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どこでもドアは存在する

21:20 東京都内某所

歯磨きまで終えて、
階段を上がり、
自分の部屋の扉を開けて、
はて、ここは夏の伊豆か、と思った。

そうか、
つまりうちの家のドアも
どこでもドアになったんだな。

だから、伊豆の夏の夜に飛び込んだんだな。
やるじゃないか、文明よ。
お前をみくびっていた私が悪い。

と、結構本気で感心した。

それと同時に、
電気もつけず
カーテンの閉め切った暗い部屋の入り口で、
窓の外から聞こえる夏に、思い悩んでいた。
東京の家が一瞬で伊豆の自然に変わったことを、受け入れるべきかどうか。
とりあえず状況を整理してみよう。


気温が高まる5月。
だんだん暑くなってきたので
最近は部屋の窓を開けている。
3時間ほど前までは
部屋にいても静かで、
家の前を通るママチャリやバイク、風の音が聞こえる程度だったのに

今部屋に入ってみたら、

ジーン
ジリジリジリ、、、

という音がしていた。

夕飯を食べて、おふろに入って、テレビを見ていたら、気づかぬうちに2階の自室が夏様式。
今年最初のセミの鳴き声に、
また夏が来たことを実感する。

はたしてここは本当に5月の東京なのか、
気づいていないだけで、カーテンを開けたら窓の外は8月の伊豆なのか。

今夜、カーテンは開けずに眠りにつこう。
耳を澄ませて、目を閉じよう。
答えがわかるまで、少しでも長く
どこでもドアを噛み締めていたいから。


もつなべ



最近ハマって、アボカドを1日一個食べているんですが、脂質の取り過ぎではないかと心配になってきました。何事もほどほどに。

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