見出し画像

解帆アルフィーネ 断酒開始~半月


肝臓がお釈迦になったため、断酒を始めたのが前回の記事。


2023.6.12~で現在半月ちょっと。
「お酒をやめて身体に現れる変化」みたいな記事や動画は、よく見かけるので内容としては目新しいものはないかもだが、いろいろ個人差もあると思うので、ハイパーリアルアル中が語る「酒は飲まなくても死にません」のスタンスで感じたメリット・デメリットなどをどうぞ。


メリット


開始~3日目

・だるさが消える

常時酒が入っていると身体がだるいのは当たり前なんだが、どちらかというと酒の抜け始め~翌日がしんどい。いわゆるアル中特有の離脱症状というやつらしい。その苦しさから抜けるための方法はただ一つ。
酒を飲むことだ。

不思議なことに一口ぐびりといった途端、吐き気もだるさも、まるでモルヒネのように和らぐ。最悪な二日酔い気分から一転して気持ちよくなり、また酒が飲めるぞのトランス状態へ→翌日。
以下無限ループ。

身も心も、アルコールが入っている状態を通常と認識してしまい、酒が抜けていくことを非常時のように勘違いしてしまうという危険な逆転現象が起きてしまっているのだ。
このサイクルの繰り返しで身体にダメージが蓄積されないはずがない。

断酒に入ることによって、無理やりでも一度このループから抜けること。
どこかでリセットする必要がある。
これがある意味一番キツいが、一旦クリアすれば
「身体がだるくないということは、なんてすばらしいのだろうか」
という晴れ晴れとした気分になる。ただマイナスから0に戻っただけなのに、むちゃくちゃ元気になった錯覚におちいる。


・食欲が戻る

飯が食えなくてしんどい、ということが病院に行った要因のかなりを占めていたので、これが改善したのはとにかく大きかった。
原因は結局、肝臓が疲れすぎてキャパ超えしていたにつきるのだが、とにかくお腹が空かない、食べ始めても茶碗1杯も食べられない。
夜まで飲まず食わず(酒は除く)ということもザラだった。酒のカロリーと炭酸で疑似満腹感は得られるが、身体は低栄養状態なのでだるくて当たり前だ。
これに関しては酒を抜いた翌日から実感があり、とにかくご飯がおいしい。
今までなら二日酔いのせいで考えたことすらなかった朝食まで摂り始めたりして、無調整豆乳とバナナを食べただけで、毎朝非常に良い行いをした気になっている。




~1週間

・う〇こに形が戻る
365日土砂災害状態だった腸の調子が見違えるほど良い。
なにより、う〇こという目に見える形で身体の回復を実感できるのがよい。う〇こってそういえば固形だったんだなぁ、と感慨にふけりつつ流すのが惜しいという感情すらわいてくる。


・思考がクリア
頭スッキリきりのすけ。脳の情報解析度が上がる(気がする)


・意欲的になる
頭スッキリ→勝手になんかいろいろやってみたい気になる。

アル中モード時は、毎日汚部屋のベッドに屍のように横たわりながらYoutubeを肴に飲み続けて終わる一日だったのが、
掃除、散歩、音楽...そんな当たり前だけどやる気の起きなかったことに意識が向き始める。

ちなみに音楽は酔っている時も聞くには聞くが、基本的に好きな曲しか聞かないし変にハイになったり電車で急に泣き出したり気がついたら知らないライブハウスに居たりなど、危ない方向にシフトしがちだったのがなくなり、健全な「趣味:音楽鑑賞」に戻った。酒のみながら聞く音楽もそれはそれで最高だが、近所の公園をゆったり歩きながら聞く音楽もまた風流である。
これは身体がラクになったからこそできることでもある。

音楽熱が急に上がったせいで、勢いでヘッドホンと部屋のスピーカーを新調してしまい無職なのに出費がかさむハメになったうえ、楽器の趣味まで復活して何年ぶりにか機材まで揃えようとしだしているのをギリギリ踏みとどまっている。



2週目~現在

・自力で寝られるようになる

今まで寝るという行為=言うまでもなく、酒でブラックアウト。
もしくは少し抜けてからの入眠剤でおやすみなさいの二択だった。
断酒に入り最初はやはり、入眠剤なしで寝られるわけないやろ状態。
眠くても寝られない。

これに関しては仕方ないと割り切っていたが、気が向いた時にだけ行っている心療内科でもらっている入眠剤の在庫が切れかけているからケチりたいという理由で、できるだけ飲まずにいこうというスタンスに変えた結果、少しずつなしでも寝られるようになってきた。
よくわからないが、身体が慣れてきたのだろうということにしている。
寝酒をやめると睡眠の質が良くなるとかいうけど、それはわからん。


デメリット



・抑うつ状態、イライラ

これもアル中あるあるだが、逆に言えばアル中とはそういう感情を酒でしか追いやることができない生き物なので、酒を失えばそういった面が強く出てくるのは当然のこと。軽重の程度は人それぞれだが、ここを乗り越えられずにスリップ(再飲酒)してしまうのがほとんどのパターンであろう。
ちなみにアルコール依存症患者の4割くらいは、うつ病の既往歴または罹患中と言われる。
他にも幻覚や幻聴といった離脱症状が出る人もいるそうだが、自分の場合はそこまでいったことがないので、そういう人は大変だろうなという感想しかない。


ということで上に書いてきたようなメリットをいかに実感し享受していけるかがアルコール依存症脱出の第一歩なのだろう。

これまでさんざん断酒失敗を繰り返してきた私が今回約半月経過し、圧倒的にメリットの方が多いと感じている現状、今まででいちばん辛くない不思議な断酒の経過レポート。(つづく)