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転職の合否は99%面接の準備で決まる!?月50名の面接官をしていて思う「面接準備・面接対策」について。

月50名以上の方と面接する中で感じること


採用コンサルティング事業の中で、多くの企業様の人事として月50名以上の方と面接しています。
各企業様が求める人材像はバラバラですが、総じて面接でみているポイントはそう大きく変わりません。

そんな中で感じることとして、求職者の多くが準備をほとんどせずに面接に臨んでいるのではないか?ということが挙げられます。
もしくは面接の準備をしないといけないことはわかっているものの何をしていいのか具体的な方法や対策がわからないということは非常に多い気がしています。

裏を返すと、少しでも準備をして面接に臨めば大きく優位に立てますし、面接の具体的な対策や方法を行うことで合格率は格段に上がります。

会社にとって面接は求職者の資質を知るための重要な判断材料であり、面接に対しての対策・ポイントを知っていただくことで通過率を是非あげていただきたいと思い、記事を書いてみます。

企業が面接で見ている3つのポイントとは?

面接官が見ているポイントは以下の3つです。

・応募ポジションを遂行するためのスキルや必要な経験を持っているか?
・応募ポジションを遂行するためのマインドを持っているか?
・自社に合うカルチャーフィットする人材か?

面接官が見ているのは、今回募集しているポジションの業務内容を担っていただけて、今のチームや組織を活性化していただける自社のカルチャーにフィットする人材です。

言い換えるとこの3つが満たしているもしくはフィットしていると面接官が感じられれば面接は合格します。

1.応募ポジションを遂行するためのスキルや必要な経験を持っているか?

求められるスキルを持っているか?経験があるか?を質問で問い、今回のポジションで求められる業務を遂行していただけそうか?を測っています。
また、仮に経験がなかったとしても過去別の体験などから類似する場面での経験を通じて対応ができそうか?などもアピールしていただくことをお勧めします。

2.応募ポジションを遂行するためのマインドを持っているか?

今回のポジションで求められる業務を遂行していただくためのマインドを持っているか?を測っています。
積極的な人材を採用したいのか?スピード感がある人材を採用したいのか?丁寧な仕事が求められるのか?など、ポジションや業務内容によって求められるマインドは変わってきます。

3.自社に合うカルチャーフィットする人材か?

自社に合う人材かどうかを見極めています。
明るい、素直、一定自分の意見を臆すことなく伝えられるか?など、会社ごとにカラーは違いますので、既存の社員と溶け込めるか?を見ています。

面接は「あなた」を売り込むセールスである

★第一印象でほぼ決まる

最近ではZoomなどオンラインでの面接も増えています。
背景画像などもあらかじめ設定しておくことをお勧めします。
面接冒頭での挨拶と面接機会をいただいた感謝の意を伝えましょう。
また表情も可能な限り、明るい印象を持ってもらえるように意識いただくと良いでしょう。
正直、第一印象で面接の合否を決めると言っても過言ではありません。

★面接冒頭で把握すべきこと

面接の冒頭で把握しておくべきこととして、相手の会話スピードがあげられます。
人には誰しも「間」が存在するので、その間(会話のスピード)を捉えて、どのようなテンポやスピードで話すのが良いかを測ることが重要だと感じます。

★期待値を把握する

相手が何を聞きたいのか?を考えて答えましょう。
あくまでも面接官からの質問に答えるという形式にはなりますが、聞かれたことだけを答えるのではなく、質問者の意図を汲みながら相手が聞きたいであろう内容を意識して、自分をアピールすることが重要です。
◯◯ということをお聞きされたいのかなと思いましたので、その前提でお答えしてもよろしいですか?など聞いた上で回答しても良いかと思います。
「そうそう!それを聞きたいんです!」と面接官が感じれば、「この方はコミュニケーション能力が高い人だ!」と高評価に繋がります。

★どういう人間なのかを知ってもらう機会

面接でよく見られたい、思われたいのは当然の心理ですが、一方で素の自分を理解してもらうチャンスでもあります。
質問の内容を変えながら前回の回答と齟齬がないか?を見ている人事の方も大勢いますので取り繕わずに、正直にお答えいただくのが良いかと思います。
採用側は、この転職者をどの部署に配属するのが良いのか、どんなリーダーと一緒に仕事をしていただくのが良いのかを見極めることができます。

★回答時に気をつけること

できるだけ簡潔に答えます。
モゴモゴとした話し方はネガティブな印象になってしまいます。
言葉を吟味してシンプルに答えることを心がけましょう。
ダラダラとした長しゃべりはいくら自己アピールといっても高評価にはつながりません。
話す内容は具体的なものにしましょう。
実際のエピソードを盛り込む、数字を示しながらお話しいただくのは説得力が出ますのでお勧めです。

★意識すること

自信がない態度よりは、自信がある態度の方が合格率は高いと思います。
もちろんバランスは重要です。
どうしてもネガティブな事実を言わなければならない場合は、苦境をどう克服したか、どう克服したいと思っているか、といった前向きな意志を付けます。
この組み合わせでネガティブな話しを結果的にポジティブな印象にもっていけます。

ーーーーーー余談の予備知識ーーーーーーーーー

メラビアンの法則

心理学者のアルバート・メラビアンという人が1971年に発表した法則です。
発言者の態度と話す内容に矛盾が見えたとき、聞いている人がどこを重視するかという研究の結果です。

イライラした態度で人を誉めても受け取る側は誉められたとは思わないのだそうです。
「早口で謝罪する」「ニコニコしながらボソボソ話す」なども同様です。

メラビアンは、話しを聞く側が受け取る情報を、視覚情報、聴覚情報、言語情報の三つに分類しました。
話者の態度、表情、しぐさは視覚情報。声質、声量、口調、テンポは聴覚情報、話の内容が言語情報です。

「イライラを表に出しながら人を誉める」の場合は、悪い視覚情報と良い言語情報の組み合わせで矛盾が生じています。

この場合、受け手が重視する割合は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%という結果になっています。
誤解を招く発言があったとしても、態度や表情を間違えなければ半分以上の誤解を防げるという理屈です。

まずは、視覚情報(服装、態度、表情、しぐさ、手振り、身振り、ジェスチャー)に気をつかいましょう。
とは言え、まずは視覚情報、聴覚情報、言語情報を一致させることが肝要。
鏡を見ながら面接のイメージ作りをすることも有効ですし、友人に見てもらい感想を言ってもらうことが理想的です。

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<実践> 面接の話し方

★話すべきこと、話すべきではないこと

弱点やコンプレックスは自分から言わないほうがいいでしょう。
話しの流れでどうしても言わなければならなくなったら前述のとおり克服したエピソードや解決策と組み合わせて最終的にポジティブな印象になるように工夫します。

★話し方

提出してある履歴書や職務経歴書を見たうえで面接官が質問していると思いがちですが、必ずしもそうでない場合があります。
面接官は書類を見ていないと想定して受け答えしましょう。
書類と内容が重複しても大丈夫です。
発言は簡潔にまとめながらも丁寧にわかりやすく話すことを心がけましょう。

★印象の先回り

現職や専攻した学部、経験したスポーツなどによって先入観を持たれる場合があります。
良い先入観なら歓迎すべきですが、先入観で損をするパターンも散見されます。

たとえば「個人スポーツをやっていた人は協調することが苦手」や「事務畑の人は柔軟な発想が苦手」などなど。
そこで先回りして「個人スポーツですが練習や遠征は団体行動ですのでキャプテンとして大勢をまとめる経験は豊富です」と言いましょう。

◇面接の想定問答

面接官から尋ねられがちな質問とその理想的な受け答えの例を示していきましょう。

○自己紹介

まずは自己紹介です。
アピールすることは先に言ってしまうのが面接のセオリーです。
一番のアピールポイントは自己紹介の中に入れてみましょう。
語調は明るく、発音はできるだけハキハキを心がけます。

▾例 これぐらいシンプルでOKです。

「改めまして本日は面接の機会をいただきましてありがとうございます。山田太郎と申します。32才です。現在は田中株式会社で営業を担当しておりまして、5年連続で社内トップの営業成績をあげていました。本日はどうぞよろしくお願いします。」

「改めまして本日は面接の機会をいただきましてありがとうございます。山田太郎と申します。32才です。大学卒業後、◯◯という理由で田中株式会社に入社して営業をしていました。◯◯向けに◯◯を販売していました。その後山田株式会社に転職をして、現在は◯◯を担当しております。本日はどうぞよろしくお願いします。」

○なぜ転職したいのか? (転職理由)

現在の職場の不満点を並べるのは得策ではありません。
どの会社にも大なり小なりストレスがあることを面接官は知っています。
転職理由の質問は「これからどうしたいのか」と読み替えます。
現状の不満を転職理由にしてしまうと、困難を回避したいという消極的なイメージになりがちです。
仮に「残業が多いから」と言うにしても「自分の時間を確保して、簿記の勉強に充てたい」などといった前向きな姿勢を組み合わせることでポジティブな性格を強調できます。
また、ここは重要ですが、転職理由を改善・解消するために上長に掛け合ったなど、具体的に解決するためのアクションをしたかどうか?を面接官は気にします。

○転職に踏み出したのはなぜ、今なのか

必然性と前向きさを併せ持った回答が理想でしょう。
例えばこんな感じです。

「30才を過ぎたのを期に自分の可能性にチャレンジしてみたいと思いまた」
「子どもが生まれたことで社会的な責任ということを見つめ直した結果です」

また、自分のステップアップ、キャリアアップだけが目標ではなく、より会社や社会に貢献できる環境を求めたことも強調します。
以下のような自分よがりの回答をしてしまうと面接官の印象は悪くなります。

「自身のスキルアップにつながると思いました」
「経験の幅を広げられると思いました」
「より高い技術を身につけられると思いました」

会社は学校ではありませんし、スキルアップしていただきたいために入社してもらいたいわけではありません。
自社の今抱えている課題や実現したいことを体現してもらえるか?どうかで内定を出します。
これまでの経験やスキルを通じて、自社にどんなメリットをもたらしてくれるのか?を聞きたいため、ここを意識できるかどうかは非常に重要です。

「現職とは違う層のお客様を得意としている御社でなら、今まで培った経験がより活かせ、結果も出せると思いました」
「お客様と顔が見える関係を作れるはずです」

このような伝え方ができれば良いと思います。

○なぜ当社なのか?

志望動機に関する事項です。
なぜこの業界を志望しているのか?なぜその中でも当社なのか?を伝える必要があります。
また、この志望動機は転職理由とイコールになっているかどうかも重要なポイントです。
転職理由は言い換えると、転職目的でもあります。
その転職目的が志望動機とリンクしているか?を面接官は見ています。
またWebサイトなどをどれだけ見てこられたか?=志望度の高さを見ている面接官もいます。
明らかに調べてきていないという印象を持った場合は不合格になる可能性が高くなりますので、一度はWebサイトなどは見ておきましょう。

○またすぐにやめるかも、という印象を与えない

転職癖がないことは採用者側にとって絶対条件です。
内定を出して、入社してもらっても、会社に慣れたころにまたすぐに転職されてしまっては、時間的にも経費的にも大きな損失。
下手をすると採用者の責任問題にもなりかねません。

悩んだ末の転職であること、現職に留まりたい気持ちもあるが「それでも」より理想の環境に進みたいという意志をアピールします。
そのためには、転職理由が明確であることが大切になります。

また現職で成長させてもらったという気持ちを表現できれば印象はさらに良いでしょう。

○話し方の基本


基本は三段構成です。
最初の一段目で結論を話してしまいます。

「より多くの人に喜んでもらえる仕事がしたくて転職を決意しました」

その次に理由やエピソードを付け加えます。

「現職はどちらかというと法人の顧客がメインでしたが、個人客と顔が見えるおつき合いがしたいと思いました」

最後の三段目で再び結論を繰り返します。
強調するという意味と、万一、面接官に聞き逃されてしまったときの対策でもあります。

「人に喜んでもらうのが自分の喜びでもあるので、より多くの笑顔に出会えると思い転職を思い立ちました」

◇面接の大まかな流れ

面接は2〜3回行われることが一般的です。

○一次面接

人事担当者が面接官を担当する場合が多いでしょう。
書類選考を通過した求職者に実際に会ってみて基本的な人となりを確認します。
身だしなみ、態度、発言などが確認されます。
その上で配属予定の上司や役員に会わせるべきかを見極めます。

○二次面接

配属される可能性の高い現場の上司や関係者が求職者と話しをする機会です。
求職者にとっても直属の上司や同僚から話を聞ける機会にもなります。
ここでは、人間性、やる気を評価します。

さらに、一緒に仕事がしたいと思わせる人物かどうかを見定めます。

○最終面接

入社意欲の確認がメインとなります。
入社して一緒に頑張ってくれる覚悟があるのかが問われます。

~給料の交渉はいつがいいか~
内定書が出て、給料額が書かれていたならば、その時点での交渉は無理だと考えたほうがいいでしょう。
仕事をする中で実績を上げてから改めて給料の交渉をするのがいいでしょう。
給料交渉の時期は内定が出る前になります。
自分を評価が定まったと思えたタイミングで
「現在の所得よりも多ければありがたいです」程度の申し出をするのが的確でしょう。

〇面接が終わった感想や内容はメモしておくこと

面接官と話してみた結果、入社意志がどの程度になったのかを評価します。
プラス、マイナス、ゼロ、程度の評価で十分ですが記録として残しておきましょう。
近年、面接官の発言と入社後実態が違うということも増えてきました。
そのため、備忘録としてメモをしておくことは自分を守るためにも重要なことのため意識してみましょう。

まとめ

面接は一方通行の質疑応答ではなく、採用者と転職者が相互理解を深める場でもあります。面接という機会を有効に使って、不安や不明点を解消し、後悔のない転職を目指してください。

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