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【10日目】
情報が嫌になってスマホを隣の部屋に置いて過ごすことにする。全国民に10万円を支給だとか、電子マネーだとか、なんでそうなるのだろう、いやわかるんだけど、みたいに考えたくなくて情報を遮断する。考える時は考える時間だけにしようと思う。四六時中情報を浴びても出てくる答えや考えはほぼ同じ。
お昼にゆかりさんと散歩に出かけるが、スーパーには人が溢れているのでなにも買わず、30分ほど外に出る。渋谷は新宿は人が少ないらしいのに、近所には人が多い。
外に出るのも怖くなってくる。
帰宅してお昼ご飯を食べる。今日は2人別々のメニュー。食べ終わって、小林キユウ・小林ゆき「ハネムーン・ゾンビ」を読み終わり、次は伊藤たかみ「誰かと暮らすということ」を読む。一緒にいることとはどういうことの繋がり。数珠つなぎ読書。
薄い文庫本なのですぐに読み終わる。誰かと暮らすということより、一緒にいることのまなざしや孤独についての短編集だった。僕とゆかりさんはどうやって暮らしているだろう。ゆかりさんは朝からずっと、今日はコナンくんがあるんだよなあと浮かれている。ゆかりさんはサスペンスが好きみたい。誰かと一緒にいるということは誰かを知っていくということに近いのかもしれない。「誰かと暮らすということ」でも短編ごとに登場人物の距離が近くなっていった。住んでいる場所が変わっていくように、人と人の関係性も変わっていく。会話がなくても通じることはあるし、察することもできる。
読み終わって夜ご飯を食べる。ダイニングテーブルに向かい合わせに座る。これが一緒にいる距離なのかもしれない。一番近い他人。一緒に暮らすことができる他人。小説を読んでなんとなく距離を考える。
晩ご飯が終わると、コナンの始まる時間になり、ゆかりさんはコナンコナンと言いながらテレビの前に。僕もコナンコナンとは言わずテレビの前に。


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