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企業分析をしたら、ライターとして大切なことに気付いた話

牛歩並みではあるが、フリーライターとして働くための準備を進めている。

フリーライターになりたい! という目標はここ数年ずっと抱いていたのだが、いざ自分次第でそうなれる環境にあるという身になってしまうと、こんなんで大丈夫なのか……と自信喪失してしまう出来事も多く、そのたびに「いや、ちょっとずつでもちゃんとやれば大丈夫」と言い聞かせて今に至る。

名刺とホームページの作成、クラウドソーシング案件への応募、ポートフォリオの作成……と、焦ってしまいがちな自分をできるだけ冷静に保つようにし、脳内を整理して優先順位をつけながら諸々を進めている。まだお金を稼いではいない身なのでただの無職なのだが、すでにフリーランスで活躍している人たちはこういうのも含めて全部自分で決断して進めているのだなぁと思うと、改めてフリーランスという働き方の自由さと裁量に感心してしまった。すごい。そしてその自由さや裁量を良い方向にするのか、悪い方向に持っていってしまうのか、というのも自分次第、というのがやっぱり面白そうでもあり、怖くもあり、というのが正直な感想だ。

現在作成しているポートフォリオや企画書も締切を設けて作成を進めているのだが、知り合いのツテで1件、話を聞いてもらえる機会をゲットした。まだ何もできていない状態だからか、とても緊張している。いや、きっと名刺とポートフォリオと企画書が完成した状態になっても、吐きそうなほど緊張し続けているだろう。それは、せっかく繋いでくれた知り合いの顔を潰したくないという思いと、私自身、まだライターとしての実績はほぼ0に等しいので、自信のなさからくるものだと思われる。

それでも、非常に貴重な機会である。ご縁が繋がらなかったとしても、できるだけのことはやってお会いしたい。私は就活でもやったことがなかった「企業研究」というものをやってみることにした。

そもそも、私はまともに就活をしたことがなかった。
4年制大学を卒業するタイミングで就職はしなかったし、転職する時も、前職のつながりでヌルっと入社してしまったので、就職活動において特に力を入れて対策をした記憶がない。面接を受ける会社に入りたくなかったのか、と言われるとそんなことはなかったのだが、しいて挙げるならホームページを見たくらいだろうか。

でも、今の私にそんな余裕をかましている暇はない。何か作業をするか、何か調べるか、何か分析するか。とにかく将来に向けて「何か」をずっとしていないといけない。息抜きでゲームをしている暇など、ないはずなのだ(こっそりしてるけど)。

先日、話を聞いてもらえる日程が決まったので、急いで図書館に向かった。その出版社が出している雑誌を片っ端から読み込んで分析するためだ。図書館ならバックナンバーもあるし、座ってじっくり読み込める。必要なことはメモもとれる。
私はノートとペンを携えて、図書館へと車を走らせた。


雑誌というのは、本と違って最初から最後まで、隅々を読む人はそう多くないと思う。自分の気になるところを読んで、あとは読まないか、読んでも軽く流し読みする程度だろう。私も今までそういう読み方をしていた。

しかし、今回雑誌を読む目的は違う。「企業研究」のためだ。

この雑誌のコンセプト、ターゲット層、文体など、どういう特徴があるのか。同社・他社含めてどういう差別化を図っているのか。贔屓にしているライターはいるのか。いるならば、その人たちは他にどういうところで活躍しているのだろうか。私を売り込むにはどうすればいいのか。

じっくり読み込んだら、1冊を隅々まで読み終えるのに2時間半もかかっていた。失礼かもしれないが、雑誌を読むのにそんなに時間がかかったことはない。しっかり読み込めば、こんなにも情報量に溢れているのだと思った。
そして、関わっている人の多さにも驚いた。業界的に多いのか少ないのか、その基準は私にはわからないが、少なくとも想像していたよりは多かった。とったメモは、A4ノートの見開きいっぱいに、みっちりと書かれていた。
その後もバックナンバーを読み、夕方には切り上げて帰宅した。

企業研究のやり方が、これが正しいのかわからない。これだけではきっとダメだし、メモしたことでもっと深く調べたり、自分に置き換えたり、やらなければいけないことがたくさんあることもわかっている。

やり方が合っているかどうかはわからないけれど、初めて企業研究をやってみてわかったことが1つある。それは「どれだけその企業に興味を持っているか」ということだ。

当たり前のことかもしれないが、これが1番大事なんだろうなと思う。
勉強のためにいろんなライターさんの取材記事を読んだり、テレビのインタビューを見たりしているのだが、良いと言われるインタビュアーの人は、必ず相手(インタビュイー)を主役に立てている。意図的にそう見えるようにしている人もいるとは思うが、読んだり見たりしていると、インタビュアーのほとんどは「インタビュイーに興味があるから、どんどん質問したくなるし、話を聞いている」という印象を受けることが多い。そうでないライターさんのインタビューは、どこか「私は」や「私が」というエピソードが入ってきていて、相手が最大限に引き立ってない印象を受けた。そしてライターさんに対してそういう印象を受けたインタビュイーの受け答えは、なんだか歯切れも悪そうに見える。

素人の私が偉そうに、とか、何がわかるんだ、と思われるかもしれないが、素人の私にそう思われるのもどうなのか、とも思うのだ。


企業研究だけをしていたつもりだったが、ライターとして必要な心構えのようなものも、その雑誌から学べた気がする。今日読めなかったバックナンバーはまだまだあるから、また来週図書館へ繰り出してみよう。

まだまだやることはいっぱいだ。
フリーライターへの道のりは長い。


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