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そあ
2019年10月26日 12:11
君はいつまでも僕だけの王女様でトランプを敷き詰めた小部屋でクッションの綻びに爪を立てる舞い上がる幻想に 薄桃の白昼夢を見ていた君が生まれた季節をセピア色に染めて現実は噴水の向こうへ置き去り日付けが変わって 君は灰の中から生まれ変わるハッピーバースデー 私の愛しい人僕が嫌った太陽が 優しく微笑んで青銅の鎧が溶ける分かっていた これは現実なのに何故だろう 今日は 泣いてしまい
2019年10月25日 00:17
君のシャンプーの匂いが金木犀の香りを打ち消してはらはら この夜に 堕ちてゆく橙の花 暮れたら 淡い白 纏って 融解 天の神様の言う通り 指差して選んだのは 君の声首に 目蓋に 指先に 季節外れの雪に散った 椿と見紛う 子猫が路地裏で戯れるみたいに ふざけて 二人で幸せになれるから 朧月の瞳は そっと閉じていて いいの 一人じゃできないやり方で 幸せになれるなら一人じゃな