きゅう

髪の毛はいつもちょっとはね気味 44

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4月を振り返る

 全く新しい場所での一か月は、とても長く感じる。高校を卒業したのがもう半年くらい前なんじゃないかと思うくらいだ。たった一か月と言ってしまえばそうなんだけれど、とりあえず、一か月元気に生き延びた自分に拍手をしようと思う。えらい!  最初の1週間とちょっとは、ガイダンスやらプレイスメントテストやら健康診断やらで少しも大学っぽくはなかったが、新学期感はあった。初日のガイダンスは、事前に応募していた新入生スタッフとして、自分のガイダンスに行きつつ誘導や資料配布のお手伝いをした。高校

    • 私の家

       明日で引っ越してちょうど二週間になる。一人暮らしは快適だ。好きな食べ物を好きなだけ食べられるし、部屋が散らかっても怒られない。帰る時間も気にしなくていい。決して広い部屋ではないけど、お気に入りの家具や本を並べて、心地よい空間だ。  今日は大学で遅くまで用事があって、帰り道は真っ暗だった。帰り道を歩いていて突然、家に帰りたくなった。今住んでいるこの部屋ではなく、家族がいる家。ここはhouseで、homeにはならない。  私の家は、毎朝妹と洗面台を取り合うあの家。遅く帰った

      • 幼馴染

         私には幼馴染がいる。保育園の年長の時に今の家に引っ越したのだが、彼女の家は私の家の三軒隣だった。友だちになってもう12年くらい経つ。登下校はもちろん、習い事のそろばんも一緒。休みの日には、午前9時を過ぎたらインターホンを鳴らしてもいいよと言われていたので、9時になった瞬間玄関を飛び出して彼女の家に走るのがお決まりだった。お互いの家に泊まることもよくあった。友だちというより、家族のような存在である。 (あ、私のnote、教えてたっけな。もしこれを読んでいたら、まあこの前の手紙

        • またね。

           今日、高校を卒業した。  私がこの高校を選んだ理由は、中1の時親に連れられて行った学校説明会の帰り道、「私は高校生になったらここに来る」と思ったことだけだった。何の根拠もなくただそう思って、中3になって母に「受験校どうする?」と聞かれるまで、受験しなければ入学できないことすら忘れていた。この時の私の思考回路は、今考えても謎である。  1年生の時の記憶は、正直あまりない。コロナで必要最低限の高校生活しか送れなかったからか、新しい環境に慣れるので精一杯だったからか、あるいは

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        記事

          キセキ

           今日は学祭最終日だった。  最終日の最後のイベントは後夜祭。そしてその最後の演目、つまり最後の最後の最後は、3年生の後夜祭出演者とスタッフによる「To You」がある。みんなで並んでGReeeeNの「キセキ」を歌う伝統的イベントだ(少なくとも、私が知る限りでは)。だから、今日はこのタイトルで何か書くことを決めていた。  今年はスタッフの仕事もなく、出演もなく、ひとりの観客として後夜祭を楽しんだ。団体名や曲名や必要機材を書いたマニュアルももらわなかったから、「次は何が来る

          名前

           私の名前には特に意味はない。命名の理由は、親がある漢字を使いたかったことと、生まれた季節だ。小学生の頃は、それを寂しく思ったことも、他の名前がいいと思ったこともないけど、なんというか、自分の名前にこれといった思い入れがなかった。  それが変わったのは、アメリカに行ってからのことだ。私の名前は英語話者にとっては発音しにくいので、無理やり英語の名前の読み方をして、違う名前で呼ばれていた。一年間それがスタンダードで過ごしたのだが、6年生の担任の先生は初日に  「あなたの名前は

          私の最高で可哀そうな青春

           今日は始業式だった。いつも通りの式はすぐに終わって、あっけなく3年生の幕が開けた。前と違うところといえば、マスクの着用が任意になったことと、校歌を声を出して歌えるようになったことくらいだろうか。  式典での校長先生の話は、元社会科の先生ということもあってか、世界の問題や偉人、あるいは歴史、倫理、政治経済などの授業に出てくることがトピックになる。例えば、古代ギリシアの愛の種類とか、第二次世界大戦中のホロコーストとか。朝一番に聞くにはちょっと重すぎる話もある。  話の内容は

          私の最高で可哀そうな青春

          御岳・奥多摩一人旅

           今日は、春休み最後の、一日全く予定がない日だった。家でダラダラしていてもいいけど、どうせなら「休みらしい」ことがしたい。だから、青梅線に乗って更に西、奥多摩の方へ行ってみることにした。  まず向かうのは青梅駅。ここで奥多摩行きの電車に乗り換える。青梅線の遅延の影響で乗り換え時間がとても短かった上に、青梅〜奥多摩間は4両編成だったことを忘れていてかなり焦った。この電車を逃したら、あと一時間電車がなかったのだ。  青梅駅を出発してすぐは、青梅駅周辺と大した風景の差はなかった

          御岳・奥多摩一人旅

          3年生

           今は3月31日23時20分。書き終わる頃には明日になっているだろうか。あと40分で日付は4月1日に変わる。そうしたら私は、高校3年生だ。  中学3年生のときは、自分の環境では刺激が物足りなくて、外へ飛び出したくて仕方がなかった。だから、高校の入学式の日の私は、今の私はもっとかっこよくて大人になっていると思っていた。勉強ができて、受験は順調で、後輩から頼られるクールな先輩。ついでに恋人なんかもいたりしちゃって、青春を謳歌している、なんて妄想。うーん、我ながら恥ずかしいな。

          電車の席と、ヘルプマークと、スーツの人

           今日は遊びに行く予定があって電車に乗っていた。乗ったときはかなり空いていて、端っこを選んで座れるくらいだったのだけど、何駅も行かずに人は増えて、虫食いだった空席は全て埋まってしまった。  しばらくして、ヘルプマークをトートバッグにつけた女性が乗ってきて、私の近くのドアの前に立った。「あっ、席譲ろう」と思ったはいいものの、臆病が悪さして「次の駅で降りるかもしれないし」と、声をかけられずにいた。ちょうど次の駅は割と大きな乗換駅だったのも「次の駅で降りる説」を補強してしまって運

          電車の席と、ヘルプマークと、スーツの人

          卒業式

           月曜日は卒業ライブ、昨日は卒業式。流れで卒業パーティーも行ったから、私が卒業するような気分になってしまった。あと一年あります。なんなら明日登校日です。テストが返ってきます。  私はオーケストラ部のメンバーとして卒業式に出席した。楽器はトロンボーン。トロンボーンは、私の学校のオーケストラ部の管楽器で一番低い音で、吹くリズムは華々しくはなくてもみんなを支えるベースだ。同じ楽器を吹く人は他にはいない。他の管楽器やたくさんいる弦楽器に負けじと一生懸命吹いた。  入場は、ユダス・

          私はことばが好き。あなたは?

           私は言語学が大好きで、本を読んだり勉強もしたりするから、「興味がある分野がわかっててすごいね」とよく言われる。でも実際はいつも難しいことを考えているのではない。だから私が何を考えているのか、書いてみることにした。  日本語では温度で「水」と「湯」を分けるのに対して、英語は「water(水)」と「hot water(温かい水)」と、湯はあくまで水の温かいバージョンという話がある。この具体例が表すのは、言語によってどこからどこまでを同じものとするかが違うということだ。  例

          私はことばが好き。あなたは?

          名前を変えました。

          今まで「🐸」という名前であれやこれや書いていましたが、名前を変えました。これからは「きゅう」という名前で書きます。由来は単純で、きゅうりが大好きなのできゅう、です。 名前を変えた理由ですが、主に二つあって、一つは真面目な文章を書いているときに名前を書きにくいことです。少しかっこつけて書いているときもあるのに、なんというか、急に🐸が出てきたらちょっと雰囲気崩れちゃうなと思ったんです。もう一つの理由は、noteを始めてしばらく経ちますが、あまり絵文字の名前を見ないことです(私感

          名前を変えました。

          成長

           身長が伸びていることに自分で気がつくのは難しい。それと同じくらい、学力の伸びに気がつくのも難しい。  私は小学生のときから算数や数学が得意だった。得意だったし、好きだったと思う。苦手分野はあったけど、それでもやったらできたから楽しかった覚えがある。  さて、高校に来たらどうだ。授業を聞いたらわかるし、問題集の問題も解ける。でもテストで点が取れない!おかしい、私は数学ができるはずだった。これはどういうことだろう。幸いにも意欲と負けず嫌いな性格のおかげで諦めはしなかったけど

          春休み、何しよう?

           明日から期末試験週間なのだが、それが意味することとはすなわち、あと五日経てば(実質)春休みということである。(実質)と書いたのは、試験が終わってから終業式までの間は試験休み、終業式後からが春休みだからなのだが、まあ休みは休みだ。春休み、何をしようか。  現実的な話私は受験生なわけで、勉強のタスクが山積みである。春休み明けの初回の数学の授業ではテストがあるし、二年生の間一度も触らなかった生物基礎の授業が再開するから復習もしなければならない。苦手な国語の対策もして…あ、数1A

          春休み、何しよう?

          優しくなくなったね

           私は、自分で言うのも変なんだが、優しかった。とてつもなく。人の文句は一言も言わないで、誰にでもいいところを見つけようと努力する人だった。来る者は拒まずにすべて受け入れる、そんな私がいた。そして私はそんな自分が好きだった。  この「優しさ」というものは、自己犠牲と表裏一体である。ボランティアなのだ。ギブ・アンド・テイクが成り立っていない「優しさ」なのに、私は相手の笑顔で満足していた。私の少しの行動で誰かを喜ばせられる、それ以上に幸せなことはないと、少し前の私なら自信を持って

          優しくなくなったね