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郷愁ともつかぬものたち
音もなく春が近づいてきて、頭の隅にもひかりが射すのか、日常のふとしたときに昔を思い出すことが増えた。
例えば幼いころ、保育園の帰りに、母に手を引かれて何度となく通ったパン屋のにおい。焼き立てじゃないけれど、ずっとその空間に染みついて離れない、やさしくあまい小麦粉のにおい。わたしが食べるのはいつもあんバターサンドと決まっていて、母はよくハムチーズサンドを食べていた。わたしは買ったパンを持ちたがるけ
2020.07.24
2020.7.24 日和くんのお誕生日に寄せたファンレターのような、感情の吐露です。
※一部にストーリーのネタバレ等含みます
わたしが巴日和くんに出会ったのは、彼がこの世界にやってきたのとほとんど同時だった。つまり、2017年7月7日、7が3つ並ぶ縁起の良い日に突如現れたあなたという太陽をわたしはリアルタイムで目撃し、ついにきた!と思ったのだった。
わたしはそれまでずっと惰性であんさんぶるス
〈セックスに似ているけれどセックスぢゃないさ僕らのこんな行為は〉歌集『メタリック』のこと
わたしは短歌がすき、だけど短歌のことはほとんど何も知識がない。大学時代の論文テーマは寺山修司の歌集と映画の比較研究だったけど、ほぼ寺山の短歌しか追いかけてなかったし、同じゼミのかわいいおんなのこと、不倫するおんなはありえないけど俵万智のよむ歌はたまんないのが不思議だよね〜って言いながら『チョコレート革命』や『風のてのひら』を読んで語らっていたぐらいしか思い出がない。
大学の授業のなかであった、短