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デザインは社会にとって必ず必要な物だと思う。誰もが当たり前にデザインを選び取れる世の中に。

大変です。私たち、怖い会社だと思われています。

黒髪率が低いからでしょうか。

あれっ?パッと見はそうでもない?

弊社、身なりや服装についてはオフィスで働く分には「清潔であること」以外特に決まっていません。

髪色、ピアス、はっきり聞いたことはないけどタトゥーなんかもたぶん大丈夫。
Tシャツがショッキングピンクでも、髪の毛がレインボーでも、基本OKなのです。
(もちろん時と場合によることもあります。)

だけどそれゆえに、いや絶対それが原因だと思うけど、周囲からはどうやら怖がられているらしい。「なんでなんやろうなあ」と首を傾げるモリローさんに「いや、そらそうですよ」と心の中で呟く。

だって私も、入社するまでは上々を見た目で怖がっていた側の人間なので。


どうも!マネージャーのFです。

前段が長くなりました。笑っちゃうかもしれませんが、これについては結構真剣に悩んでいるんです。

入ってみれば怖い会社でないことはすぐにわかるんですが、弊社、どうしても派手なイメージが先行しがちです。
でも仕方がない。派手好きが多いのは事実です。
ははあ、仕方がない。でも、そうじゃない人もちゃんといます。

ということで、これから少しずつ中の人たちを紹介していきたいと思います。

今回は2022年4月から現在まで、約2年間にわたって長期インターン兼アルバイトとして弊社(※「(株)人生は上々だ」以下「上々」と記載)に来てくれているアシスタントデザイナーの造田さん、通称ともぞうにお話を伺います。

当時インターンシップ自体募集していなかったという上々に、どうして来ることになったのか?その経緯に始まり、上々で得た気づき、そこから見据えるようになった将来の展望までをお聞きしました。


プロフィール

桑沢デザイン研究所 総合デザイン科 PD専攻
▼受賞歴
・第26回全国高等学校デザイン選手権大会 高校生賞
・レセプト情報診療支援システム(K-MIX R BASIC)カードデザインコンペ 最優秀賞
・子供・女性の犯罪被害防止の部 ポスター最優秀賞
・平賀源内甲子園 団体賞 小豆島スポーティーズ賞(※コピーライティング)
その他多数



1.事の発端は、コロナ禍で休学を余儀なくされたこと。

ー地元の工芸高校のデザイン科を卒業後、桑沢デザイン研究所に進学していたんですよね。上々に長期インターンに来るに至ったきっかけなどはあったんですか?

造田:
在学中、コロナ禍で実家も含め経済的に困ってしまったところからですね。
一旦休学して資金を貯めないと、そのためにまずは地元に帰って、どうせ働くならデザイン関係のバイトを探そう、っていうところから、デザインの現場に戻ったときに生かせる仕事を探してたんですけど、その中でふと「平賀源内甲子園(※)」のことを思い出して。

そこからモリローさん(人生は上々だ 代表)に連絡してみたのがきっかけでした。

(※)平賀源内甲子園とは

人生は上々だ代表の村上モリローが発足させた香川県のクリエイター団体「瀬ト内工芸ズ。」が主催する学生限定のキャッチコピーコンテスト。2022年グッドデザイン賞受賞。
瀬ト内工芸ズ。→https://setoco.jp/

ーあ、じゃあ以前からモリローさんとは面識があったんですね。

造田:
そうですね。
高校時代、デザイン科でオフィスを訪問させていただいたり、高校2年生のとき平賀源内甲子園で企業賞をいただいたことで、モリローさんの連絡先は知っていました。「見学できたり、バイト探してたりする印刷会社とか知りませんか?」って連絡したら「うちにおいでよ」って声を掛けていただいて。
面接に行って、すぐに採用の連絡が来ました。


2.デザインにまつわることに幅広く携わる。学校では学べない「現場で求められるデザイン」とは。

ー立場としてはアシスタントデザイナーになりますよね。インターンの内容はどんな感じでしたか?

造田:
うーん、新卒と変わらないんじゃないかな?少なくとも巷によく聞く「インターンシップ」って感じではないですね。

最初は先輩のサポートから始まって、徐々に仕事の規模感が大きくなって量も増えていった感じです。「これやりたいです」って言えばやらせてもらえるし、学生だから、アシスタントだから、って感じじゃなかったですね。

仕事があれば任せてもらえる、っていうところから徐々に増えていって、今では普通に毎日出勤して、他のスタッフさんと変わらない感じで働いてます。

穴吹邸 ウエディングWebサイト①
穴吹邸 ウエディングWebサイト②

▼穴吹邸ウエディング Webサイト

具体的にはイラストも含むグラフィック周り、Webデザイン、動画編集、写真撮影など挙げだしたらキリがないくらい、本当に幅広く色んなことをやらせてもらいました。

言うても学生なので、illustratorの扱いもおぼつかないくらいだったんですけどね、都度都度勉強しつつ、実践しつつでXDやPremiere Proなんかも覚えていった感じです。

ーインターンとは言いつつ、クリエイティブチームの一員として動いてますよね。その中で、やりがいやたのしさを感じる瞬間はありました?

造田:
個人の裁量が大きいので責任も大きいですけど、チームでものづくりをする一体感はやっぱり他では代えられないものがあります。

あと、デザイナーって翻訳家だから、デザインをする前の根本的なところには必ず人や想いや事象があるんですよね。ただ作るんじゃなくて、作る過程でそれらも一緒に一歩一歩踏みしめている感覚がある。そこが楽しいし、やりがいを感じます。

by age 18 サンキューレター/カード

ー逆にクリエイティブの現場に入って難しいなあと感じたことはありますか?

造田:
圧倒的な知識不足ですね。さっき言った実技的なところもそうですけど、本当にもう、話にならない。

ー話にならない!?学校で学んでいても、そういうものなんですか?

造田:
学校で学んだことで社会に出て活きることって、人からアドバイスをもらうことに対してイチイチ傷つかないとか、そういうメンタルの話だけな気がします。特にこの業界はそう。

学校もそうだし、今ってインターネットで調べれば何でも出てくるから何にでも早くなれるし詳しくなれるけど、例えば現場で求められることはフォントをたくさん使うことじゃなくて、一つのフォントをどんな風に使えるか、そのバリエーションの豊富さだったり、精度だったりするんです。

クライアントが求める本質的なところに「これだ!」っていかに正確に、ピンポイントに狙いを定められるかの精度。この技術を鍛えるのは、現場に出て実際の仕事として経験して、かつ場数を踏まないとなかなか難しいなあと思いました。

カマタマーレ讃岐2023年イヤーブック
カマタマーレ讃岐2023年イヤーブック

ーなるほど。インターンっていうか…お話聞いてると普通に仕事ですね。

そうですね。普通に仕事です。
でも一般的な企業であるような、いわゆる大人が子供をあやすような感じではなくて、最初からちゃんと人として向き合って、育ててくれようとしてくれたことが本当にありがたかったし嬉しかった。それは今でも思います。

最初、雑用しかさせてもらえないと思ってたんですよ。それでもここで見聞きできることがあるだろうし、何もしないよりは前進できるだろうと思って入って。正直そこにはあんまり期待してなかったんですけど、入ってみたら「学生だからこうしておけばいいでしょ」っていう感じが全くなかったんです。

決まったカリキュラムがないがゆえなんでしょうけど、上々は人を育てることに対して手を抜かないし、お金も時間も惜しまない。そこはすごくいいところだなあって思ってます。

カマタマーレ讃岐2024年イヤーブック
カマタマーレ讃岐2024年イヤーブック


3.「個性的」と「おおらか」は両立する。結構色んなタイプの人がいるのに、不思議と居心地はいい。

ー上々で働くメンバーについてはどうですか?

造田:
柔軟でタフな人が多いと思います。みんな個性的だけどおおらかだから、私の場合は人間関係で「やだなー」ってなったことは一度もなかったですね。受け入れてもらえている感覚があるから。これも上々の特徴だし、すごくいいところだと思います。

私自身、ここに来たばっかりのときはすごくネガティブだったんですよ。デザインを勉強することを応援してもらえる家庭環境になかったから、ずっと目先のことが不安だったし焦っていたし、自分を追い込んで必死で結果を出そうともがいて、なんとか賞を取ったりしながらギリギリ心を保っていたところがある。結果出さないと画材も買ってもらえなかったから。

でも、結果は出たけどそれがずっと苦しかったし、ポジティブになりたかった。ネガティブなところは私にとってはどう頑張っても短所だったんです。それを久利さんっていう先輩のデザイナーにぽろっとこぼしたときに、「そのネガティブさが面白いんじゃん」って受け入れてもらえて。

「久利です!」

この人すごいなって思って。自分ではどうしようもなくて、どう向き合えばいいかもわからない短所だと思ってたのに。それを「面白い」って言ってくれる人が一人でもいるなら、これは伸ばす価値があるって思った。デザイン頑張っていいんだ、これでいいんだって思えた。

自分の個性とか、長所とか短所とか、全部ひっくるめて初めて「自分を見つめる」っていうことができたタイミングでした。そういうおおらかさに守られて、少しづつ軟化して自然体でいられるようになって、「自分ってなにやりたいんだろう?」ってもう少し先のことまで考えられるようになっていった感じです。

でもこれって久利さんに限ったことではなくて、上々の土台となるところにも同じ考え方があると思います。

ーわかります。どんな特徴もあなたの個性で、それが良い方向に活きる瞬間があって、だから変えなくていいんだよっていう。人を認めて受け入れる、器の大きさがありますよね。

造田:
メンバー全体にそういう雰囲気が伝播しているところはありますよね。そういうところはめっちゃいい。
だから色んなタイプの人がいても居心地がいいし、人として成長できる。いい環境だと思います。


4.デザインという概念を広めたい。誰もが当たり前にデザインを選び取れる世の中に。

ーさびしいですが、この3月でインターンが終了します。4月からはまた復学しますよね。桑沢に戻ってやりたいことは決まっていますか?

造田:
うーん…学校で、っていうのはわからないですけど、学生に戻っても結局色んな人の下で働くと思います。今後はデザインに関わる人として、もっと外部の人と関われたらなって感じです。

ーじゃあ、将来はデザイナーになりたい?

造田:
そこはめっちゃ悩んでて。でも、企業とかでデザインを何度も反芻して濃くしていくような、みんなが想像する「デザイナー職」には就かないんじゃないかと思ってます。それよりは、もう少し表に出て色んな人と接しながら、デザインっていう概念自体を世の中に広めていくようなことがしたいと思ってて。

私自身が「デザインやりたい」って言ったときに、手放しに「じゃあやってみな」って言ってもらえるような環境にいなかったから。まわりの反対に対して、必死でチャンスを掴みに行くその姿勢だけで食らいついてきた。だからできれば次の世代の子たちには進学や就職、将来の夢として当たり前にデザインや美術を選び取れるようにしてあげたい。

そのためにはたぶん、そこにお金を出す親たち…大人たちの認識を変えていかないといけないと思うんです。

ーデザインという概念、というと?

たとえば、すごい高性能なトラクターができて、それで畑を耕したからお米がたくさん作れて、かつお米が安くなって、結果みんながお米たくさん食べられるようになったね、っていう事実があるとするじゃないですか。

じゃあそれって「一体何が変わったんだろう?」って辿っていったら、トラクターのここの部品が、この構造が変わったよねって。もちろんそれもデザインなんですけど、高性能なトラクターが導入されたことで効率的になって、今まで踏んでいた手順や手段や価値が変わったこと、そういう「ものができて市場に届いて、それが消費されるまでの仕組みが変わること」自体もデザインという大きな括りの中にあるっていう。

世の中に出回ってて、誰もが目にして「これはデザインだね」と認識できるビジュアルデザイン以外にも、たとえばご飯を食べられること、お金が稼げること、早く走れること…一見デザインとは全く関係なさそうな社会の仕組み自体にもデザインの概念は存在していることを、もっと周りの人は知るべきだと思うんです。というか、知ってほしい。いろんな物事を構築する基盤となる部分には、必ずデザインが組み込まれてる。

「デザインってすごい」じゃなくて、「社会にとって絶対に必要なものなんだ」とわかれば、大人たちがそれを知っていれば、子供たちだって当たり前に選べるようになると思うんです。

私がやりたいのはそういう、みんなが当たり前に知ってる常識の中にデザインも入ってる、みたいな状況を作ること。

ー作る現場に立つというより、あちこちに赴いて、もしくは発信して、デザインがまだ浸透していない場所にデザインを伝えていく、っていうイメージでしょうか。

造田:
そうですね。今はその研鑽の時期だと思ってます。だからいろんなことを知っておきたいし、経験しておきたいんです。

ーなんだろう、それって今までにない新しい仕事のような気がします。

造田:
よく言われるんですよね、新しい仕事に就きそうって。自分ではよくわかんないですけど。
でも、こういうことを具体的に考えられるようになったのも最近のことです。技術的なところと同じくらい、精神的なところで得られたものがあったからだと思います。

ーそうかあ…これからの大まかな道筋はもう立ってるんですね。
これ、聞いていいのか分かんないんですけど…上々に帰ってくるつもりはない?

造田:
え~!いや、ご縁があれば!とは思ってるんですけど…どうだろう!

もし帰ってくるとしたら、今度はデザイナーさんをもう少し外側から支えて、デザインについて発信していくような仕事がいいかなあ。
上々の職種で言うところのマネージャーはやってみたい気持ちはあります。

もちろん、好きなのは作るのが好きなんですよ。作るのやってって言われたらやっちゃうと思います。好きなので。
でも私が今後やりたいことと、今までやってきたことで成果が出てたり、自然と周りに求められる役割としては、プレゼンしたり、交渉したり、もっと表に立つ仕事なのかなと思って。

ありがとうございます(笑)。でも、自分にとってやりたいことを思いっきりやれる場所を見つけるのが一番いいですよね。もちろん、それが上々だったらすごく嬉しいけど。
上々もみんなも、きっとそれを一番に願っていると思います。送別会も3回やりますしね。

そうですね……送別会3回って、もうどのタイミングで感極まればいいのか分かんないですけど(笑)

ー最後に、「恩返しがしたい」とも言ってましたよね。

逆境の中にいても、なんだかんだ誰かに助けられてきたなあと思うんです。
今後自分と同じ境遇の子が出てきても、私が支えられてきたようにそういう子たちを支えられたら、私の背中を押してくれた人たちの思いも受け継いでいけるのかなって。恩返しっていうのはそういう意味です。

まだ明確に答えが見つかったわけじゃないけど、今後はそうやって、いつも誰かに支えられてきた私なりに想いを返していけたらなと思っています。

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