看護師のかげさん(kage)

看護が苦手な看護師です。 東京のどこかの病院で働いています。絵と文をかきます。著書に「…

看護師のかげさん(kage)

看護が苦手な看護師です。 東京のどこかの病院で働いています。絵と文をかきます。著書に「ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖」(永岡書店)ほか。チョコレート中毒。 連絡先🐱banananokawasouko@gmail.com

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記事一覧

葬送のフリーレンが壮大なグリーフケアの物語だった

葬送のフリーレンのアニメをなんとなく観たら 壮大なグリーフケアやっていて看護師ぼくはひっくり返った 僕は数年前に終末期ケア専門士の資格を去年取ったんですよ。なん…

おつかれさま医療者

3/13からマスクについて 個人の選択を尊重し 個人の判断に委ねることになりました とのこと。 僕は花粉症かつ医療者なので これからもしばらくマスクをしていますが マス…

患者さんとクリスマスを過ごす(最終回)

看護師の朝の業務にウォーキングカンファレンスというものがある。 業務が始まり、学生さんが実習で居ますよ〜 だったり 工事が入りますよ というような全体の申し送り…

23.看護師のかげさん医療書探し術④

これでラストです。 本屋さんに行ったらの話をします! 前回はこちらをごらんくださいませ。 書店員さんに聞いてみる 医療書などの専門書を置いている書店さんでは 「こ…

22.看護師のかげさん医療書探し術③

本屋さんに行って自分に合った医療書を探してみようの続きです。 前回医療書は置かれている書店が限られているという話をしました。 それでもここ数年で置いてある書店だ…

21.看護師のかげさん医療書探し術②

前回は 医療書は学びたいことを深めつつ ついでにたくさん他のことが学べる! ということを紹介しました。 ここから「本をどこで買うか」の話をします。 ネットで本を買…

20.看護師のかげさん医療書探し術①

「よく本を読んでるよね」と言われる「かげさんって、医療書たくさん読んでますよね」  とよく言われるのですが 「医療書の購入は己の出費に含まれない」 という認識な…

17.ナースコールの使い方についてメモ

 ナースコールは、かの有名なフローレンス・ナイチンゲールが発明した便利グッズです。当時は紐を引っ張ると病室の前、廊下のベルが鳴って、巡視する看護師がその部屋に入…

16.呼吸回数大切だなぁという思い

 看護師のしごとの一つに 『バイタルサインの測定』 というものがあります。  バイタルサインは人が生きている兆候を指す言葉で体温、血圧、脈拍、呼吸回数に必要な所…

15.国試でみんながやるアレは「マルジナリア」というのか

看護学生独特の文化に 「種本をデコる」 というものがあります。  種本というのはメディックメディアのレビューブック、照林社のスタディガイドなどの国家試験のための総…

看護師は文系か理系か

 よく聞かれるのですが  看護→医療→理系  ということで受験の時などでは理系として看護師は案内されることが多かったりします。  実際は科目だけでみると 必須と…

13.夜勤と当直のはなし

 入院している患者さんは、昼だけ具合が悪いわけではなく、また元気であったとしてもいつ具合が悪くなるかわかりません。真夜中に治療を開始することもあります。  入院…

12.自分の身になる勉強イラストを描く

 Twitterで医療勉強イラストをふだん描いているのですが、どうやって作るのか紹介しようと思います。 描いていたら、まさかの書籍化までしました。 感謝… 描くテーマを…

11.『医療者がSNSをするということ』備忘録

自分も医療について何か発信してみたいです 上記のような相談をもらうことがあります。 僕は何か役職についているわけでもなく、先輩と後輩に支えてもらいながら働く み…

⑩痒みの話

朝仕事行く前に「あ〜痒いな」と思ったら左右の足の皮膚が赤くボコボコに浮腫む感じで盛り上がってきたので 「うわ〜!膨疹とかいうやつじゃん?!生まれてはじめての蕁麻…

⑨痛みについて

 ふだんは痛みのことを『疼痛』と呼んでいる。疼痛は身体に異常が起こっていることのお知らせをしてくれているけれど、同じ疼痛でも人によって感じ方が強さが変わってくる…

葬送のフリーレンが壮大なグリーフケアの物語だった

葬送のフリーレンのアニメをなんとなく観たら 壮大なグリーフケアやっていて看護師ぼくはひっくり返った 僕は数年前に終末期ケア専門士の資格を去年取ったんですよ。なんでかというと今まで外科病棟、内科病棟、救命センター…病院のいろんなところで働いてたくさんの患者さんの死に立ち会ったんです。 そこではいろんな最期があってそこでできるケアについて考えていて。じゃあまずは勉強しようと思って、最低ラインの知識をまずは得ようと受験したんです。 看護師の資格はじめなんでもそうですが、資格を得た

おつかれさま医療者

3/13からマスクについて 個人の選択を尊重し 個人の判断に委ねることになりました とのこと。 僕は花粉症かつ医療者なので これからもしばらくマスクをしていますが マスクについての報道を聞いてなんとなくとはいえ自分の中でコロナについて「一区切りついた」とやっと初めて感じることができました。 とはいえ実家では数日前に親が感染していて大変だったのでまだまだコロナに感染する可能性はあります。 でもこれを機会に一度頑張ってきた自分を医療者を労う日にしてもいいかなと思うのです。

患者さんとクリスマスを過ごす(最終回)

看護師の朝の業務にウォーキングカンファレンスというものがある。 業務が始まり、学生さんが実習で居ますよ〜 だったり 工事が入りますよ というような全体の申し送りのあと 一緒に勤務するスタッフとナースステーションを出る。 患者さんの病室、ベッドをひとつひとつ、あいさつをしながらみんなで周るのだ。 「失礼します、Aさん!おはようございます。本日担当させていただきます、看護師のかげです!」 一緒にウォーキングカンファレンスにまわるスタッフも「おはようございます」と声を

23.看護師のかげさん医療書探し術④

これでラストです。 本屋さんに行ったらの話をします! 前回はこちらをごらんくださいませ。 書店員さんに聞いてみる 医療書などの専門書を置いている書店さんでは 「こういう本が欲しいのだけど…」 に答えてくれたりします。 むしろ我々医療者よりも詳しいまであります。  我々、看護師が患者さんの食事終わった後に 「お、お食事おわりましたね!水、どうぞ。この薬お願いします」 と薬を配薬するときに 薬剤師ではないけれど薬の内容を把握するように 書店員さんも医療者ではないけれど

22.看護師のかげさん医療書探し術③

本屋さんに行って自分に合った医療書を探してみようの続きです。 前回医療書は置かれている書店が限られているという話をしました。 それでもここ数年で置いてある書店だいぶ増えた気がする。 僕の予想だと、医療者ではない一般の人が病気になって、それについて知りたい時に家庭の医学ではなく、医療書を見るようになって需要が高まったのかなと思っています。といっても今はネットの情報が主流になっていますが…負けない(?) 日本医書出版協会で探す 日本医書出版協会(JMPA/Japan Me

21.看護師のかげさん医療書探し術②

前回は 医療書は学びたいことを深めつつ ついでにたくさん他のことが学べる! ということを紹介しました。 ここから「本をどこで買うか」の話をします。 ネットで本を買うこといや、ネットでもいいんです。 僕もamazonのリンク載せてるじゃあないですか。 (あとamazonアソシエイトをやっているのですがその売り上げは募金や医療系のクラファンへ回させてもらっています。ありがとうございます。今度その話をしようと思います。) そんなこんなで よく密林もいくし 楽天カードマンもし

20.看護師のかげさん医療書探し術①

「よく本を読んでるよね」と言われる「かげさんって、医療書たくさん読んでますよね」  とよく言われるのですが 「医療書の購入は己の出費に含まれない」 という認識なので 『ときめいたら買っている』 からだと思います。  ちゃんとたくさん働いていますしちゃんと貯金してます。 金遣いが荒いわけじゃないです。 たぶん。 全部読んでいるわけじゃない速読できません。 でもたくさん読んでいるように見えるのは、 たくさん持っていても 全部は読まず 自分に必要なところだけを深く読み

17.ナースコールの使い方についてメモ

 ナースコールは、かの有名なフローレンス・ナイチンゲールが発明した便利グッズです。当時は紐を引っ張ると病室の前、廊下のベルが鳴って、巡視する看護師がその部屋に入り患者対応をするというものでした。  このナースコールのおかげで我々は巡視する回数や時間を減らすことができています。 ナイチンゲール先輩、ありがとう。  そして今のナースコールはベッドのまわりにある呼出ボタンを押すと、ナースステーションにあるナースコールボードが点滅して、音が鳴ります。  ナースコールボードは壁

16.呼吸回数大切だなぁという思い

 看護師のしごとの一つに 『バイタルサインの測定』 というものがあります。  バイタルサインは人が生きている兆候を指す言葉で体温、血圧、脈拍、呼吸回数に必要な所見(意識レベルや尿量など)を言います。  主に4つなのですが、この4つの中で「呼吸回数」は一番無視されがちなものだったりします。病棟や施設によっては呼吸回数を記録しないところもあります。でもSpO2は測定してる。測るの楽ちんだから。  僕はぜひルーティンでもいいくらい、どんな病棟や施設、状態であっても常にやっ

15.国試でみんながやるアレは「マルジナリア」というのか

看護学生独特の文化に 「種本をデコる」 というものがあります。  種本というのはメディックメディアのレビューブック、照林社のスタディガイドなどの国家試験のための総合的な参考書のことを指します。  その「種本をデコる」というのは付箋や新たな紙を足し勉強することを指します。  そうするとページ数が増えて分厚くなっていくので「レビューブック/スタディガイドを太らせる」とか呼んだりします。 こんな感じ。もっとみんな可愛く読みやすいのでInstagramとかでみてください。  

看護師は文系か理系か

 よく聞かれるのですが  看護→医療→理系  ということで受験の時などでは理系として看護師は案内されることが多かったりします。  実際は科目だけでみると 必須として英語、小論文 選択で国語・地歴・数ⅠA・理科から1つ選ぶ  というのがよくあるパターン。つまり、英語、国語、日本史など、どっちでも大丈夫です。僕の親戚はそれで看護師になっています。  行きたい学校、専門学校か大学か、受験問題の難易度によっても変わるのでどっちがいいとかはありません。  伝えたいのは「文系で

13.夜勤と当直のはなし

 入院している患者さんは、昼だけ具合が悪いわけではなく、また元気であったとしてもいつ具合が悪くなるかわかりません。真夜中に治療を開始することもあります。  入院時や、治療中などの苦しい時間から退院まで同じ人が担当できる方が患者さんも安心しますし、情報収集の時間が減ってスタッフ側も働きやすくなるかもしれません。  しかし医療者の働ける時間は有限です。スーツを着る会社員のように朝行って、夕方に帰るのと同じ時間しか活動できません。夕方帰ってしまったら患者さんを看護する人がいなくな

12.自分の身になる勉強イラストを描く

 Twitterで医療勉強イラストをふだん描いているのですが、どうやって作るのか紹介しようと思います。 描いていたら、まさかの書籍化までしました。 感謝… 描くテーマをきめる  一番大切なのは「描きてぇ!」の気持ちです。  そうじゃないと描くことが大変になります。  描くことが大変なら 「お絵描きしないで勉強しろ」  ともう一人の僕が申しております。  描くときはハッピーであれかし。 僕の場合は ・自分が勉強して印象に残ったこと ・後輩や学生さんに指導して彼

11.『医療者がSNSをするということ』備忘録

自分も医療について何か発信してみたいです 上記のような相談をもらうことがあります。 僕は何か役職についているわけでもなく、先輩と後輩に支えてもらいながら働く みんなが『ふつうの看護師』と思っているような仕事をしています。  それを強み(?)に『看護師のかげさん』名義で色々と看護や医療の活動やお仕事をしてきました。  そのきっかけは紛れもなくTwitterをはじめとしたSNSのおかげです。  そして小さい頃からインターネットがある環境で、たくさんインターネットで失敗してい

⑩痒みの話

朝仕事行く前に「あ〜痒いな」と思ったら左右の足の皮膚が赤くボコボコに浮腫む感じで盛り上がってきたので 「うわ〜!膨疹とかいうやつじゃん?!生まれてはじめての蕁麻疹かもしれん!」 とボコボコした足の写真を撮りながら昨日から今までの食事のことを振り返った。外食はしなかったしいつも通りの肉と野菜とかで、食物のアレルギーが思いつかなかった。写真は診察することになったときかなり有効なので皮膚の状態が変わったらぜひ写真をとるようにしてみてほしい。 痒みのことを『掻痒感』と呼ぶ。「掻(

⑨痛みについて

 ふだんは痛みのことを『疼痛』と呼んでいる。疼痛は身体に異常が起こっていることのお知らせをしてくれているけれど、同じ疼痛でも人によって感じ方が強さが変わってくる。 大袈裟な痛み痛みには『侵害受容性疼痛』と『神経障害性疼痛』や『内臓痛』『体性痛』『関連痛』などさまざまな分類がある。いずれにしても疼痛のある患者さんがいたら「何によって痛みが起こっているのだろうと考えるようにする。怪我によるものなのか、手術、感染症、がん、精神的なもの…いろんな要素がある「Aさん痛みが出てます」以