4/16

【9日目】
何度も夜中に目が覚めるようになってしまった。何が原因かは不明。起きては加湿器の電源ボタンの緑色に暗く染まった天井を見つめて、いまが現実かどうかを実感しようとしているうちにまた眠る。そして起きる。横にいるゆかりさんが寝言で「違う…うう…」と言っているのを聞く。返事はしない。寝言に返事をしてはいけないと知ったのは漫画だったか映画だったか。同じく夢日記もつけてはいけないも知った気がする。何でかわからない。しばらく起きていたゆかりさんのアラームが鳴る。
ゆっくりと起き出すゆかりさんは動物園の動物のような動き。準備をしているのを眠りとの狭間で見る。
ゆかりさんが朝ご飯の準備を始めたので、起きてダイニングテーブルに座る。ダイニングテーブルがあると座ることができる。ゆかりさんは朝ご飯を食べ、僕はそれをじっと見つめる。朝ご飯を食べたゆかりさんは、小さく早く起きすぎたと言ってまた布団に戻っていった。僕はしばらくダイニングテーブルに留まる。もっと早く買えばよかった。組み立てとか圧迫感とか考えず、新しいものを向かい入れてやればよかった。変化は必要なのかもしれない。しばらくするとゆかりさんが起き出して、行ってきますと仕事へ行く。本当は行かないでほしい。ただ行かないと生活が回らない。申し訳ない気持ちで手ピカジェルを差し出す。たぶん職場にもあるよ、と言うので戻す。
出かけたゆかりさんを見おくり、ラジオを聞きながら本を読む。小林キユウ・小林ゆき「ハネムーン・ゾンビ」を読む。正確にいえば日記本ではないが、結婚してからの話が書かれている。主に場所について書かれている。結婚して一緒にいる。その二つが移動をし料理を食べる。なんとなく当たり前だけど、当たり前に思えない。読み途中で本を閉じる。夫婦の本だからか、しおりの紐が2本。色違いである。
近所のスーパーへ行く。すごい人だ。スーパーの周りに自転車が大量に置かれている。中には通るのが億劫になるほどの人がいて、すぐに買うものを選びレジに並ぶ。
レジまで等間隔で離れて列になっている。どこまでも続く列は等間隔のせいだけではなく、並んでいる人自体も多い。並んでいると、後ろの人がせっかちなのか、僕のすぐ後ろに並んで不快。
20分ほど並んで早歩きで帰宅。通勤なんかよりこっちの方が危ない気がした。気をつけよう。
帰宅してご飯を食べる。食べ終わってぼーっと天井を見る。なんとなくTwitterは癒しや発見のためにやってるんだなあと思っていると、昔からの仲の良い友人からLINEが来て通話をする。何も内容のあるようなことを話しているわけではないのに、とても癒された。久々の会話なのに仲良かった時を一瞬で思い出す。あっという間に1時間話してしまう。
ご飯の準備をしつつお風呂掃除もする。少しずつ掃除する箇所を増やしていく。掃除を終えて、ダイニングテーブルに座るくまの写真を撮ってひとり遊びをする。
ゆかりさんが帰宅してきたので2人で天津飯を食べる。久々に作った天津飯はお酢が強い。身体が柔らかくなってほしいという無意識からかもしれない。
ストレッチをしてみる。少し柔らかくなった気がした。そしてまた小林キユウ・小林ゆき「ハネムーン・ゾンビ」の続きを読む。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?