ACADEMIJAN

アカデミジャン。CoSTEP16期修了生が、科学技術コミュニケーションを実践します。科…

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アカデミジャン。CoSTEP16期修了生が、科学技術コミュニケーションを実践します。科学技術の話題を伝えることで、面白さ・楽しさ・驚きといった感覚-センスオブワンダー-を皆さんと共有したいです。時にはちょっと、科学と社会の間の問題を考えます。

マガジン

  • 研究者の卵たち~卵から覗く多彩な将来~

    大学院生または大学院修了生に、院での研究生活や修了後の将来について伺う、インタビュー記事不定期連載企画。

最近の記事

地域と逆境を乗り越える!森川畜産が挑む資源循環とアニマルウェルフェア

既存の畜産への疑問や限界を感じ、移住という選択をして理想の牛飼いの姿を追求する肉牛農家が長崎県西海市にいます。彼らが追い求める姿とは何なのか、話を聞きました。 ※本記事はAGRI JOURNALに2022年12月7日付で掲載された記事を、同編集部ご了解のもと一部変更を加えて転載しています。 牛に触ったことすらなかった 現在、日本の畜産農家が置かれている状況は非常に深刻です。飼料をはじめとする生産に必要不可欠な資材が高騰し、経営の岐路に立たされている農家も少なくありませ

    • Vol.2 万能なシステムエンジニアを目指して日々精進

      大学院生または大学院修了生にインタビューを行い、個々人の研究生活や将来への想いに迫る本企画。2人目は、筑波大学の大学院博士1年生の一倉弘毅さん。高専を専攻科まで卒業した後、修士課程に進学し、映像中で豚のくしゃみを自動検出する研究を始めました。研究及びインターンシップでの経験から、システムエンジニアを自分の進むべき道として見定め、研鑽を積む日々を送る一倉さん。研究内容と将来の展望について、お話を伺いました。 一倉弘毅:博士1年 。群馬高専の専攻科を卒業後、筑波大学の大学院に

      • 「自然」とは何か〜VOCA展2023『山衣をほどく:永沢碧衣さん』に触れて

        桜雨となった3月最後の週末。花見の名所として名高い上野公園の一角、上野の森美術館で行われている「VOCA展2023」を訪れました。筆頭賞であるVOCA賞を受賞した絵画作家・永沢碧衣さんの作品『山衣をほどく』から大きな問いを投げかけられた気がしたので、感じたことを取りとめもなくまとめようと思います。 (本記事の内容は筆者独自の解釈であり、作者の意図とは異なる場合があることを予めおことわりします) VOCA(ヴォーカ)展とは、全国の美術館学芸員・研究者などが推薦する40歳以下の

        • 【本のオススメ】科学が魅せる深遠な美;全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』

          日々の生活では忘れがちだが、私たちは実に深遠な世界を生きている。芸術は深遠な美に目を開かせてくれるが、科学もまた然り。深遠さに目を向けることは、夜空の星々を眺める時に似た、癒しをもたらしてくれる。 科学エッセイ集である本書だが、その表現はやわらかく、時に詩的でさえある。テーマは多岐にわたる。序盤は宇宙や原子の話、例えば悠久の旅を続ける流れ星。中盤は社会や倫理の話、例えば検索エンジンの秘密。終盤は生物の話、例えば壮大な渡りをする蝶。各短編は独立しており、好きな順番で読める。私

        地域と逆境を乗り越える!森川畜産が挑む資源循環とアニマルウェルフェア

        • Vol.2 万能なシステムエンジニアを目指して日々精進

        • 「自然」とは何か〜VOCA展2023『山衣をほどく:永沢碧衣さん』に触れて

        • 【本のオススメ】科学が魅せる深遠な美;全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』

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        • 研究者の卵たち~卵から覗く多彩な将来~
          3本

        記事

          『大地からのおくりもの』をこの目で!ゆざわジオパーク訪問記

          7月に出展した仙台での科学イベント「サイエンス・デイ」でコラボさせてもらった、秋田県湯沢市の「ゆざわジオパーク」を訪ねました!手前味噌ながらサイエンス・デイのタイトル『大地からのおくりもの』が絶妙だったと思えるほど、地球科学の奥深さを体感した2日間をまとめてみます。 ※訪問日:2022年10月7日(金)~8日(土) ■秋田県湯沢市・ゆざわジオパークとは 秋田県南東部に位置する湯沢市。秋田県の全面積の約6.8%を占める、非常に大きな街です。平安時代の歌人で、世界三大美女とし

          『大地からのおくりもの』をこの目で!ゆざわジオパーク訪問記

          Vol.1 やりたいことをやり続ける証を胸に

          大学院生または大学院修了生にインタビューを行い、個々人の研究生活や将来への想いに迫る本企画。1人目は、今年の3月に総合研究大学院大学で博士号を取得した、青木優美さん。化学から素粒子物理学へ、研究の道から科学を応援する道へと、その時々に自分の興味が惹かれる方へ軽やかに飛び込み、挑戦を続けています。そんな青木さんにとって、博士課程はどのようなものだったのか伺いました。 青木優美:博士(理学)。総合研究大学院大学修士・博士課程で、素粒子物理学を専攻し、建設が検討されている国際リニ

          Vol.1 やりたいことをやり続ける証を胸に

          大学院生のインタビュー記事企画を始めます

          大学院生または大学院修了生のインタビュー記事を不定期に連載していく新企画「研究者の卵たち ~卵から覗く多彩な将来~」をスタートします。個々人の研究生活や将来への想いに迫っていきます!

          大学院生のインタビュー記事企画を始めます

          奥深いアンモナイトの世界@三笠市立博物館

          前回のnote記事からしばらく時間が空き、気付けば年も変わりました。2022年最初の投稿になります。本年もACADEMIJANをどうぞよろしくお願いいたします。 私たちが昨年のサイエンスアゴラに出展した企画では、三笠市立博物館を中継会場として使用させていただくとともに、同館に所属する相場大佑さんにアンモナイトをテーマにお話いただきました。本記事では改めて、三笠市立博物館とアンモナイトの魅力をご紹介します。 展示室に入るとそこは…:アンモナイトってどんな生き物? 北海道は

          奥深いアンモナイトの世界@三笠市立博物館

          「博物館×テクタイル~大昔の生き物と私たちの暮らし」延長戦:相場さんからの回答掲載

          11月03日(水)にACADEMIJANは「博物館×テクタイル~大昔の生き物と私たちの暮らし~」というタイトルで、サイエンスアゴラにてオンラインイベントを行いました。当日ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。 イベントでは、南澤孝太さん(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD) 教授)、芝原暁彦さん(地球科学可視化技術研究所 所長、恐竜学研究所 客員教授)、相場大佑さん(三笠市立博物館 主任研究員)、森健人さん(一般社団法人路上博物館 代表理事)の4名

          「博物館×テクタイル~大昔の生き物と私たちの暮らし」延長戦:相場さんからの回答掲載

          スティーヴン・ワインバーグ -科学に人生を捧げた男-

           アメリカの理論物理学者、スティーヴン・ワインバーグが88歳で亡くなりました。ワインバーグは、まさに「知の巨人」と言うべき人物で、誰よりも科学の可能性を信じた人物でもありました。1979年に「ワインバーグ=サラム理論」の功績によりノーベル物理学賞を受賞し、長年にわたりテキサス大学オースティン校で教鞭を執りました。また、その知性は物理学に留まらず、精力的な執筆・講演活動や科学史家スティーヴン・シェイピンとの論争などでも知られています。故人に敬意を表し、その功績を振り返ってみたい

          スティーヴン・ワインバーグ -科学に人生を捧げた男-

          じゃがいも出世物語

           「家庭」を連想させる料理として、肉じゃがは筆頭格に挙げられるのではないでしょうか。その他カレーやポテトサラダ、グラタンといった色々な料理や、ポテトチップスなどのスナックにまで利用されるじゃがいもは、日常に深く馴染んだ存在です。  では、私たちはどのくらいじゃがいものことを知っているでしょうか?  普段料理をする人であれば、品種毎の味わいや、煮込みに向いているかといったことには詳しいと思います。しかし、その品種がどこでどのようにして生まれ、日本の食卓で食べられるようになった

          じゃがいも出世物語

          鳥獣戯画に思う 「想像力」と「科学」

           東京・上野の東京国立博物館で開催されている特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」に行ってきました。日頃、科学に触れる機会の多い立場にいることもあり、感じることがあったので書き連ねてみようと思います。 実は大作!800年前の人々が描いたユーモア 鳥獣戯画について、まずは少しだけおさらいしておきましょう。平安〜鎌倉期の作とされる全4巻・合計44メートルにも及ぶ絵巻物で、兎・蛙・猿などの戯れる様子が描かれています。動物たちが人間のように相撲や宴に興じる姿はユーモラスであると同時に、身

          鳥獣戯画に思う 「想像力」と「科学」

          みんなのチカラを研究に!暮らしとつながる「シチズンサイエンス」

           「シチズンサイエンス」という活動をご存知でしょうか。「市民科学」と直訳できるとおり、市民が主体的に参画する研究活動を意味します。今回は、近年徐々に盛り上がりを見せているこの活動を紹介したいと思います。  その目的について、まずはあえて硬いところから見てみましょう。3月に閣議決定された国の「第6期科学技術・イノベーション基本計画」には、次のとおり書かれています。 研究者単独では実現できない、多くのサンプルの収集や、科学実験の実施など多くの市⺠の参画(1万⼈規模、2022年

          みんなのチカラを研究に!暮らしとつながる「シチズンサイエンス」

          ACADEMIJAN 始動

          みなさん、はじめまして。 ACADEMIJAN(アカデミジャン)、始動します!! 私たちがやりたいこと、それは 科学技術コミュニケーション です。 ACADEMIJANが目指すこと~マジシャンのごとく~流れ星や大陸移動、異常気象など、数多くの不思議な現象が、日々私たちの周りで起こっています。その裏にある種と仕掛けを解き明かす試みが、科学です。そこから得られた知識や、その知識を応用した技術は、社会のあちこちで活用されています。今や科学技術と社会は密接につながっていると言っても

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