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大学改革案②:オンライン授業の規制を緩和し、海外の大学を誘致せよ!!


1.今の時代、わざわざキャンパスに通う必要は無い

今の時代、DX技術によって、オンライン授業や動画授業を行う事は、遥かに容易になっております。

ですから、実験や実習等、オンラインで行う事が不可能な授業以外、特に、一般教養科目については、動画授業で行ったら良いのではないかと思っております。

実際、私も大学に通っておりましたが、体感では、約8割の授業は、動画授業やオンライン授業でも、大して問題無いのではないかと思っております。


更に、私自身の経験で言うと、自宅からキャンパスまでの通学時間は、片道一時間半(往復三時間)も掛かっておりました。

つまり、大学開校期間中は、一日当たり約三時間という貴重な時間を無駄にしていたという事になります。

実際、私以外にも、キャンパスまでの通学に、一時間~数時間かけていた方は意外に多いのではないでしょうか?

なので、若い学生達に、貴重な時間を、もっと有意義に活用して貰うためにも、オンライン授業の規制は更に緩和すべきであると思っております。


2.大学の自治権を強め、各大学独自の教育を行うべき

私は、本来、学位の価値というのは、市場によって判断されるべきであると考えております。

現在の大学制度においては、文部科学省の規制の下で、初等中等の公教育と同視出来るような、どの大学も教育内容に大差が無いカリキュラムが用意されており、ただ単に、それを作業としてこなす事で、学位を取得する事が出来ます。

つまり、今の学位と言うのは、"文部科学省の敷いたレールに沿って、教育を受けたかどうか"という判断材料でしかなく、"本当に学位に見合った能力が身に付いているか"を判断するものではないと思っております。

ですから、日本国内の全ての大学で、文部科学省がカリキュラムを統一しなくとも、各大学が、自治権に基き、その大学独自の教育を行い、その教育の結果次第で、各大学の学位が、市場によって判断される状況にすべきであると思っております。


そして、仮に、そういった文部科学省の規制が撤廃されれば、各講師自身が、どの授業のどの単元をオンライン授業として提供するか、通常通り対面授業を行うかという選択が行えるようになると思います。

更に、各授業における講師の裁量が拡大すれば、講師間の競争も激化すると思いますので、大学内には、より良い講師が必然的に残るようになり、講師や授業の質の向上も図れるでしょう。

実際、スタンフォード大学では、大学教授も含めた全ての講師は、常に、生徒からの評価に晒され、評判の悪い講師は、即座にクビになってしまうそうです。


3.改悪され続ける高等教育

ルポ 大学崩壊 (ちくま新書)

平成16年に行われた小泉内閣によって実施された国立大学の法人化を発端として、少子高齢化に起因する教育予算の減少を背景として、年々、大学の内情が悪化させ、大学の教育レベルも低下させるような改革が行われ続けているという指摘がなされいます。

特に、"選択と集中"の理念の下、人文系や社会科学系の職員が、大量に解雇される等の横暴と呼べるような改革は、その代表例と呼べるでしょう。

現状、各大学の理事長官僚達といった利害関係者が恩恵を得るためだけに、教育政策が策定され、大学の運営方針が決定されてしまっている事から、学生達の事を考えたような、運営や改革はほぼ行われなくなってしまっているという事です。


進む国立大学の独裁体制化

まず、近年の度重なる法改正によって、現在、国立大学の学長は、学長選考・監察会議という官僚や与党の影響を強く受けるような仕組みで、決定されているそうです。

そういった選任方針を摂った結果、学内の職員や学生達の声が、学長の選考に考慮されなくなり、蔑ろにされてしまっているという事が指摘されています。

また、官僚や与党の影響を強く受けるような人事制度となってしまう事は、天下りや出向等、そういったポスト自体が、官僚組織や政権にとって、都合の良い人材に対し、賄賂や汚職の対価として提供され得る事を示唆しております。

正に、アメリカの政治任用制度と類似していると言えるでしょう。

実際、国立大学や私立大学においては、学長の選任に当たり、官僚や政権の都合の良いような人選が成されたり、文部科学省OBの天下り等が横行してしまっているという事です。


具体的な事例としては、北海道大学において、安倍政権に対し、反抗的な態度を取っていた名和豊春氏が、不当に学長を解任されるという不祥事が起こった事が挙げられます。


私物化される私立大学

とある大学の教授によるパワハラ証拠写真

そして、私立大学においても、年々減り続ける交付金を背景に、"稼げる大学"という理念の下で、理事長の権限が大幅に強化される法改正が成されてきたという事です。

その結果、一部の私立大学においては、理事長が、その権限を濫用し、親族や身内に、大学の資金を横流しするというような事も起こっているそうです。


更に、私立大学は、定員数も、文部科学省の規制によって、自由に決める事が出来ないため、職員を減らすという事によって、収益の向上を図っております。

その結果、労基法を無視したような非常勤講師の大量解雇が行われたり、パワハラによって、職員を次々と退職させるというような事が、日常的に行われているそうです。

ですから、個人的には、私立大学の定員数の規制も撤廃したら良いと思っております。


以上を総括すれば、雀の涙程の教育予算を巡って、しょうもない権力闘争が繰り広げられているとしか言いようがありません。

実際、そういった学生や学問の事を最優先とせず、関係者達が、自分の利益を増やす事を念頭に置き、各々が利己的な行動を繰り返した結果、世界大学ランキングにおいて、日本の大学は没落し続け、日本の学問は衰退してしまったのでしょう。

こんな状況では、"日本の大学自体、オワコンである"と見做されても、仕方がありません。


4.海外の大学を誘致せよ!!

THE世界大学ランキング2021 日本から116校がランクイン【一覧掲載】

そこで、私は、国内大学に進化圧を掛けるためにも、海外の有名大学を誘致すべきであると考えております。

また、日本の大学は、海外のトップ大学に大差を付けられて、数十年単位で引き離されておりますので、今からいくら努力をしても、日本の大学を、世界トップレベルに引き上げる事は、ほぼ不可能であると思っております。

ですから、日本の大学の国際ランキングを上げる努力をするよりは、海外のトップレベルの大学を誘致した方が、早く確実であると思っております。


実際、岸田政権も、"スタートアップ開発構想"という構想を掲げており、AI分野に限定して、日本国内に、海外のトップ大学を誘致する計画を進めているそうです。

しかし、AI分野に限ってしまっては、日本人の能力を着実に高める、あるいは、日本国内の大学に進化圧を掛けるという目的を考えれば、海外にある大学を、丸ごと日本に持ってくるというような事をしなければ、全く足りないと思っております。

そして、そのためには、官邸の主導力や、一定規模の予算が必要となる事でしょう。

特に、予算の確保は、他の政策の実行を考えた場合においても、最も重要であり、社会保障費の削減を行う事無しには、海外大学の誘致は、ほぼ100%実現しないと考えて問題ないと思います。


まとめ.

今回は、規制緩和海外大学の誘致という手法によって、日本国内の高等教育の質を高める方法について、述べさせて頂きました。

特に、高等教育への規制を敷いている文部科学省というのは、定員数がたったの2,148人しかいない"三流官庁"とも揶揄されており、各省庁の中で、最も力が弱いとされているため、官僚主導では、高等教育の改革は実現する事は無いと思われますので、官邸主導で行われる事が、必須であると思います。

更に、他セクターと同様に、予算が増えなければ、高等教育の改善を効果的に行う事は不可能だと思っております。

ですから、高等教育をより良いものとするためには、社会保障改革を行い、教育予算を増やすような志を持った議員を当選させ、政治に対し、そういった事を働きかけ続ける必要があります。


参考文献.

・オンライン化する大学

・大学のデジタル変革 ―DXによる教育の未来

・ルポ 大学崩壊 (ちくま新書)

・文部科学省 揺らぐ日本の教育と学術 (中公新書)


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