松浦知史@鍼灸師

鍼灸師として成長したい方に向けて思考法やフレームワークを中心に情報を発信しています。大…

松浦知史@鍼灸師

鍼灸師として成長したい方に向けて思考法やフレームワークを中心に情報を発信しています。大学主席卒。卒後研修を経て大学病院やクリニックに勤務。埼玉医科大学研究員などを経て開業35年の鍼灸院の副院長。ホームページ:https://www.toyo-matsuura.com/

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私が鍼灸師になった理由

 こんにちは。改めまして自己紹介させていただきます。  大慈松浦鍼灸院および神保町十河医院附属鍼灸院の副院長として鍼灸臨床に携わっています松浦知史(まつうらさとし)と申します。  車と腕時計が大好きな29歳で11月にはついに30歳を迎えます。鍼灸師歴は8年目となります。保有している車はアウディQ3スポーツバックで、腕時計はロレックスのチェリーニとグランドセイコー、IWCのトップガンです。  26歳のときに一戸建ての注文住宅を購入し、27歳のときに男の子、そして29歳で女

    • #2.鍼灸院経営術(患者応接の秘訣)

      はじめに 鍼灸臨床で極めて重要な役割を果たす「患者応接」について教育機関で学ぶ機会は少ないのが現状です。  成功している鍼灸師は当たり前のように「患者応接」を実践しており、学ぶべき点がいくつもあります。患者応接の秘訣とは一体なんなのか考えていきます。 1.応接の秘訣は言語と動作にあり(1)身だしなみに関すること ・身だしなみを整え患者さんに不快感を与えない  人間の抱く第一印象は、身だしなみが深くかかわっていると指摘する研究があります。アメリカの心理学者アルバート・メラビ

      • #1.鍼灸院経営術(導入編)

         一般的に鍼灸院の経営は鍼灸師が行います。しかし、その経営方法に関することを教育機関では学ぶ機会は少ないのが現状です。卒業後も学会やセミナーなどで取り扱われる内容は、技術的方面の一部のみで、鍼灸院経営に関するものは少ないです。  鍼灸院の開業を考え始めて鍼灸院経営に関することを初めて学ぶ人が多いのではないでしょうか?鍼灸院経営にはマニュアルや攻略本もないので、開業を考えている鍼灸師であればいずれかは向き合わなければなりません。そのためには鍼灸や鍼灸師への理解と鍼灸院経営につい

        • 慢性疾患を抱えている患者の治療意欲を引き出す動機付け面接/型が身につく鍼灸臨床(応用編)

           鍼灸治療は継続して治療をしていても目に見える変化が出るには時間がかかる場合が多く、結果として患者さんは治療意欲を持ちにくく、通院を中断してしまうことがあります。たとえ対象とする疾患や症状に対して鍼灸が有効な治療法であったとしても、その治療を継続すべき患者さんのアドヒアランス低下がアウトカムに影響を及ぼす可能性があります。私は慢性疾患を抱えている患者さんの治療意欲引き出すための動機付け面接として、以下の3点を意識しています。 治療意欲を引き出す動機付け面接の意識すべき3点

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        私が鍼灸師になった理由

          慢性疼痛に対する鍼灸治療/今後の多施設共同研究に向けてのUpdateを目的に

          はじめに 2021年6月に『慢性疼痛診療ガイドライン』が発刊され、ここには鍼灸の記載があります。今回から新たに「統合医療」の章が加えられ、「鍼灸治療は慢性疼痛に有用か?」というクリニカル・クエスチョン(CQ)が設けられました。推奨度は2(弱):施行することを弱く推奨する(提案する)、エビデンス総体の総括はC(低い)です。EBMの実践において鍼灸という選択肢が目に見えるところに現れたという意味で一歩前進と言えます。  これまで原因不明の肩痛、腰痛、膝痛といった筋骨格系の痛みは

          慢性疼痛に対する鍼灸治療/今後の多施設共同研究に向けてのUpdateを目的に

          鍼灸における「メディア戦略」を考える

           以前よりテレビや雑誌、新聞などの媒介で鍼灸が多く取り扱われるようになったと思いませんか?  現代において教育プログラムやマスメディアを通して、物事に対するイメージというものは、以前より容易に変わり得る可能性が指摘されています。  中田氏の報告によると、「日本の5大新聞(朝日、毎日、読売、産経、日本経済)とNHKテレビが伝えた『鍼灸』を含む記事の数は1980年代から2000年代にかけて15倍に増加した」と言います。しかし、2009年の1年間の記事・報道の内訳は以下の通りでし

          鍼灸における「メディア戦略」を考える

          『9segs®︎』のフレームワークを活用して鍼灸院の「成長戦略」を考える(2)

           前回は鍼灸院経営のうち顧客分析をどのように行うと成果が得られるのか、「9segs®」というフレームワークについてご紹介しました。 前回の復習鍼灸院の成長戦略  9segs®を活用することで「戦略➝実行➝効果測定」をフレームワーク上で管理でき、それらすべてが体系だってアプローチすることが可能となります。戦略は、「誰に(Who)、何を(What)提供するのか」を明らかにし、顧客を9つに分類することによって、それぞれの対応が異なってきます。この9つのセグメントごとに分析を行い

          『9segs®︎』のフレームワークを活用して鍼灸院の「成長戦略」を考える(2)

          『9segs®︎』のフレームワークを活用して鍼灸院の「成長戦略」を考える(1)

           鍼灸業界はさまざまな情報に溢れていますが、考え方や押さえておくべきフレームワークなどの情報となると何故か一気に少なくなります。  今回は、鍼灸院経営のうち顧客分析をどのように行うと成果が得られるのか、「9segs®︎」というフレームワークを例に、フレームワークの導入の重要なポイント、セグメント分析、PDCAサイクルの手順を解説します。  このフレームワークを使用することで、成長させるべき顧客セグメントを特定し、患者さんが求める鍼灸師像、そしてその価値、具体化するアイディアを

          『9segs®︎』のフレームワークを活用して鍼灸院の「成長戦略」を考える(1)

          型が身につく鍼灸臨床 -カルテの書き方-

          カルテの書き方 今回学ぶ内容は「カルテの書き方」についてです。  医師がカルテを記載する理由は、①診療効率の向上、②病態把握と診断推論能力の習得、③医療連携に活用、④トラブルの防止とその対策などが挙げられます。鍼灸師がカルテを記載する理由は前述の理由以外に以下の点が挙げられます。 鍼灸師がカルテを書く理由 1.鍼灸臨床は予定調和的に進むわけではない  鍼灸臨床では、基本予想外のことが起こり得る可能性があり、予定調和的に進まないことを前提としたプランニングが事前に必要とな

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          型が身につく鍼灸臨床 -カルテの書き方-

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          型が身につく鍼灸臨床 -病状説明から治療までの導入-

          「伝わる」「伝わらない」「伝えたつもり」 「ちゃんと説明したのに、なぜこちらの意図と違う解釈をされて話がこじれるんだろう?」と経験したことはないでしょうか?  しっかり「伝わる」ように話したのに「伝わらない」ことには何か原因があるはずです。また、伝わってないことがわかれば何が問題であったのか考えることができますが、「伝えたつもり」で話しが一方向で終わってしまったら改善する余地もなくなってしまいます。  そもそも鍼灸師の養成機関では、患者さんに「伝える」ことの方法を学ぶ機会がな

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          型が身につく鍼灸臨床 -病状説明から治療までの導入-

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          鍼灸師の「育成戦略」を考える/鍼灸学生、若手鍼灸師をどう育成すればいいのか?

           経営資源のひとつである「人」を経営戦略に結びつけ成果を出すための鍼灸師の育成戦略が今求められています。  鍼灸師が成長するためにはどのようなプロセスを踏めばいいのでしょうか?その答えは誰も知らないのかもしれません。今回は「病状説明から治療までの導入」に入る前の休憩がてら鍼灸師の育成戦略について考えてみました。 鍼灸師の育成戦略の現状 鍼灸師の育成を考えていくにあたって、何が問題であるのかを考えてみました。その結果、現状での鍼灸師の育成戦略は機能不全に陥ってしまっていると考

          鍼灸師の「育成戦略」を考える/鍼灸学生、若手鍼灸師をどう育成すればいいのか?

          型が身につく鍼灸臨床 -問題設定・解決の思考法-

          人生は思っているより遥かに短い  「体感では19歳で人生の半分が終わる」という言葉を知っていますか?  フランスの哲学者ポール・ジャネが提唱した法則で、「ジャネーの法則」として知られています。この理論では、例えば5歳児にとっての1年はこれまで歩んできた人生の1/5という割合なのに対して、50歳にとっての1年は人生のわずか1/50でしかないという理論です。つまり、5歳児の一年を体感するには、50歳の1年が10年分も必要だということです。この理論に基づいて人生を80年と仮定し算出

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          型が身につく鍼灸臨床 -鍼灸医療面接(2)-

           私がなぜ鍼灸師を対象とした情報を発信するかというと、理由は大きく2つあります。 1.鍼灸師の資質向上と社会的地位の向上のため  現在、全日本鍼灸学会では『認定鍼灸師』を制定し、医師と同じように「2階建ての構造」を目指しています。1階部分にあたる基本領域では、「医療機関との連携」について触れらています。現状では、鍼灸師同士の連携も出来ていない(諸文書の記載方法や鍼灸院間での紹介・逆紹介のシステムなどが確立していない)ため、医師との医療連携は夢のようなお話しです。しかし、一部

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          型が身につく鍼灸臨床 -鍼灸医療面接(2)-

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          型が身につく鍼灸臨床 -鍼灸医療面接(1)-

          Q.鍼灸師として成長するためにはどうすればいいですか? A.良い指導者を見つけることです。  例えば、ゴルフをこれから始めようとするときに「打ちっぱなし」に行って、とにかく数をこなす方がいらっしゃいますよね?私からしたらその行為はマイナスでしかありません。基本が分からず型もないため、変な癖がついてしまったり、誤った身体の使い方になってしまいます。どれだけ才能があっても一定以上の成長は見込めず、ある時から伸び悩んでしまいます。ここで大切なのは、良い指導者を見つけることです。身体

          型が身につく鍼灸臨床 -鍼灸医療面接(1)-

          型が身につく鍼灸臨床 -導入編-

           はじめまして。鍼灸師の松浦知史と申します。これまで学んだことや臨床で感じたことなどをnoteに綴ろうと思い始めました。以下のような方に向けて情報を発信できればと考えています。 ✓ 対象は鍼灸学生~若手鍼灸師向けとなります。 ✓ 鍼灸師として成長したい方に適しています。 ✓ どのように学んでいけばいいのか解説します。 ✓ キャリアの築き方について触れていきます。 はじめに鍼灸臨床の本質とは?  私も鍼灸師になって8年目に突入しました。鍼灸臨床の世界に入り込み、がむしゃら

          型が身につく鍼灸臨床 -導入編-