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七夕祭り


私がこの世に放されし時から

未来は決められていたんだね

だからこそ

何かを諦める事も許され


必然的に流され


ゆらりゆらりと
冷たい揺り籠の中で
揺られていたんでしょ?


真っ暗で何も無い
静かな海に浮かぶ様…


声を潜め…1人きり…
ただただ…
辿り着く岸壁が
見えるその時を待って…


運命の時はゆっくりと
でも確実に
全ての者を嘲笑いながら
近付いていた
私にくだされし宿命は
誰にも変える事など
出来なかったんだ


私でさえ
委ねた未来図へ敷かれた
破滅行きのレールに沿って
歩いて来ただけだったから…


うっすらと目の前に
終着点の岸壁が見えた時
私は未完のまま
待ちわびた空をやっと
見上げる事が出来た


ただ予想を覆す程の
綺麗な七夕の星の輝きが
罪だなんて思えず…


待ちわびた初めて見る
空一面から私を照らす
眩しくて妖艶な
光に抱かれ


忘れかけていた
安堵感にも似た楽園で
優しい罰に奮えながら
その美しさに
魅せられていた…


ただ美しすぎたから





随分昔、未成年の頃に犯罪を犯して服役を終えたという女性に代筆を依頼されて彼女の当時の気持ちを作詞と言う形に残した作品です。


彼女の家庭は複雑だった様で、同じ親のもとに生まれた兄妹関係にも差別と呼べるくらいの格差があり幼少期から蓄積され、抱えきれなくなった憎しみや悔しさ、そして言葉にすら出来ない幾重にも重なった悲しみの叫びがある日普通の少女を犯罪者に変えました。



家族が寝静まるのを待って自宅に放火、その自分が火を放った燃え盛る家を少し離れた庭の隅から眺めていたそうです。どういう気持ちだったのか彼女の気持ちに寄り添いながら書かせて頂きました。きっとこの女の子ならばもう二度と犯罪を繰り返す事はないだろうとお話をさせてもらった私は悟ったのを記憶しております。


犯罪者、加害者目線の作品をお届けします。

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