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『みんなが書き手になる時代の あたらしい文章入門』を読みました

前々から気になっていた本でした。

2年前くらいに誰かの本のオススメで紹介されていました。この時は「まあ、how to本だからいいや」と思ってました。それからだいぶ時間は経ちますが、kindle unlimitedのオススメに出てきたので読みました。

本題とは逸れますが、この本はスマート新書と呼なばれるシリーズの一冊です。表紙に「002」の文字があるので、おそらくシリーズ2冊目なのでしょう。かなりの数がkindle unlimitedの対象になっていて、気になるタイトルがいくつかあったのでこれから読もうと思います。さらにこの本を調べると、出版元がnoteなことに驚きました。自分が使っているサービスの会社から本が出ていることを全く知りませんでした。

本題から逸れることはこの辺にしておきます。本の感想ですが、めちゃめちゃ良かったです。自分の認識として、noteは持論を書くことが多いので相手に納得してもらえる文章の書き方を学べました。

著者が考えている文章を書く理由は、相手を動かすことです。自分が書いた文章を読んで納得してもらい、実際にやってもらう。ここまでがワンセットです。ただ想いを伝えるのではなく、動いてもらう。ここが大切で、会社の企画を例に出されていました。企画を考えて、「いい企画だ!」と言われたとしても実際に企画をやってもらわないとダメだと。

この本では、著者が考える相手を動かすための文章術について書かれています。

私が大事に思ったのは以下の4つです。

1.文章のつながりを意識する。
2.訴え、根拠、事実をワンセットで書く。
3.余計なことは書かない。
4.誰に書くのか

1.文章のつながりを意識する。

自分でもずっと課題だと思っていることです。昔に書いた記事にいいねを貰ったり、以前書いたことを確認したい時に自分の記事を読み返します。すると、話が飛んでいたり、よく分からないということが多々あります。この原因がモヤッとしていました。

私としては、書いている時に頭で思っていることの前提が書かれていないこと。さらには、これは伝わるだろうという脳内補完を文章として書いていないので通じないのだろうと思っていました。

この本では、文章と文章をつなぐ接続詞が入るか?ということがつながりを確認する方法として書かれていました。

例えば、こんな文があったとします。

今日の晩御飯何にしようかな。カップラーメンにしよう。

なんとなく言いたいことが分かります。この文章に接続詞を入れることを考えてみます。

「なので」「だから」「そして」どれもしっくりこないように見えます。

こういう場合は文章のつながりがない脈絡のない文章になってるからです。

こうなっていたらどうでしょうか。

今日の晩御飯何にしようかな。しかし、今日は夜に予定があって時間がない。なので、カップラーメンにしよう。

今日の晩御飯何にしようかな。でも、作るのがめんどくさい。だから、カップラーメンにしよう。

たとえ接続詞が無くても、カップラーメンにする理由が分かります。

著者いわく、書き方の本には接続詞を少なくすることがアドバイスとしてよく出てくるそうですが、つながりを明確にするため接続詞はどんどん使っていった方がいいと言っています。しかし、書き方の本にも一理あるそうで、接続詞が多すぎる文章は読みづらいのも事実。接続詞を入れるか入れないかは書き手の判断に委ねるそうですが、頭の中で接続詞を補完して文章をつなぐことは大切だと感じました。


2.訴え、根拠、事実をワンセットで書く。

自分が訴えたいこと、それを支える根拠、同様の例を示す。これをワンセットにすることが大切だと知りました。

本の例をお借りすると、相撲を例に書かれていました。

相撲の人気は最近回復しつつあるそうですが、以前は閑散としていたそうです。

なので、こんな感じの例でした。

相撲の人気を取り戻すためにはナイター制を導入すべきだ。なぜなら、平日の日中は来れるファンが少ないからだ。事実、平日のプロ野球はナイター制を導入している。

伝えたいこととして、相撲のナイター制の導入。根拠は、平日の日中はファンの入りが少ない。同様にスポーツの野球はナイター制を取り入れている。

野球がやっているのだから、相撲もやればいいのに。と、私は納得しました。

ですが、ここで読者は「じゃあ、なぜやらないんだ?」と疑問を持つわけです。何か理由があるのか?と。この例では書かれていませんでしたが、読者が思う反論を想定した上で、再反論して主張を通すように文章を書ければより納得感のある文章を書けることが書いてありました。


3.余計なことは書かない。

ライターがインタビューしたとして、インタビューした内容は全て書かない。なぜなら、全て書いてしまうと、伝えたいことが分からなくなるからです。

例として、野菜ジュースが挙げられていました。野菜ジュースはたくさんの栄養が取れますが、何を飲んでいるのか分かりにくいです。これは文章も同じです。インタビューしたことを全て書くのは、野菜ジュースを飲むことと一緒です。なので、何を飲んでいるのか分からない野菜ジュースを飲ませるのではなく、自分が何を飲んだの分かりやすい物を飲んだ方が伝わりやすいです。そのため、インタビューした全てを書くのではなく、内容が分かるように余計なことを削る必要があります。

もちろん、この時に何を削るのかは重要です。ここではオレンジジュースを例に書かれていました。コップの中にオレンジ色の液体が入っていたとします。とても甘い匂いがします。まだ飲んでいませんが、おそらくオレンジジュースでしょうという先入観を持つでしょう。これが無色透明な液体だったらどうでしょう。何も説明がなければ水だと思います。そして飲んでみると、オレンジの味だった。となると、オレンジ色じゃないのにオレンジジュースと疑問を感じてしまいます。ということは、オレンジジュースにとって削れない要素はオレンジ色だということが分かります。なので、この要素を絶対に外さないことを書くことが大切です。
個人的な意見としては、「このオレンジジュースを飲んでみたい!」と思わせるのが、見出し画像とタイトルのかけ算なのかなと感じました。Youtubeの動画でもそうですが、同じような内容を解説している動画はいくつもあります。ですが、自分が見てみたいと思わせるのはタイトルとサムネのマッチ度合いや雰囲気だと思っています。ふんわり見たければ、サムネにそういう字体や色合いを使っているものを選びますし、ガッチリ見たければ少し固めなものを選びからです。

では、どうやるのかというと、インタビューした内容を全て書き出して、重要そうな項目をピックアップしてどう結びつけるか考える。これは、頭の中でやるのではなく、書き出すことが大切です。

今書いたことが説明されている章を読んでいて、先日書いた記事を思い出しました。

この記事では、私が「構成が整わないから書けない」という人の投稿を読んで自分の持論を書いています。

「構成が整わないと書けない」と言っている人は書く内容を決め、終わり方はこう終わると決めている人です。その人は志が高く、誰かに読んで欲しいという思いが強い人なのだと思いました(無駄なことを極力減らしたいという点でも)。

説明したように、納得感がある文章というのは、余計なものが削ぎ落とされて、自分の主張と根拠、それを支える事例が書かれています(他にも読ませるような工夫はこの本に書かれていますが)。なので、この志が高い人は誰かに納得してもらう文章を書く上での方向性は間違っていないのだと、理解しました。

私の投稿スタイルを見てみると、日記・備忘録的がほとんどのため、自分のために書いています。なので、思ったことをただ思うがまま書き連ねています。先の記事内にもそんな状態で書いているため、「上手く書けたかはもはや運まである」と自ら書いています。そのため、私以外の誰かにとってはただの戯言でしかありません。

しかし、そんな私の投稿に事実を書き加えれば、納得した意見になるのではないかと思いました。けれど、本書を読んで自分の意見に事実を加えるというのは、難しいことに感じます。なぜなら、自分が知っている事実を主張したいことに結びつけるには、事実と主張をそれぞれ抽象化して端的に言えばどうことに部類されるのかを捉える必要があるからです。ですが、自分の意見に事実を加えることで考えを柔軟にさせ、さらには応用が効くようになると思っているので日々取り入れられたと思ってます。


4.誰に書くのか。

著者は文章を書くことは、誰かへの手紙として考えているそうです。手紙には文章を書く時の必要要素が揃っているからです。誰にいつ何を伝えるのかということです。

具体的な手紙の読者として、特定の誰か、昔の自分が挙げられていました。まさに、私は昔の自分(今の自分という方が正しいのかもしれません)へ書いています。あの時にどう思っていたかを知りたいからです。

特定の誰かというのは、仕事で企画を考えるのなら、上司へ見せる文章なのか?取り引き先へ見せる文章なのか?などなど場面で書くことが変わります。つまり、誰を納得させたいか?です。

私も昔の文章に納得されたいか?と言われれば、「うーん?」という所ですが、昔に納得感のある文章が書けていれば、「自分やるやん!」となるので、無きにしもあらずです。


最後に

久しぶりに長くなりました。ですが、これから文書を格上で大切だな~と感じて、それが自分に響いた結果だとも裳思っています。分かりきってない部分もありますし、分かったからと言ってすぐ実践できるわけでもないので、日々考えながら取り入れていきたいです。

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