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見つめるその目を許さない #未来のためにできること

文藝春秋とnoteで#未来のためにできることをテーマに「文藝春秋SDGsエッセイ大賞2024」とした投稿コンテストです。以下本文になります。(本文1,000字以内)


社会は私を見つめてる。

私は障害者だから、
使う病院も、医療費も、ふた月にいっぺん振り込まれる障害年金も、使う薬局がどこなのかも、
全部「社会」に見つめられてる。

職場のあの人は口に出さないけど、
何で私だけ医療費がやけに高いとか密かに思っているんだろうか。
結婚して夫婦になったけど、障害児は産まない方がいいって言われてる気がする。
年金の使徒を明らかにしないと、障害が目に見えない私みたいな発達障害者は、税金泥棒だと思われそうだ。

私は毎日社会に見つめられてる気がする。
君の行動は病院にしても何にしても逐一金が掛かるから、それで本当に良いのかと、社会から見つめられてる気がする。
社会から睨まれて自由が無い。
私はただフツウに生きていたいだけなのに。

「社会がそれを許さない」
だから私も許さない。見つめるその目を許さない。

障害を持ちたくて私だって産まれて来た訳じゃない。
薬だって毎日飲みたくて飲んでるんじゃない。
でも障害者だから嫌でも一生、それも死ぬまで飲み続けなきゃいけない。
カワイソウなのに社会はそれを見つめるだけで何もしない。

私たちが享受してるものは差別だけ。
今社会に「障害者です」って言ったら「そうですか、では映画館割引です」って言われそう。
カワイソウだからお金で社会は還元してくれた。
障害者手帳を持っていると割引が効くところなんて沢山あるけどそれで障害を受け入れられるものか。

そんなものいらない。
要らないから、フツウの人と平等に、人として持つべき権利を自由に与えて欲しい。

それは働きやすい障害者雇用だったり、カミングアウトしても受け入れてくれる世界だったり、皆と同じくフツウに生きる権利。

時代は令和になった。AIだって発達してる。
でも障害者への差別はどこかの「ショウワ」の時代から変わってない。

考えて欲しい。避けられる悲しさを。
考えて欲しい。手帳を見せた時の口角が曲がる表情を。
考えて欲しい。結婚や仕事がどれだけ障害者にハードルが高いかを。

考えることが社会を変える第一歩だって私は信じてる。
信じてるけど許さない。
見つめるその目を許さない。

私だって人間だ。
今まで嫌というほど監視されてきた「社会」へ、
見つめるその目を許さない。

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