プシュっとはじけて消えて忘れちゃえ

イライラすると炭酸飲料を買って一気に飲みほす。

普段はお茶しか飲むことがないのだけれど、もう全部何もかもを投げ出したい時には必ず炭酸飲料を飲む。

(ちなみに私は喘息症状を持っていて薬に害が出るためお酒は飲まない。そもそも家族もお酒を飲む文化がないためアルコールに対する免疫は乏しい。)

500㎖の炭酸飲料が1本で済むときは軽症、3本以上であれば重症。

炭酸飲料はファンタグレープが1番のお気に入り。

(最近、ファンタプレミアムグレープなんていう眩いものを見つけたからテンションが上がっている。)


まずはペットボトルのキャップを勢いよくひねって、プシュッとガスの抜ける音に耳を傾ける。

いたずらっ子のように鮮やかな紫色で頭が悪くなりそうな甘いその液体が、しゅわしゅわと気泡を弾けさせながら喉をつらぬく感覚が心地いい。

いがいがしていた痛みも、もやもやと鬱陶しいほどに頭に絡みついていたもの、すべてがはじき飛ばされていく。

一気に飲みほしたら、取り込んだガスを身体に静かに沈めていく。

身体の中から立ち込めてくるガスに、不快に感じているものを混ぜてまとめる。

最後に空っぽになったペットボトルの蓋を閉じて、宙に思いっきり放り投げる。

あっ、もちろん人がいない場所でね。

これがいちばん開放的になれるの。

宙を舞う空っぽのペットボトルが空虚な気持ちを代弁してくれる気がして、投げてはキャッチを繰り返す。

自然と気持ちが落ち着いたらペットボトルを拾い上げてきちんとゴミ箱に捨てる。


嫌なこと、忘れたいこと、逃げ出したいことなどからどうしても離れることができないとき、昔の私はどうしていたのかなぁって回想してみたりする。

だけどはっきり思い出すことはできず、曖昧なままその鱗片でさえ捉えることができない。

成長するにつれてだんだんと吐き出すことが下手くそになったから、こんな形で消化している。

羨ましいほど透明で、忘れたころには消えてしまうような炭酸飲料の気泡に、私の苛立ちをも消し去ってほしいと願いを預けているのかもしれない。

もういっそのこと「無理なもんは無理!」って嫌なこと全部断ち切って、とりあえず炭酸でしゅわっと流しておこう。



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