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#小説
絵のない絵本『ビーチグラスウェディング』―小説『空は絵のない絵本の影絵』―
夏休みが、今日で終わります。
9時に電気を消し、ベッドに入ったチョコちゃんは、10時になった今も、天井をじいっとにらみつけていました。
「来た!」
突然、チョコちゃんが叫びます。天井に、まるくてあかい光の玉がうかんだからです。
「コムギ!」
声をあげると同時に、チョコちゃんは布団をけりあげてふきとばし、大きな出窓から顔をだしました。
そこからは、電柱のかげで懐中電灯をこちらにむけ、いつもとか