日本の金継ぎ、イギリスで大ブーム中
日本の思想や哲学
整体というものは日本独自のものです。日本に古来から脈々と受け継がれてきたものでして、それゆえにそこには思想があり哲学があります。整体の技法を持っているものがその技を人の身体に施すことで毒にも薬にもなります。
日本の金継ぎ、イギリスで大ブーム中
これは金継ぎという日本の伝統的な陶磁器の修理方法がイギリスを含めた世界各国で注目を集めているというお話です。
金継ぎというのは、日本の伝統的な陶磁器の修理法のこと。割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着して継ぎ目に金や白金などの粉を蒔いて飾る。金継ぎしているところのことを「景色」と言って、骨董の茶碗なんかだと金継ぎしてあった方が価値が高かったりする。
日本の美学
欠けて修理している方が価値が高いというのにも日本人の美学が伝わってくるようです。
この世に完全なものはないと思いながらも完全であろうとする。そうじゃない部分も愛でるところがとてもいいですね。
ルームメイトが通ったビジネス・スクールの先生がリーダーシップのゼミで金継ぎの話をしたらしい。先生の説明によると、全てのリーダーたちには傷や過去のトラウマがある(リーダーじゃなくても誰だって忘れたい黒歴史がある。ベタなアクション映画ヒーローみたいけど)。いいリーダーになるには強くなるための教訓として自分の傷を金継ぎの美しいひびのように受け入れるべきだと。
誰しも忘れたい過去や失敗はあるものです。それが金継ぎで修復された部分のように光輝くときがかならずくるのだと思っています。
外国人は日本の哲学に興味を持つ
この記事によりますと、
この金継ぎブームの外国人は金継ぎという「哲学」に興味がある。
としています。やはりここでも日本の哲学が焦点になっています。
「金継ぎ:自分の欠点を受け入れ、幸せを見つけよう――日本式に」という本を執筆したトマ・ナバロによると、手術の傷跡を気にせずにビキニを着てビーチに行く乳房切除患者は「金継ぎ哲学」の典型的な実践者だ。
「自分の壊れている、難しい、辛い部分を光や金や美しさを照らしている部分として見るのを誰でも選択できる。」
どんな自分でも受け入れるというのはとても難しいことなのかもしれませんが、不完全な自分を受け入れ、不完全さの中に美を求めるのが日本の持つわびさびの文化なのです。
今や、メンタル・ヘルスとこころの健康はヨーロッパとアメリカのマスコミの一大関心事だ。日本や東洋の哲学は西洋ではとても尊敬されている。
他文化の知恵や哲学を勉強するのは人をより寛容的にする、という点でとてもいいことだと思うけど、日本とイギリスだけではなく全ての国が直面している国民のメンタル・ヘルスの悪化、生きづらさの問題は、金継ぎ哲学だけでは解決しないだろう。
日本人は日本文化の持つ知恵や哲学をどれだけ理解しているのでしょうか?ここに出てくる生きづらさというものはどういった価値観からうまれてくるものなのでしょうか?
ただ金継ぎの哲学をそこに持ってきただけでは筆者の言う通り解決しないだろうと思います。
整体の持つ世界観
整体というものがこの部分にどれだけ寄与できるでしょうか?整体は悪いものを切って貼って治すものではなく、その人の身体の回復力によって治って行く方向に導くものです。ですから、ぼくはその人のお身体を痛かろうが痛くなかろうが長く長く観ていきたいと思っています。来られた会員さまのお身体を10年20年と観ていきたい。その方の人生のライフイベントもご一緒できるようなお付き合いをしていきたいと思っています。
それは完全さを目指す道ではないでしょう。不完全さの共鳴、調和なのかもしれませんし、人間とは本来そういうものなのかもしれません。外国の方にもそういったことを理解していただけるようであれば日本文化のひとつとして整体が海外においても貢献できることなのかもしれません。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。
読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。