![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118430261/rectangle_large_type_2_f543e0fbe7abbcf87cdbce551c845421.png?width=800)
『未完の天才 南方熊楠』を読みました。
半月以上振りの1冊での読書感想投稿です。
今回読んだのは、南方熊楠に関する本です。
正直、名前もそうですし、名前の読み方も読むまで知りませんでした。
読んだ理由は、「天才」とつくのだからどんな人だろう?と興味を思ったのと、講談社現代新書から出ているからです。講談社現代新書の本はこれまでもそれなりに読んできていて、ページ数がコンパクトかつある事柄について知るのに読みやすいと感じているからです。
天才と言われる所以で最初に出てきたのは記憶力です。
約5000ページにおよぶ百科事典を暗記していただとか。しかも暗記方法が古典中の古典で書き写しです。誰しも「書いて覚えろ!」と言われたことがあると思いますが、それです。
私個人的にはペンを持って書くことはめっきり少なくなりました。パソコンやスマホに打つ方が早くて多くの文字を書くことができるのでペンを持って書くのは遅く、しかも文字数も書けないので遠慮しがちになりました。
これはこれで冗長に書けないから、一旦、頭の中で書くことをまとめてから書くことができるので要約する訓練になると聞いたことがあります。納得できる理由ですし、電子機器で書くたびに思っていることでもあります。
書いて覚えることは否定しませんが、ただ闇雲に書いて覚えるのは反対です。自分なりに納得しながら書くことが大切で、ただ写すのは文字という記号を右から左に流しているだけで意味のない作業なのかなって思ってます。「分からなくて手を動かして書いていれば見えるものもある」という意見もあるので、全てではないと思いますが。
話を戻すと、他にも語学が堪能で10を超える言語を読めたそうです。それぞれの言語ごとに習得のレベルは違いますが、それにしてもすごいことです。英語以外の言語で知っていることと言えばあいさつや、ありがとうくらいなものです。
熊楠の言語の習得方法は居酒屋や酒場で聞き耳を立てて覚えたそうです。単語レベルではなく、よく使われるフレーズを覚えたようです。他の勉強法としては、対訳本という見開きに同じ内容が書いてあるが、左は日本語、右は英語というように別言語で書かれた本で勉強していたみたいです。
他にも有名な顔としてエコロジーの先駆者と呼ばれている。エコロジーと聞けば、環境保護や環境保全という意味合いが強いが、これは最近の事で、本来は生態系を意味する言葉だった。植物学者の顔もあり、ネイチャーやノーツ・アンド・クエリーズにも論文を投稿していた熊楠は地元の開発活動に反対をしていた。あくまでも環境保全ではなく、生態系を守るためという意味だったが、今では環境保全と捉えられる活動なので、エコロジーの先駆者と呼ばれている。もう1つ、エコロジーという単語自体を日本に持ち込んだことからも先駆者と言われる所以である。
他にも民俗学で有名な柳田国男と交流をしていたり、妖怪研究、夢の研究、菌類の研究など幅広く行っていた。
タイトルに未完とつくのは、彼の研究結果に結論が書かれていないことが多く、研究していた分野がまだまだ未解明の部分多いことに由来する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?