ああああ

アル中無職

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  • アル中便り

    混濁とシラフのはざまで。

  • ことばと音楽

    文字に即興的な演奏を添えた記録(了)

最近の記事

ないものいらないもの

昨日夢中だったことが今日は何とも感じない。昨日何ともなかったことが今日はキリキリと心をえぐってくる。移り気な意識は何がトリガーになってしまうのやら、とっくに散ってしまったあの日から急発進してくる。いらないものを捨てて捨てて、ここぞというところで新たな武器を手に入れて最強になってきたはずなのに、忘れたころに忘れていた感情に引き戻されて未来を邪魔されている感じがもどかしくも愛おしい。今日まで自分を作ってきたものが好き嫌いとか小さな嘘からできていて、そうやって選んできたものだけで、

    • センチメンタルループ

      なんとなく、これっきりかも。 前触れもなく直観的に感じる瞬間がある。 人の繋がりを留めることは、難しい。 そこには果てしないエネルギーを使う。 凧糸が切れたように全てが終わり、なくなっている。 それも知らないうちに。 喧嘩別れをしたわけではない。 利害関係があり、それが崩れたというものでもない。 ふつうの、何気ないともだち。 最後の瞬間まで、気のおけない存在だったはずの人。 好きか嫌いか、どうでもいいか。 その中でいえば、確実に好きであったから

      • 解帆アルフィーネ 断酒開始~半月

        肝臓がお釈迦になったため、断酒を始めたのが前回の記事。 2023.6.12~で現在半月ちょっと。 「お酒をやめて身体に現れる変化」みたいな記事や動画は、よく見かけるので内容としては目新しいものはないかもだが、いろいろ個人差もあると思うので、ハイパーリアルアル中が語る「酒は飲まなくても死にません」のスタンスで感じたメリット・デメリットなどをどうぞ。 メリット 開始~3日目 ・だるさが消える 常時酒が入っていると身体がだるいのは当たり前なんだが、どちらかというと酒の抜け始

        • Re酒カス顛末書

          原因はわかっていた。 こりゃそのうち死ぬな、 と本能が訴えていたのを見て見ぬふりをしていたが、無職生活復帰祝いに、ようやく本能に従い検査設備のある病院へ。 初診の問診票に当てはまる症状にチェック。 食欲不振、下痢、吐気、全身倦怠感etc… さらに自ら「血液検査をしてほしい」と書き込む。 受付の女性の顔色が心なしかサッと変わり、待合のソファーで(ひん死で)くつろいでいるところに詳細を聞きに来る。 診察室に通され、問診で担当医はおおよその察しはついていたようだが、 血液検

        ないものいらないもの

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          10本
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          5本

        記事

          コーヒーとアリ地獄

          とてつもなく久しぶりの感覚だった。 熱いコーヒーを、こんなにも美味いと感じたのは、一体なんだったのだろう。 嫌いだったわけではない。 ただ、飲み物のチョイスとしてあまりに、 遠い存在になっていたそれは、 なつかしい友に再会したような(いないけど)、 ほろ苦いよりも優しいだけが、シラフのまま一睡もできなかった身体に染みた。 もう朝の6時を回るのに、まだ薄暗い季節が来ていた。 いつもなら出勤前の目醒めの一杯をキメていた時間。 不思議と飲みたい気持ちにならない。 自らの身体を

          コーヒーとアリ地獄

          アル中が無職になるまでの 一瞬の顛末

          終わりはあっけなかった。 20:57 ラインのアカウントを削除のワンプッシュで、全てから解放された。 もうこれで、起き抜けに酒を流し込んで 死体のような身体を引きずって、仕事に行かなくていい毎日が訪れる。 私は自由だ。 いったいどこから歯車が狂ってしまったのだ 2019年12月 その業界自体は長かったが、 入社半年で店長職を拝命した。 期待されての抜擢と言えば聞こえはいいが 退職者が相次ぎ人員不足のための補充人事だった。 右も左もわからない。 売上のプレッシャー。 古

          アル中が無職になるまでの 一瞬の顛末

          述懐

          祖母がなくなって3ヶ月がたった。 もうその家はないとわかっていても どうしてもこの目でたしかめたかった。 歩いて歩いて たどり着いたその場所は 更地などではなかった。 すでに新しい家が建ち 私の知っているその懐かしい場所で 知らない誰かが新たな生活を刻んでいる。 悲しいともさみしいともちがう ただただ不思議な感じだけ。 それ以上でもそれ以下でもないなと その場を去った。 自分が何を期待して いかなる区切りをつけようとして ここに来たのか。 5月のや

          メンヘラおっさんが音楽に救われようとか、さっさとアーメンと思っていた

          大森靖子との出会いは5年前だった。 卒業するはずだった大学を数単位足らずに留年し、唯一自分を肯定できた居場所も同時に失い、自棄になっていた私にその音楽は、これからひとりで生きていく決意を分け与えてくれた。 そして、その音楽はいつしか過去のものとなった。 やがて彼女はメジャーデビューし、勢いあるニューカマーとして音楽シーンを席巻していることを横目で知ってはいた。 私自身は就職してすぐに辞め、音楽活動を始めては辞めるなど、心からクソとしか言えない数年を過ごした。 大森靖

          メンヘラおっさんが音楽に救われようとか、さっさとアーメンと思っていた

          半透明と記号

          誰もいない電車を乗りついで 期待の最大瞬間風速をまとう終着点。 わるい夢をみた朝は清々しい。 泡沫みたいな淡い記憶の無作為な産物として 断片化された身体が体温をとりもどす。 不器用で正直すぎて、破壊でもって生を知り こわいほどあこがれにまっすぐだったあのころ。 波音から無数の旋律が咲いては、 数珠つなぎの泣き笑いに消えた。 夜風がかすかに終わりの匂いをまとわせた日から 季節は反時計回りをはじめていた。 午後の蜃気楼、蝉時雨と歪んだ音色のグラデーション 涙はじけ虹は落ちても、その轟音は鳴り止まない。 いつかは他人になることを知らないみたいに ただそこにあった世界。 遠浅な思考は停止で、あてどない帰り道をいく。 きみはじぶんをつよくもっているから なにもおそれるな そう言った、あの人が見ていた世界は永遠の変拍子。 なにが正しくて、たしかなのか 誰もひとつとして興味がなかった。 雨が上がったら、かえろう。 息がとまるくらいになつかしい場所、 ずっと聞けないままのうたを密かに口ずさみ。 ただいま。 残された遠い夏の足跡は、 この波がついに洗い去ってくれる。 わたしはげんきです。

          半透明と記号

          半透明と記号

          うまれたての自分に帰る夏 「海のふた」

          「大丈夫、海はやさしいよ」 都会からやってきた はじめちゃんが生まれて初めて海で泳ぐシーン。 まりがかける言葉。 そっと身体をあずける。 少しずつ。 ゆっくり。 海と一体化する。 いつもかわらず、ただ波を打つ。 人の感情に寄り添うこともなく、ただ一定のリズムで波打つだけ。 海がやさしいと感じられるのは、 きっと生きる痛みから目を背けない者。 全編を通し、BGMのように鳴り続ける波の音。 それは心地よく、時に残酷にも感じられる。 夏 海 か

          うまれたての自分に帰る夏 「海のふた」

          不器用の作法

          ことばとして発された瞬間 それはもう自分の考えとは違うものだ。 誰しも経験があるでしょうか。 身体のいろんな器官の末端で生成された 無数の叫びが脳に送られ 再生されている。 それを印刷ボタンひとつでプリントアウト できる機能が 人類に搭載されない限り、 芸術その他あらゆる表現活動は この世からなくならないので安泰ですね。 さりとて 世間という一般的な現実社会においては、 何をおいても わかりやすさが好まれるわけで。 感情のアウトプットが乏しい人は

          不器用の作法

          今日も何かに後悔していますか

          さんざん迷って考えぬいた末の決断が結果として失敗だったとわかるのは、 えてしてずっと後になってからであるものだ。 「その時のじぶんはこうだった」 と割り切れるのなら強い。 でも 「あの時、逆の選択をしていれば」 そういう根拠のない後悔が押し寄せて逃れられない時、人は苦しむ。 「あの時、踏みとどまれていたなら」 「もっと人を大事にしていれば」 「自分に素直になれていたら」 ・・・。 がしかし、と考える。 もしあの日の自分に会って何かを伝えられるとして

          今日も何かに後悔していますか

          夜光虫だったころ

          あれもまた ちょうど2月 寒空の下 薄い膜が張られたみたいな 静かな期待と高揚がその夜を導いていた 歩く 受け入れるでもつきはなすでもなく 上書き保存だけで 生き永らえさせてくれる静かな街 夜風が心地よく通過した むかう そこは混沌のパワースポット つぎはぎだらけの精神に射す一縷の感情 そこに見えた 唯一のこたえを信じた 5年後、夜 同じ場所 当たりまえに若すぎた五感は 少しずつずれてあかの他人だった さびてしまったこの身には その小さな箱はすでに異

          夜光虫だったころ

          180305「幻日環」

          いつかみたいな昼下がり 38度3分の体温で燃やした 透明な情熱を おもいだしわらいしていた 残酷なまでのネットのがれきに 死した 聡明な誰かも 遠くない季節の気配をきっとすくいとる白昼夢 おかえり 幼いこどもみたいに ポップな正しさを まとう旅の恥はかき捨て 終焉と衝動の区別もつかないくらいに ぼくら忙しく瞬間に生きた暁 大丈夫です  ここは何者である必要もない現実 なんていびつでいとおしい 時が止まれと願った帰り道

          180305「幻日環」

          180305「幻日環」

          団欒なんて

          団欒という言葉が苦手です。 何なんだ、 あの押しつけがましい響き。 いつからなのだろう。 あの窮屈感 居心地の悪さを みとめるようになったのは。 そしてそのきっかけは。 わからない。 だけどそこには居たくない。 存在しないものとさせてほしい。 皆の笑い声が遠くにきこえる。 父母と弟 という、なんの変哲もない 平凡な4人家族で育った私の このような感情を、 贅沢な、あるいは傲慢な悩みだと 断罪するのは容易だろう。 孤独も苦労も知らないからだ、 と非難されるの

          団欒なんて

          180126 「際限」

          沈黙の銀世界に 推しはかられた夜が届く あそびつかれたあの日みたいに たりない悼みを知った日みたいに きづかぬうちに枯渇したから あとははだしで駆け抜けるだけ 絵画を見るように波形が飛ぶ空 額縁にかざられた写真くらい 意味のないことばをうたいつづけた あこがれつづけた音を浴びたい かかえきれない情熱を あてもなくふりかざした あの日みたいに

          180126 「際限」

          180126 「際限」