もつなべ

もつ鍋が食べたい人のひとりごとです。

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最近の記事

素敵なスピーチ

今年も日本アカデミー賞を観ていました。 昨年の岸井ゆきのさんの言葉もとても素敵でしたが、今年の黒川想矢さんの言葉も、ぐっとくるものがありました。 ぼくは、いま、二つの自分と戦っています。 役を演じられたのは運でしかないと思う自分と、自分の力でやり遂げたと勘違いしてしまう自分です。 毎回この感情の戦いに打ち勝って、常に優しい人間であり、俳優でありたいと思います。 早熟な人ほど思考の数も増え、悩むことも多くあると思うのですが、きっと多くの人の心を震わせる素敵な方なんだろうな

    • 俗なことを書きます

      普段はなんだか整合性のあるものを書こうとしてしまいますが、元々ここは頭の中に閉じ込めて置けないことを書こうと思って始めた場なので、今日はどうしようもなく人間臭いことを書きます。 と、前置きを置いて。   加瀬亮さんがすきです。 この一言が言いたかっただけです。 3/8には日本アカデミー賞の授賞式があるので、映画『首』で助演男優賞を受賞した加瀬さんが地上波に舞い降りてくるでしょう。 となると、日本中のまだ加瀬さんの虜になっていない人が、彼の魅力に気づくでしょう。 そ

      • 恋ではないから

        恋物語ではない。 しかし、これまでのどんな恋物語よりも記憶に残っている「言葉」の話だ。 何年も前のことをこうやって覚えているということは、よほど嬉しかったのだろうと思ったので、書き起こしてみることにした。 学生の頃、後輩たちが私に手紙を書いてくれたことがある。私はもう卒業間近で、部活はすでに引退していた。 手紙をもらうこと自体嬉しかったが、なかでも忘れられない一通があった。 そこにあった言葉が、今でも私にその手紙を忘れさせてくれない。 「僕は、笑顔が世界で一番似合う女

        • 「聞く」ということ

          子どもはよく、 なぜ、どうして、と大人に問いかける。 誰もがかつては子どもだったわけだから、 共感してくれるかな。 「ピョン吉は、何を聞いても笑い飛ばしたり適当にあしらったりすることなく、いつも私の質問に答えようとしてくれました。 なぜ雨が降るの。 どうして新幹線は速く走るの。 なぜ人は死ぬの。 本当に人は生まれ変わるの。 どんな問いかけにも、毎回真剣に悩み、答えてくれました。」 人の話を笑い飛ばすのは、 その話の重みを取り違えていたり、深く考えていないからことできて

        素敵なスピーチ

          本音を聞かせてよ、が1番困る

          ふと、生活のなかで感じる違和感について。 ここ数年、もやーっとする瞬間に気づいたので、今日はその正体について言及します。 現実ではこんなこと戯言だと言われるので、この場を借りて話してみることにします。 おんなじことを考える人が、世界のどこかにはいるはず、、、はず。 私はよく、 「全然怒ったりしないよね」と言われる。 大人からの評価は「常にニコニコ」 子供の頃は「大人っぽい」 義務教育の頃は「優等生」 対人関係では「常に優しい」 恋愛においては「隙がない」 仲のいい友人から

          本音を聞かせてよ、が1番困る

          新宿駅で友達をみた

          2限に間に合うように、家を出た。 新宿でいつものように乗り換えをして。 1時間目に行く時はいつも満員だけど、 2時間目ともなると人の数もそこまで多くない。 スマホの乗り換え案内は 常に「急いで」モードなので 今日もせかせかと乗り換えをしたけれど、 今日は少しだけ人の顔がよく見える。 1時間目に向かう私の目は ついているようでついていないから、 前のサラリーマンの背中しか見えない。 スーツのしわを目で追って、 せめて階段から転げ落ちないように、 ベルトコンベアに乗せられた

          新宿駅で友達をみた

          欲しいのは最新型の空調設備

          今、私の部屋に冷房はない。 だから、冷蔵庫の扉を開いて、その前に扇風機を置いて、その前に座って携帯をいじっている。 気温は30℃。時刻は23時45分。 私はひとつ気がついてしまった。 だから、インスタやYouTubeといった目先の快楽を差し置いてこの画面を開いている。 さっきまで眠かったのに、頭も冴えてきた。 「大人になるほど、  答えの出ないことが増えていく」 これはもう覆りようのない事実だ。 どっかで聞いたことはあったけれど、それが事実だということに気がついてしまっ

          欲しいのは最新型の空調設備

          今日もいい日だった

          今日はいい日だったと、 そう思える日が最近何回あっただろうかと考えていました。 そう思えた日が、これまでの人生でいったい何日あっただろうかと、そんなことまで考えてしまいました。 合計二十日ほどでしょうか。寂しいものです。 私の幸せバロメータの感度はすごく鈍くて、 いいことは、頑張って見つけなければ現れない。 いいことが見つからなかった日を、いい日とは言えない。なにもなかった日を、いい日だったと思うことができない。 何事もなく無事に1日を終えられたことが、幸せだと思えたら

          今日もいい日だった

          思い出は過去

          蝉の鳴き声がだんだん大きくなって 隣の隣の家の軽トラのエンジン音が聞こえる。 風が右から左に吹いて、 葉っぱがわしわしと揺れる。 爪ほどもない大きさの船が、全く動かない海を 1本の白い線を引きながら横切っていく。 雲は島にかぶせる帽子のように止まったままで 私もまたベランダから動かない。 簡単そうで簡単には見られないこの景色を 今日も見ていることに喜びを覚える。 目に焼き付けるのではない。 写真におさめるのではない。 思い出にするわけではない。 思い出して喜ぶためで

          思い出は過去

          ネトフリは人生を豊かにするのか否か

          否。 ネトフリがあると、 さらに簡単に娯楽を楽しむことができてしまう。 「楽しさ」が手軽なものになると、 今度は密度を求めるようになる。 いかに短い時間で濃い経験をし、楽しさを感じられるかということにとらわれてしまう。 その結果、動画は1.5倍速で観るし、通勤の片手間にネトフリを見るし、周りの人よりも凝縮された楽しさに手を出し始める。 それに、 「いつでもどこでも楽しめる」 というのは、 「希少性や有限性をとりはらう」 ということでもあって、 朝食のパンに塗るジャ

          ネトフリは人生を豊かにするのか否か

          どこでもドアは存在する

          21:20 東京都内某所 歯磨きまで終えて、 階段を上がり、 自分の部屋の扉を開けて、 はて、ここは夏の伊豆か、と思った。 そうか、 つまりうちの家のドアも どこでもドアになったんだな。 だから、伊豆の夏の夜に飛び込んだんだな。 やるじゃないか、文明よ。 お前をみくびっていた私が悪い。 と、結構本気で感心した。 それと同時に、 電気もつけず カーテンの閉め切った暗い部屋の入り口で、 窓の外から聞こえる夏に、思い悩んでいた。 東京の家が一瞬で伊豆の自然に変わったことを

          どこでもドアは存在する

          激アツじゃん

          熱量が人の心を動かす、という話がある。 その人が持ちうるすべてを出し切って、 魂をさらけだしている姿に 人の心は動かされるという。 たしかに、そうだと思う。 スポーツを観て熱くなるのも 映画を見て涙が出るのも 応援団の声援で元気が出るのも それはすべてそこに熱があるから。 熱がなければ何も始まらない。 胸が熱くなってこそ、生きてる感じがする。 だから、何歳になっても熱を持ち続けていたい。 その熱を他人と分け合えるような、 そんな世界をつくりたい。 もつなべ 本日観劇

          激アツじゃん

          1億5000万km

          ホームに差し込む西陽が眩しくて、 思わず目を細める。 でもよく考えてみれば、1億5000万キロも離れたものの温かみが、ここまで届いている。 すごい。 あんなに遠くから届くものを 肉眼で見ることも耳で聴くことも できないけれど、 直接感じることはできるというのは なんとも不思議なもので。 赤ちゃんや子犬の高い体温に触れると、 心に安らぎが生まれて、 時間の流れがいつもよりゆっくりになる。 YouTubeを1.5倍速で見て、 1秒でも短い時間で着く乗換案内を調べて、 な

          1億5000万km

          いいなぁ、地球で

          最近、都会の空にも星が煌めいています。 正確には、星はいつも輝いているのだけれど、 最近はそれがよく見えます。 先日の皆既月食も、無事に見ることができ、この時代に生まれた事に深い喜びを感じました。 星を見ていると、 地球に住んでいることを実感します。 火星でも、ハリウッドでも、7LLDDKKの空飛ぶ家でもなく、私は地に足をつけて東京という街に住んでいるわけです。 みなさんはどこに住んでいますか? 下北沢のシェアハウスですか? ローンの返済年数が30年の家ですか? ア

          いいなぁ、地球で

          夢見がちな

          10くらいから、登場人物を考えるようになった。 12くらいから、こどもの気持ちを忘れないまま大人になると決めた。 13のときに、書きはじめた。 15くらいから、おもしろい本を読むと 悔しいと思うようになった。 18くらいから、おもしろいストーリーが思いつかなくなった。 20のとき、夢を口に出すようになった。 22のとき、コンテストに応募した。 23くらいで賞を受賞した。 32のときこどもが児童書を読むようになった。 35くらいから、また書くようになった。

          夢見がちな

          砂ぼこり運ぶ つむじ風

          東西線に座っている時から、 どうしてもチョコレートが食べたかった。 だから、地上に出てすぐあったコンビニで チョコレートを探した。 ビスケットはいらない、 苦いのも気分じゃない、 かといってホワイトチョコもなんか違う。 チョコレートを吟味する私の頭上で レミオロメンが歌っていた。 天井の黒いスピーカーから流れる 3月9日。 今日はもう3月12日。 卒業式は終わった。 私の卒業式は2年前に終わった。 選ばれたのは手につきにくいチョコレート。 一つ手にとってレジに並ぶ。

          砂ぼこり運ぶ つむじ風