BtoB営業のための-2

顧客分析論(2)製品別 顧客業界分析が営業を強くする

今日はBtoB営業のための顧客分析方法の第二弾です。

前回の記事はこちら。

おさらいをしますと、情報は少しでも粒度が細かいものがあった方が良いこと、特に各モデルの製品出荷数を細かく把握することは必要不可欠だと説明をしました。

今日も複合機メーカーを顧客としている営業と仮定して、より複合機業界のことを分析するにはどうしたらいいか、を考えていきたいと思います。

その前にせっかくなのでbig3以外の会社も載せておこうと思います。

業界4位のコニカミノルタですが3年にコニカ車とミノルタ社が統合してできたっていう、振り返り記事が出てましてので参考までに載せておきます。

以下からが本題。


■5W1H的なもの(前編)
具体的には以下のような製品モデルごとの網羅的な情報の収集が必要となります。

・プロダクト名
・製品価格
・製品仕様
・販売エリア
・販売台数
・利益率
・生産工場
・開発事業所
・購買ルート

まぁ、これで必須項目の半分くらいです。

これくらい基本として必要です。

最初は泣きたくなるほど大変です。

うーん、でも基本ですね、これくらい。

各項目を補足していきます。

■販売エリア
例えば、日本、中国、東南アジア、北米、ヨーロッパという分け方です。どこのエリアでよく売れているのか?を把握するのは重要です。

なぜそのエリアで売れているのか?という大事な疑問につながっていきます。

■利益率
よく知られたことですが複合機はトナーやインクといった消耗品ビジネスです。

なので複合機本体は多少きつい価格でも販売が優先される可能性があります。

なので、販売子会社の赤字を補填してでも販売数を伸ばしているのか?割と素直に売れているのか?は製品に価格以外の魅力があるのかを知る上で重要です。

販売エリアや利益率はある程度会社のIRや経営方針資料にも出ていて大枠は掴めたりします(上記はキヤノンのIRのページ)。

■生産工場
どこで作っているかです。

営業の観点で言うと、どこに納入するのか?どこが価格交渉の相手になるのか?なぜそこで作るのか?を把握する上で、とても重要です。

■開発事業所
購買としか関係が築けていない営業においてこの情報は重要です。

開発事業所を把握し開発者と直接話ができたら、コスト以外の理由で購入してもらえるかもしれません。機能で選んでもらえたら高単価で売れるわけですね。

■購買ルート
過去の販売台数を把握しておけば、今後どれくらい我々の製品を買ってもらえそうかを予想できます。

しかし顧客によっては汎用的な部品については、複数社から購入する場合があります。

一社依存だとそこが供給できなくなるとサプライチェーンが崩壊してしまいます。リスクに備え複数購買する場合があります。

横文字で言えばBCP(事業継続計画)、SCM(サプライチェーンマネジメント)という理由から複数購買は必要だったりします。

こういう会社が顧客の場合はファーストベンダーを目指すことになりますが、ファーストとセカンド(あるいはそれ以下)の発注割合がどのような比率かを確認しておく必要があります。

あと海外工場で使用する場合は、直で海外工場に納入するのか、いったん顧客の国内倉庫などにいれるのかといった、納入先を把握しておくことも必要になります。

だいたい生産拠点、開発拠点、購買の中枢くらいはHPでチェックできます(上記はキヤノンのページです)。

今日はこのへんでおしまいです。

次回は残り半分の項目について説明をしていきます。

ということで、また明日。


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