また来年も祝うからさ、また会う日まで元気でね

誕生日に「おめでとう」と言いあえる仲が好きだ。
特別にプレゼントなんか用意しなくても、今年も大切な人たちの誕生日を忘れることなく、心の中であっためたお祝いの気持ちを伝えられることが嬉しいんだ。
もちろん、何かを贈ったり貰ったりすることが嫌いな訳じゃない。
相手を想ってプレゼントを探し、選ぶ時間もこれもまた良い。
私を囲む大切な人は夏生まれが多い気がする。
夏は嫌いなんだけど、これも″夏のおかげ″のひとつかな。

スマホを手にしてからさっと送れるメッセージはちょっと無機質な気がして、文字とともに使う絵文字やスタンプは子どもっぽくて鬱陶しいかなぁなんて余計なことを考えるようになってしまった。
だから私は便箋やペンを選び、手紙をじっくり書くのが落ち着く。
この方が伝えたいことも素直に綴れる気がしている。
新しい便箋を探しに行ったら、売り場がいつもの場所から移動してこじんまり縮小されていた。
いまどき手書きなんてする人はやはり少ないのだろうか。
少し物哀しくなった。
そんなことはどうであれ、私は大事なことはあって伝えたいし、自分の文字でなぞった言葉に気持ちを込めて届けたい。

来たる年とともに重なる歳を、今年もまた無事に祝えることを奇跡だとさえ思えてくるこのご時世。
毎日が誰かの誕生日ってよく聞く。
だからこそ、命の鼓動が今もなお絶え間なくこうしてどこかで繋がっていることを、当たり前じゃないってことを忘れたくない。
命を宿した私たちが
誰かに想われて、誰かを想い、
あの人に愛されて、あの人を愛す。
そんなシンプルな営みを大切に生きていけたらいいね。

また来年も忘れずに祝わせてよ。
誕生日だけは、私忘れたことないからさ。
おめでとうって何度でもさ。
また会う日まで元気でね。