簡易的に営業キャッシュフローを算出する
こんにちは、公認会計士の三上光徳です。
前々回と前回の投稿では、“減価償却”について説明しました。
本日のメルマガでは、その“減価償却”の知識を使って、簡易的な営業キャッシュフローを算出する方法をお伝えします。
前回の復習:減価償却費の最大の特徴
まず、前回の復習です。思い出して欲しいのは以下の1点です。
それは、減価償却費の最大の特徴は『現金の支出を伴わない』ということです。
消耗品費として360が計上されていれば、360の現金支出があったと、おおよそ同義です。しかし、減価償却費として360が計上されていても、現金支出が360あったか?といえば、全く関係がありません。
減価償却費というのは、税金計算のための特別な計算で算出された数値にすぎません。
簡易的な営業キャッシュフローの算出
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キャッシュフローとは
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キャッシュフローとは、特定の期間(ex.1年間)に、どれだけ現金預金を獲得したのか?あるいは減ったのか? を示します。
例えば、売上金として1,000獲得して、
仕入として800支払ったのであれば、
営業キャッシュフローはプラス200となります。
ちなみに、営業キャッシュフローの他には
・財務キャッシュフロー
・投資キャッシュフロー
という分類があります。
例えば、
1,000の借入を行い、返済を50行った場合、
その期の財務キャッシュフローはプラス950となります。
例えば、
1,000の設備投資を行えば、
その期の投資キャッシュフローはマイナス1,000となります。
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簡易的な営業キャッシュフローの算出方法
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会社の決算にあたって作る決算書は、通常は以下の3つです。
・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
そうです、「キャッシュフロー計算書」は通常は作られません。
しかし、営業キャッシュフローは簡易的に算出することができます。
その算式は以下のとおりです。
営業キャッシュフロー =営業利益+減価償却費
つまり、損益計算書の営業利益に減価償却費の金額を足しこめばよいのです。
例えば、以下のような損益計算書(P/L)だったとします。
では、この会社の営業キャッシュフローはいくらでしょうか?
となります。つまり、この会社は1年間で、営業活動によりおおよそプラス860のキャッシュフローを生み出したということです。但し、厳密ではなく、簡易的なものであるという点は認識しておきましょう。
三上光徳
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