【連載小説】「緑にゆれる」Vol.11 第二章
ふいに、おそろしく虚しい気分に襲われた。ぽかーん、とした昼間。みんな忙しく自分の世界で働いているのだ。それなのに、私ときたら。せっかくリフレッシュにもらった時間に、やっているのは元彼の足どりを追うストーカーまがいのこと。
急に、はずかしめられたような妙な気分になって、それを振り切るように、きびすを返してずんずん歩いた。思いに突き動かされて歩いて、足は駅ではなく、ビルの隣に見える緑に向かっていた。
公園よ、こんな気分に陥ったときは、公園。
公園の中へ一歩足を踏み