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読書日記

23
日記本や本を読んだ時の日記です。
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2020年4月の記事一覧

4/23

【16日目】
ゆかりさんの病院へ付き添うため、2週間ぶりに電車に乗る。銀行でお金も下ろしていないので、財布には20円しか入っていなかった。少し恥ずかしい気分になる。ゆかりさんにお金をもらい電車に乗る。2週間で近所のスーパーとニュースは変わってしまった。それでも電車は変わらず、記憶の中より、窓が大きく開いているなと思った。
誰もいない電車かと思ったが、何人かは電車に乗っている人がいて、この人たちは何

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4/19

【12日目】
外に出てみると、近くのスーパーは入場制限をしていて、少し遠くのスーパーのレジの行列は見たことがないほど長く連なっていた。家に帰るまでにあるコンビニで買い物をして帰ることにする。
青空が広がっているかと思ったら遠くでは厚い雲が見える。昨日が大雨だったからか、青空だったからか、外にも人がいて、公園の方角からは子供の声が聞こえている。ほぼいつもの日曜日。見えない空気が怖いので早歩きになって

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4/18

【11日目】
最近うまく眠れない。前まではこんなことなかったのに。仕事よりもコロナの不安の方がストレスになっているのかもしれない。起きてすぐ、変な夢を見た気がすると思うのに覚えていない。
雨の音が聞こえる。シャワーを浴びているときに聞こえる音なので、どれほどの雨が降っているのだろうと窓の外を見る。風と雨が窓をたたき、空気が溢れ出しそうだった。カーテンを閉めてまた眠ろうとする。
しばらく眠れない。そ

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4/17

【10日目】
情報が嫌になってスマホを隣の部屋に置いて過ごすことにする。全国民に10万円を支給だとか、電子マネーだとか、なんでそうなるのだろう、いやわかるんだけど、みたいに考えたくなくて情報を遮断する。考える時は考える時間だけにしようと思う。四六時中情報を浴びても出てくる答えや考えはほぼ同じ。
お昼にゆかりさんと散歩に出かけるが、スーパーには人が溢れているのでなにも買わず、30分ほど外に出る。渋谷

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4/16

【9日目】
何度も夜中に目が覚めるようになってしまった。何が原因かは不明。起きては加湿器の電源ボタンの緑色に暗く染まった天井を見つめて、いまが現実かどうかを実感しようとしているうちにまた眠る。そして起きる。横にいるゆかりさんが寝言で「違う…うう…」と言っているのを聞く。返事はしない。寝言に返事をしてはいけないと知ったのは漫画だったか映画だったか。同じく夢日記もつけてはいけないも知った気がする。何で

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4/15

【8日目】
昨日日記を書いた後から村井理子『兄の終い』を読む。一気読みしてしまうと聞いていたが、ページをめくる手が止まらなかった。ゆかりさんが横に寝ているのに、起きて本棚のある部屋の電気をつけて写真を撮ってTwitterを更新した。
兄が亡くなって残された元妻、息子と私(妹)の5日間のドキュメントなのだが、終始泣きそうになりながら読んでいた。淡々と行動については書かれているのに、兄べの感情は濃く書

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4/11

【4日目】
少し肌寒い。なんとなく久々にお酒を飲みたくなった。逃げたいのかもしれない。ただ誰かとというわけではなく、つまみが食べたいだけなのかも。飲む相手はいない。悲しくて左目はずっと涙目。嘘。ものもらいのせい。しかし痛みのピークを過ぎたようだ。
ばんかおり「どこにもいかない、ここにある」を読み終わる。これば日記を読む醍醐味というか、他人の生活を読むことができる興味深さがあった。育児や生活に悩み、

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4/10

【3日目】
昨日早くに寝てしまい、4時に一度起きてしまう。昨日は自宅書店をやって楽しい気持ちだったが、今日は何をしようか。このタイミングで左目が腫れてしまったので、休む日でも良いのかもしれない。
今日は目が腫れているのでまだ朝から文章を書くことをせず、本を読む。
丹下健太「青色讃歌」を読む。何回目かの再読。ゼロ年代の後半あたりにダメ男文学というか、自分を探していないけどまあ闇雲にならず、流れるまま

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4/9

【2日目】

寝過ぎた。
朝起きて1時間くらい文章を書く。誰にも見せる予定はない。その間ゆかりさんはホットケーキを作っていた。出来上がったらしいので、一緒に食べる。コロナの給付についてテレビでやっているので凝視。
食べ終わるとゆかりさんは料理を再びし始めたので、僕はツイストダンスを踊る。上手く踊れるので前世はプレスリーだったのかもしれない。ただ体力がなくすぐ息が切れる。その姿を見てゆかりさんが

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4/8

【1日目】

朝。特に変わりはない。鳥の声が遠くに聞こえる。少しずつ春が来ているのがわかる。いつのまにか部屋着も薄くなり、布団の数も減っている。
気づかない間に、時間は進んでいく。緊急事態宣言後の朝でもなにも変わっていないようで、僕は燃えないゴミを捨てる。いつものように外には出社するために歩いている人がいた。
テレビを見れば特に昨日と変わらず間隔をあけて立って話している。カーテンを開けて窓を開

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4/7

4/7

仕事へ。緊急事態宣言でどうなるのかは昨日休みのせいでよくわかっていない。
外に出ると、ふつうに仕事へ行く人がいる。僕も同じ。たくさんの人ととすれ違う。すると、一人が僕の顔を見て、何かを思い出したような表情で歩いていた道を小走りで戻り始めた。なにを忘れたのだろう。僕の顔で思い出すものはなんだろう。
電車の中には普段通りの人がいて普段通り駅に着く。
この曖昧でそれでいて重たい不安を共有で

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4/6

4/6

朝起きてゴミ捨てをする。1日外に出なかっただけで太陽が久々に感じる。
逃避なのか、家にいるだけでも疲れるのか昨日すぐに寝てしまった。起きたら緊急事態宣言を検討するとかどうとか。ニュースを見ていてもこたえは出ない。不安と謎だけが残る。
予約した洗濯機が動き出した。
読んでいた柴崎友香『わたしがいなかった街で』を読み進める。柴崎友香さんの小説はまるで自分が登場人物になったかのように読んで

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4/4

4/4

不要不急の外出は禁止と言われても、外に出る人がいて僕も仕事で出かける。
誰かがウイルスとの戦争だと言っていた。誰が言っていたのだろう。えらい人かTwitterの人か。言葉は意識していないとすぐに流れていく。誰の言葉かわからない言葉だけが残っている。
電車に乗りながら海野十三『海野十三敗戦日記』を読む。柴崎友香『わたしがいなかった街で』で登場人物が読んでいた日記だ。日記を読み、駅に停ま

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4/3

4/3

起きて歯を磨きながら今日読む日記を選ぶ。そういえば最近本を作ることがしたいんだよなあと思って先日買った笠井瑠美子「日日是製本」を選ぶ。
本を作るとはということに最近興味があるのだけれど、どう作るのかとかは全く想像できず、そういう本はないのかなと思い、先日「本を贈る」を注文した。それ以外にはないのかと、歯を磨きながら本棚を見ていると「本のエンドロール」があり、過去の自分に感謝をした。こ

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