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「一人で生きていける」と「一人で生活できる」は違う

何気なく普段思っていることについて書き留めておきたくなったので、少しダラダラと書きます。

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「一人で生きていける」と「一人で生活できる」は違うと思っている。

どうしたって一人でいると「寂しさ」を感じてしまうことは否定できない。「一人で生きていける」となるとその寂しさすらないことになる。わたしは「一人で生活できる」が「一人で生きていきたい」わけではない。「寂しさ」を適当にあしらうことはしたくない。

でも、30代後半や40代突入したての頃はまだ元気があって、あれやこれやと立ち回ることで「寂しさ」は横に置いておけたのだが、恋愛をお休みした2年くらい前から、注力しなければならないことや注力したほうがいいことに重きを置くようになった。ていねいに誠実に。

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これは相対する人に対してもていねいに誠実になるけれど、自分のことについてもていねいに誠実に扱うことになったと思っている。自分の心や体調に素直にと言えばいいのだろうか。

無理をしない。自分が幸せだと感じることを最優先する。

『大豆田とわ子と三人の元夫』『ソロ活女子のススメ』『生きるとか死ぬとか父親とか』といった今期クールのドラマには、アラフォー女子のリアルが描かれているものが多く、共感しかない昨今。これらのドラマに共通しているアラフォー女子はみな「無理をしない」「自分で自分のことを幸せにする」という点だなと思う。

わかりやすく簡単なことで言えば、自分だけのために至福のおやつ時間を取る、というのもそのひとつだ。でもそればっかりし続けるのはしんどい。

ソファに座ってめんどくさくなったらもうそのままソファで寝てしまう、とか。最近は電気を消しにいくことすら面倒なので、Google Home miniを導入して声で消す、とか。一人飯は面倒の極みなので、時にはUber Eatsを頼ることもある。暮らしのちょっとした工夫はあれど、24時間「素敵な何か」を追求しているわけではない。無理はしない。インスタ映えばかりは息がつまる。

でもそうすると、時折訪れる「寂しさ」に否応なしにも目を向けることになる。パートナーがいてくれることのありがたさを感じずにはいられない。

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彼は映画やテレビドラマを見ない現実主義だ。彼に理由を聞いたことがある。そうしたら一言「だって映画は映画だし、ドラマはドラマやん」と言い放った。

最初「何を言っているんだ、この人は」と思ったのだけど、今ならとてもよくわかる。

映画やドラマはその中の世界で、そのテーマに即したパートのみをピックアップし、シーンとしてつなげて、ストーリーを紡ぎだしている。登場人物の1日に見えるものでも、24時間のうちの数時間の出来事をさらに切り出しているだけだ。人生というのは、それ以外の時間のほうが多いのだ。

そうやって考えると、今期クールのドラマの「無理をしない」点が流れているのにとても惹かれて共感できることも理解できた。だって「一人で生活する」というのはそういうことだからだ。

そんな中「寂しい」と感じるときに「寂しい」と言える相手がいて、その相手がちゃんと会いにきてくれる。普段一人で寝ているはずなのに、どれだけ一人でそっと寝かせておいてあげても、気づけばわたしは彼の抱き枕になっている。

一緒に過ごす時間を大切と思ってくれているんだなと思う。

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だからこそ、面倒と思うことなど一つもなく、むしろその準備の時間は幸せを感じる。料理も作ってお気に入りのカトラリーを並べて待っている。のんびりお酒を飲み語り合う時間を持つ。全部幸せを感じる時間だ。

これは「生活する」ではない。

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朝起きて、アイスコーヒーを淹れて出した。

そうすると彼が言った。「この前スーパーでコーヒー2つ買ってきて、片方をそのまま氷にしたんだよ。飲むときコーヒーの氷入れたら薄くならないだろと思って。多少はマシやね」

彼の暮らしのちょっとした工夫と、彼の「一人で生活する」面を垣間見る。そんな話を聞くのもなんだか幸せだ。


でも一緒にいるときは、豆から淹れるアイスコーヒーを、わたしが淹れてあげるよ。



余談ですが、今回登場のお皿は香港発の食器ブランドLoveramicsのものです。観光客の知らない香港土産と思って買った当時はそんなおしゃれ有名ブランドとはつゆ知らず、ここ最近知りました…。
最近、香港の老舗店舗がコロナ禍でどんどん閉店していってる話を聞き、ひとり時間は食器で懐かしんでいます。


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