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13.夜勤と当直のはなし

 入院している患者さんは、昼だけ具合が悪いわけではなく、また元気であったとしてもいつ具合が悪くなるかわかりません。真夜中に治療を開始することもあります。

 入院時や、治療中などの苦しい時間から退院まで同じ人が担当できる方が患者さんも安心しますし、情報収集の時間が減ってスタッフ側も働きやすくなるかもしれません。
 しかし医療者の働ける時間は有限です。スーツを着る会社員のように朝行って、夕方に帰るのと同じ時間しか活動できません。夕方帰ってしまったら患者さんを看護する人がいなくなってしまいます。そのため交代で仕事をしています。

シフト制といいます。

夜勤

 夜勤は簡単に言うと
「夜も昼と同じくらいガッツリ働く勤務」です。

 対照的なものに「宿直」や「当直」と呼ばれるものがあります。
 
 宿直は「非常時のときに備える勤務」なので非常時でなければ存在するだけで大丈夫だったりします。
 夜勤は昼と同じように治療も、日常生活援助も行います。
 
 夜勤はある程度毎夜勤勤務の業務量は同じですが、宿直は非常時でなければ読書して…など自分の時間を過ごすことが可能ですが、反対の場合は夜勤並みまたはそれ以上の疲労を感じることがあります。
 宿直は病院の看護師では師長などの役職、介護施設の看護師でみかける勤務形態です。

一般病棟ぼくのある日の夜勤
16:45情報収集
17:00申し送り
18:00経管食事介助・オペ・検査
19:00休憩30分
20:00バイタル
21:00報告
22:00消灯
0:00巡視、薬剤チェック、PC作業
2:00休憩1.5時間
4:00巡視、委員係の仕事、計画・サマリー
6:00バイタル、採血
7:00食事介助
8:00カンファ
9:00申し送り

こんなかんじです。
夕方にきて、朝終わる感じです。

当直

 病院で働くドクターに多い勤務形態です。こちらもともとの勤務時間以外で働くことを指します。つまり当直をしているドクターはもともとの勤務形態が日勤だけで、「当直」という勤務時間外の業務を頑張っているというイメージです。

あるドクターの当直日
8:00カンファ
9:00オペ
13:00休憩
13:30外来
16:00病棟
19:00夕食
0:00オペ
7:00検査結果確認
8:00カンファ
9:00看護師の報告
(色々しすぎているので端折りました。ところどころで仮眠をしています)
何を伝えたいかと言うと夜勤と違い朝から次の朝まで働いているのです。
イメージとしてはいつもの日勤+夜中仕事がんばって合間に休むといった感じです。

夜勤と当直の違いを学ぶことがない

 夜勤と当直、僕は新人のとき全然違いが分からず、ドクターの夜勤のことを当直というのかと思っていました。違います。
 このように夜勤開始時のモチベーションがすでに大きく違います。だって日勤もがんばっているのだもの。お疲れ様です。

 どの勤務が大変とかいいとかはありません。
ただ昼に緊急オペがたくさんあったみたいだよーなんて日勤から聞いて「へぇ、日勤大変だったんだ」と思うでしょう。そこに一緒に夜はたらくドクターもいるかもしれないということです。

 「当直は大変だから報告しない」というのはよろしくありません。必要な業務は一緒に行わなくてはなりませんが、「昼間大変だったって聞きました…お疲れ様です」と労いの声をかけてあたたかい雰囲気で安心して働けるといいなと思いながら夜勤をします。

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