見出し画像

インドについて

 ①独創性

 私は一時期、図書館学の勉強をしていたことがあるが、インドの本の分類法を知って驚きを隠せなかった。日本の分類は米国の十進分類法の応用、日本化でしかないのだが、インドのものは米国の分類とはまるで異なり、非常に独創性に富んだものであった。それはコロン分類法という呼称を持ち、数字と記号とアルファベットからなっていて、一緒に勉強していた学生から「まるで数学みたいだ。」という声が出たほどだ。
近代文明を欧米から輸入した日本は、欧米と全く異質のシステムを築いたわけではないが、インドには別の文明がある。


②数学の国


この本については、また別の機会に詳しく触れるかもしれないが、インドの哲学・宗教における無の概念と、インドで零が発見されたことの間には、もちろん相関関係がある。インドの零は、インド哲学の数学的表現であった。
インド式の計算方法は日本でも広く知られるようになったが、日本の高校で教えている数学はインドでは小学校で、すでに履修してしまうレベルであって、インドの水準の高さが計算方法や教育プログラムから分かるであろう。

③哲学と宗教

私は図書館で原始仏教の書籍を少し読んだことがあるが、「意識は連続的だから、肉体が滅びた後も連続的である」というような趣旨のことが書かれてあった。私はその時は、滑稽な同語反復だと思ったが、後に高齢者に接するようになって、考えが変化した。高齢者は口では「老い先短い」などと言ったりするが、今まで長命を保ってきたから、まだ生きていられると考えていたりする。この生活感覚を宗教哲学にすると、こうした教えとなるのだ。


④菜食主義

ヴィーガンという言葉はイギリス由来であるし、古代ギリシアでも動物への敬意が説かれたが、より古い菜食主義は、やはりインドのものと言える。インドのプレゼンスが、さらに拡大していくと、ヴィーガンの勢力も今以上に大きくなっていくかもしれない。

⑤国際社会での地位

インドは人口大国であり、経済規模もイギリス・フランスを抜き、世界で5番目となっている。優秀なIT技術者もおり、最近、インド系の人物がイギリスの首相になった。また核保有国でもあり、非同盟諸国の雄でウクライナ戦争では中立の立場から、影響力を維持している。日本のような米国の属国とは違う。インドは、いずれ超大国となる可能性もあり、国連安保理の常任理事国になるかもしれない。

 ⑥中国とインドの時代

私は、米国は衰退プロセスに入ったと見ているので、米国にはもう関心がなくなった。中国とインドを注視していきたいと考えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?