色々質問してきて、最終的には「なんかショック...」と呟いていた。


後々聞くと、その出来事がきっかけで
わたしの事をちゃんと意識するようになったようだった。



だんだん彼の好意が、本気に感じることが増えてきて、『本気にならなそうな人が、自分に本気になりかけている』という事実が嬉しくて、こんな彼なら、わたしも本気で好きになってもいいんじゃないか、と思い出していた。

反比例するように、彼氏との関係がつまらなくなっていった。 


彼の本気を信じた。
『別れたら付き合う未来、あると思う』というようなことを言われていたから。


それからしばらく経って、彼氏と別れた。
別れたのは、彼のせいではなく、わたしの至らなさと、恋愛的な好きが、彼の方へ膨らんでいったからだった。

これで付き合えなくても、しょうがないし、でも逆に付き合わない理由もなくない?と思うほど、お互い好意があった。


彼氏と別れたことに、彼は責任を感じていて、でも付き合おうとすぐには言ってこなかった。 


『もうちょっと待ってて。
時期を見てちゃんとする』と言った。

不安があったけれど、その年の冬、2人でディズニーにデートに行って、クリスマスも一緒に旅行に行く予定を立てていた。
ほぼ付き合っているみたいな感覚で、クリスマスに正式に付き合うのだな、と思った。



クリスマス当日、プレゼントまでもらったけれど、その夜付き合おうの言葉はなく、
結局次の日東京から帰ってきて、
夜わたしがどう言うつもりか問いただすLINEをして、付き合うことになったのだ。


その始まり方が、もうこれからの2人の
3年7ヶ月を物語っているようだった。

待てなかったわたしや、はっきりしない彼。

正しいことを言う私と、その理論に負けて、最高ではないけれど、その場の最善の選択を仕方なくする彼。
そういう力のバランスが、今思うとこの時から始まっていた。


付き合ってからも、
相手の気分によって大切にされたり、ちょっと適当にされたり、そういう事が交互にあって、わたしはずっと不安定だった。


不安が故に、付き合って半年くらいの頃
あまり好きと言わない彼に、なんでか聞いたことがあった。

『好きだけど、大好きとはちょっと違う。
1番目に好きだけど。』


と言われた。

それは、他と比べると相対的にわたしが1番だから、付き合っている、と言う意味だと解釈した。
わたしだけと向き合った時の感情ではない事に、傷ついた。

核の部分で好きになってもらえるように、
努力しないと、と思っていた。

嘘でも、「大好き」と言えばよかったのに。

変なところに正直で、話し合う時はいつも過度に期待させない言葉選びをするのがうまかった。けれど、完全に手放すことはしない。

たまに出る、私に向けての愛情とか、好きが伝わる言葉とか、そういう人が言うそういう物の破壊力に、毎回わたしは惑わされて、翻弄され、惹きつけられていたのだった。


つまり、そんなことを言われても
どうしようもなくずっと好きだった。

どんどん下がっていく自己肯定感は、
「でも彼と付き合っている」という一点のみで、支えられていた。




ここからの、交際期間のお話は次回

シリーズ③で!

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